ものづくり基礎知識 機械加工 金属加工

生産技術が持つべき加工機械とは

生産技術の業務には治具の設計と製作、メンテナンスがあります。また加工治具や組立て治具は製品開発プロセスの後半で常に短納期を求められますので、最低限の加工機械を持つ必要があります。

加工機械の種類

小型機器や小型家電に関する治具を設計・製作する生産技術を題材に、必要な加工機械をまとめます。

① コンタマシン

電動糸鋸の様な加工機械で主に材料の外形の切取りや、円形以外の穴形状を加工する際に利用されます。

適用例:治具の台座、位置決めブロック、スタッド高さ調整など

② ボール盤

ドリルで穴開けを行う機械で直立ボール盤、ラジアルボール盤、卓上ボール盤などの種類があります。小型治具の場合には主に卓上ボール盤が利用されます。

適用例:スタッドの取付け穴加工、ブロックの取付け穴加工、ネジの下穴加工など多岐に渡ります。

③ 旋盤

ロクロの様に棒材を回転させながら加工する機械で卓上タイプもあり、生産技術で利用されます。

適用例:位置決めピンの加工、各種ピンの加工、カシメ台座の加工など

*スタッドなど定型の治具部品を購入するため、旋盤の使用頻度は少なめです。

④ フライス盤

エンドミルなどで平面加工や、ポケット加工を行う機械です。コンタマシンでは出せない精度での加工が必要な場合などに利用されます。

適用例:位置決めブロック、逃し形状加工、取付け面加工など

⑤ 圧入機

簡易的なプレス機でハンドプレスと油圧プレスなどがありますが生産技術ではハンドプレスを利用することが多くあります。

適用例:ベリングの圧入、位置決めピンの圧入、各種組み立て

購入品と製作品の使い分け

上記の各種加工機械で治具を製作できるのですが、購入品で対応する場合も多くあります。MISUMI(総合Webカタログ)ではプレート、スタッド、ブロックなどが多彩なサイズで用意されています。購入品と製作品を使い分けるポイントはなんでしょうか。

  • 購入品
    同じ治具を大量に作成する場合には加工工数、品質、納期、コストの観点から購入品で対応します。また治具の設計段階から購入品利用を前提に設計を行う場合も多くあり。治具設計の主流に成りつつあります。
  • 製作品
    少量の治具や特殊形状治具の場合には社内で製作する場合が多くあります。加工を外注すると納期、コスト、図面の用意などが必要となり、入手に時間が掛かります。

まとめ

生産技術の現場では実際に機械加工を行う比率が低くなっています。加工外注の多種多様なサービスにより短納期、低コスト、図面レスが実現できるので将来は工作機械が必要なくなるかもしれません。


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