お客様事例 製作事例

摩擦検証用治具と検査モジュール手動搬送補助部品

要素開発で必要な瞬発力に対応する即日納期!

メビーをご利用のお客様へ、製作いただいた部品事例とメビーの活用方法を取材させていただきました。

部品紹介

■お客さま情報

製作者 K・Tさま
業種 生産用機械器具製造業、その他の装置機械製造
担当業務 開発設計部署にて製品の要素技術の開発・設計、研究・実証実験、機械(メカ)設計・装置設計・治具設計
メビー利用歴 1年以上

摩擦検証用装置の錘厚手鋼板(上)

摩擦検証用装置の錘厚手鋼板(上)

要素技術検討で構築した検証環境で材料間の摩擦係数を測定

要素技術検討の一環として構築した検証環境では、錘(おもり)からのウエイト荷重とプッシュプルゲージの引張荷重(摩擦力)を利用して、材料間の摩擦係数を算出しています。測定器を用いてアイボルトを引っ張ると、摩擦力の数値が表示される仕組みです。

安価で重量のあるSS400の厚手鋼板8mmを使用し、錆防止のためには三価クロメートで表面処理を行いました。アイボルト取り付け部にはタップ穴と4か所の固定用穴を設け、表面処理用にはΦ10の通し穴を吊り穴として加工しました。アイボルトは信頼性のあるミスミのカタログから購入しました。

利用サービス 板金加工 材質 SS400
表面処理 三価クロメート(白) 公差指定 一般公差
出荷日 5日目 参考価格 4,200円

ハンドル保持プレート(アダプター)

ハンドル保持プレート(アダプター)

要素試験用検査モジュールに追加したハンドルと連結アダプターの導入

要素試験で検討中の検査モジュールに後づけしたハンドルです。ハンドルはミスミのカタログから購入し、モジュールとの連結に、メビーで製造したアダプターを使用しています。

連結アダプター

アルミ製ハンドル保持プレートの設計と加工における工夫

ハンドル保持プレート(アダプター)は、軽量な特性が求められたため、アルミでの製作にしました。作業者の手の出し入れに十分なスペースを確保するため、ハンドル固定部と中央部に段差を設け、両端には半円形が残るように切削しました。裏面のザグリ穴は、ハンドルのつけ根裏にあるネジ切りにボルトを差し込むためのものです。モジュール固定側の突起物との干渉を避けるため、裏面には部分的なポケット加工を検討しましたが、エンドミル1発で加工可能であり、かつ強度的にも問題がなかったため、敢えて端から端まで削ってレールのような形状に仕上げました。

利用サービス 切削加工(角物) 材質 A5052
表面処理 アルマイト(白) 公差指定 一般公差
出荷日 8日目 参考価格 8,100円

メビーを選んだ理由

半導体製造装置の開発設計部署に所属し、要素技術の開発に取り組んでいます。主に機械設計を担当し、検証用の装置を製作して実証実験や検討を行っています。

メビーを活用した要素技術開発と検査モジュールの製造

今回、メビーを活用して製造したのは、摩擦力を測定するために使用する錘(おもり)です。このために、SS400の2mm厚の板金部品を2枚使用しました。もともとは鉄の塊を削るだけのブロックでも問題ありませんでしたが、予算と重量のバランスを考慮して、板金を選択しました。注文した部品は予定通りの仕上がりで、納期も速くて助かりました。

別の検査モジュールでは、後から「ハンドルをつけたい」という要望が出て、ハンドルを取り付けるためのアダプターを切削加工で製造しました。アダプターの両サイドに施した半円形の削りは、ハンドル部分に手を入れた際に手を傷つけないようにするためのものです。角があると傷のリスクがあったため、半円形にしました。設計の細部に注意を払ったおかげで、外観も美しく仕上がり、非常に満足しています。

何よりも、案件の緊急性が高かったため、メビーを利用して正解だったと感じています。

要素技術開発のプロセスにメビーの短納期を活用

要素技術の開発は、切削、削り、穴あけ、溶解などの要素技術の実験を通じて、「将来的に作りたいもの」に必要なアイデアや機能を検証し、設計開発に進むプロセスです。「さまざまなことができる可能性」があるということは、設計が完了して手配が進行している段階でも、新たなアイデアや実装したい機能が頻繁に生まれます。

実験の開始時期の変更はあり得ませんので、結果的に後出しの「やりたいこと」はすべて急ぎ案件。そうなるとメビーの短納期が非常に良いのです。

CAD設計段階でコストを意識

メビーはサービス開始当初から利用しています。初めてメビーを知ったときは、設計者がコスト意識を持って設計に取り組むきっかけになると感動しました。CAD設計段階でコストを意識することは、素晴らしい取り組みだと思います。

設計の初期段階でコスト感を評価したい場合、メビーを使用してアセンブリファイルをアップロードし、複数の見積もりが取得できます。CAD上で簡易的なイメージ(ポンチ絵)を作成し、一定の形に近づいたら、その構想段階でアセンブリファイルとしてアップロードします。すべての部品の見積もりが完了しなくても、コスト感が分かれば具体的な設計を進めます。実際に注文を決定する際には、単品ごとにアップロードし、確定したものを購入する流れです。

また、コストの確認とは別に、単品でアップロードしたモデルが一発で自動見積もりができたら、すごくスッキリして嬉しいです。メビーを試す中で、占いのような楽しみ方も見つけました(笑)。エラーなくスムーズに自動見積もりができた日は、良い1日!購買意欲も高まります。

急ぎの案件で発生する煩わしい調整業務を解消

要素開発において部品調達には瞬発力が必要。メビーは早い納期に対応できることが大きなメリットになります。時間削減効果は、2D化作業の削減も含めて約1週間。
実は、社内でも特急でお願いすればメビーとさほど変わらない納期で実現可能ですが、購買理由や急ぎになった背景などを説明して購買にお願いする時間や、エビデンスの準備など、他部署との連携に必要な調整業務が発生します。

メビーはその煩わしさが解消されるので「早い」に加えて購入のハードルが下がり、利用しやすいことがメリットだと思います。

評価のポイント

● 急な案件でも確実短納期で部品調達が可能
● 特急調達時の煩雑な調整業務がスムーズに解消