金属加工

FAって何だろう?どんなことをするの?

FA(ファクトリー・オートメーション)という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。機械部品などでも「FA用パーツ」として売られているものもあります。しかしFAとはいったい何なのでしょうか? 今回はFAとは何か解説していきます。

FAって何だろう?どんなことをするの?

FAが指す「自動化」は非常に幅広い

FAが指す「自動化」は非常に幅広い

FAとはファクトリー・オートメーションの略。つまり工場の自動化という意味です。これほど自動化が進んでいる時代であるにも関わらずさらに「自動化」といわれると少し変な気持ちもします。それもそのはず、FAという言葉が出はじめたのは1950年代といいます。機械が電動化したり、工作機械にICが組み込まれるなどの変化が起こり、まさに産業が自動化していった時代に生まれた言葉なのです。元々は産業用ロボットの導入などを意味していた言葉ですが、自動化される範囲が広がるのに伴い、現在FAは非常に広い範囲を指す言葉になりました。現在では、生産ラインで自動で動く小さな機械から大きな工作機械、CAD、自動搬送機や自動在庫チェッカー、IoTなども含め、全てがFAの範囲に入っています。
FAの具体例をいくつか紹介していきましょう

工場で動く機械。物理的な面から見るFA

工場で動く機械。物理的な面から見るFA

機械部品が「FA用パーツ」として販売されている場合のFAは、作業者が生産ラインの横に立って作業を行うような環境で、作業者の作業をアシストしたり、作業者が手で行う作業を自動化することを意味します。具体的には、治具に組み立てる製品を置いたら自動で固定される機械や、ラインの横で2種類のワッシャーを重ねて作業者が取り出しやすい向きで差し出してくれる装置などです。手のひらに乗るくらいの小さな装置から、大きいものでも人の背丈を超えない程度のものがほとんどです。このような自動化機械は、作っているものや工程によって求められる役割が多岐にわたるため、量産販売されていません。そのため、生産技術や製造技術などに所属する技術者や、治具の専門メーカーなどが、現場に合わせて一品一様で手作りしている場合がほとんどです。機械部品で「FAパーツ」が扱われているのは、このためです。
他にも工場では、NCや自動で走行する無人搬送機など、自動化のためのさまざまなFA装置が動いています。

通信やプログラムなど。システム面から見るFA

通信やプログラムなど。システム面から見るFA

ITやデジタル化も絡めた、システム面に関するFAもあります。CADで描いた図面を保管し、設計変更履歴や部品番号とも併せて保管、検索もできるデータベースやBOM(部品表システム)、CAM(CADの図面をNCなどに送り、手動のプログラミングなしで加工するシステム)などもFAのなかに入ります。例えばCAMであれば、従来は作業者が図面を見ながら、手動で加工機にプログラムを入力しなければいけませんでした。しかし近年では、CADのデータをそのまま取り込み、機械自身が加工の手順を考え、自動でプログラムを作るものもあります。このようなシステム面で自動化されていくものもFAの形の一つなのです。近年では、インダストリー4.0などの動きもあり、これらのシステムをIoTとも絡めて、さらに高度に工場そのものを自動化していこうという動きもあります。働き方改革や、人材確保難、人件費の削減などもあり、自動化によって人手を減らすのは、大きなトレンドのひとつになっています。FAが目指す工場の最終形態は全てが自動化された無人工場、無人製造システムになりますが、少なくとも今はまだ、すぐにでもその段階に到達できる工場は非常に限られているでしょう。

まとめ

このようにFAとは、物理的なものからシステム面に関するものまで非常に広い範囲をカバーする言葉です。IoTなどによる無人工場のような壮大な話もあれば、製造ラインで作業者の手作業をアシストする、かんたんな装置まで全てがFAに含まれています。そのため「FAが……」という話が出てきた場合には、どの部分の話なのかを意識する必要があります。

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