FAメカニカル部品 meviyの上手な使い方

板金部品の価格が30%ダウン!高いコストを削減できる設計ポイント

板金部品のコスト削減・納期短縮できるポイントは部品製作時に使用する「金型」と「治具」の違いにあります。さらに金型や治具を使用する際の「段取り工数」もコストと価格に影響します。板金部品の価格を抑えたい、納期を短縮したいという方必見の設計ポイントを、金型と治具の2パートにわけて事例とともにご紹介します。

金型の種類によるコストと納期の違い

ちょっとした形状変更をすることで、部品製作時に使用される「金型」の種類がかわり「工数」を少なくすることができます。 「標準金型」を利用し、「工数が少ない」設計にすることができれば、部品の値段も納期も抑えることが可能です。

コストが高い/長納期の特徴

特殊金型のイラスト

特殊金型の使用

  • 加工メーカー独自の金型や特殊加工ができる金型

工数が多い

  • 金型を交換する回数や取り付けに時間がかかる
  • 加工作業が複雑

コストが低い/短納期の特徴

標準金型のイラスト

標準金型の使用

  • 加工機メーカーの設定している標準金型
  • 単純な曲げ用の金型

工数が少ない

  • 金型交換が発生しない
  • 加工作業が単純で加工がしやすい

事例(1) 曲げ高さを高くする

たった1mm高くするだけで、標準金型で製作が可能になり工数が減るため、価格と納期を抑えることができます。
(今回の事例では、高さ:8.3mm以上の設計にすることで金型・工数が変化しますが、部品の仕様により、その高さは異なります。)

特殊金型/工数多い

特殊金型のイラスト

価格:
3,520円
納期:
5日目出荷

約1mm
高さを
変更

標準金型/工数少ない

標準金型のイラスト

価格:
2,490
納期:
3日目出荷

※掲載情報は2020年10月時点のものです。

事例(2) 曲げ角度を広くする

30°広げるだけでも、標準金型で製作が可能になり工数が減るため、価格と納期を抑えることができます。
(今回の事例では、角度:110°以上の設計にすることで金型と工数が変化しますが、部品の仕様により、その角度は異なります。)

特殊金型/工数多い

特殊金型のイラスト

価格:
3,520円
納期:
5日目出荷

約30°
角度を
変更

標準金型/工数少ない

標準金型のイラスト

価格:
2,490
納期:
3日目出荷

※掲載情報は2020年10月時点のものです。

補助治具の要否によるコストと納期の違い

板金部品のコスト削減・納期短縮できるポイントの1つは、部品製作時に使用する「治具」と「段取り工数」の違いです。
指定の位置で曲げ加工を行う前の段取りとして「治具」を使用し素材(ワーク)を固定させます。「治具」は、常設と補助があり、固定の際に使用する治具が、「常設治具」のみとなる「段取り工数が少ない」設計であれば、部品の値段や納期も抑えることが可能です。

コストが高い/長納期の特徴

補助治具が必要

  • 常設治具と一緒に補助治具も使用
  • 加工精度を出すため、特殊技術を要する

段取り工数が多い

  • 曲げ位置の印を付けるなど加工のための段取りを要する

コストが低い/短納期の特徴

補助治具が不要

  • 常設治具のみ使用
  • 加工精度を出すための特殊技術が不要

段取り工数が少ない

  • 加工のための段取りが不要

今さら聞けない?!曲げ加工時に使用する治具について解説!

【図1】金型でワークを曲げる様子を横から見た図
図1のイラスト

加工機による曲げ加工は、ワークを治具でしっかり固定することが重要

図1は、金型でワーク(オレンジ部分)を曲げる様子を横から見た図です。
ワークを黒点線の箇所で曲げるためには、ワークの奥にあるバックゲージと呼ばれる「常設治具」に向かって、矢印方向にワークを突き当てて固定し、黒点線上(曲げ線)に金型を押し当てて曲げます。
加工時にワークがずれると曲げる箇所もずれるため、しっかりと固定する必要があります。ワークの固定がしっかりできず不安定な状態で曲げ加工を行うと、曲げ線が斜めになったり、寸法不良など精度が落ちる原因になります。

【図2】別のワークの曲げ加工を上から見た図
図2のイラスト

ワークの固定が「常設治具」のみでできない時は、「補助治具」が必要

図2は別のワークの曲げ加工を、上から見た図です。
図2のようにワークの端面(赤線)がバックゲージに突き当てにくい形状だったり、突き当てる面が小さい場合は、ワークの固定が「常設治具」のみでは困難になります。そのような場合は、「補助治具(青部分)」も使用したり、その他には曲げる位置に印を付けるなどの段取りを行います。
「段取りが必要=工数増加」になるため、高コスト/長納期の要因となります。

【図3】平行な端面を作る
図3のイラスト

曲げ線に対し平行な端面を作ることで、「補助治具」が不要になり「常設治具」のみでワークの固定が可能に

図3のように、バックゲージに突き当てるワークの端面(赤線)を、曲げ線(黒点線)に平行した直線で作ることで、「補助治具」が不要になり「常設治具」のみでワークをしっかり固定でき、曲げ加工自体も特殊技術なく容易に行えます。

< 形状の推奨条件 >

端面の長さ(A)を曲げの長さ(B)の半分以上にすること(A≧B÷2)を推奨しています。バックゲージに突き当てる面(A)が多くなり、ワークの固定が容易にできるからです。

【図4】突起で平行な端面を作る
図4のイラスト

図3のような端面が作れない場合は、図4のように曲げ線(黒点線)に対し平行な突起を作ることで、「補助治具」が不要になり「常設治具」のみでワークをしっかり固定できます。

< 形状の推奨条件 >

突起形状の長さ及び幅(C)は10mm以上、かつ外形から突起までの距離(D)を100mm以下にすることを推奨しています。

※外形から突起までの距離(D)が離れている、もしくは曲げの長さ(E)が長い場合は、ワークがバックゲージの取り付け部にあたるため、ワークがしっかり固定できず曲げ加工ができない事があります。

事例(3) 曲げ線(黒点線)に対し、平行な端面を作る

曲げ線に対し平行な端面(バックゲージに突き当てる部分)を作ることで、「補助治具」が不要になります。そのため「常設治具」のみでワークを固定することができ、段取り工数が減り価格と納期を抑えることができます。

補助治具が必要/工数多い

曲げ線と端面が平行ではない

価格:
5,390円
納期:
5日目出荷

曲げに平行な端面を作る

補助治具が不要/工数少ない

曲げ線と端面が平行

価格:
3,640
納期:
3日目出荷
32%ダウン
2日短縮

※掲載情報は2020年10月時点のものです。

事例(4) 曲げ線(黒点線)に対し、平行な突起を作る

曲げ線に対し平行な端面(バックゲージに突き当てる部分)を作れない場合は、代わりに平行な突起を作ることで「補助治具」が不要になります。そのため「常設治具」のみでワークを固定することができ、 段取り工数が減り価格と納期を抑えることができます。

補助治具が必要/工数多い

曲げ線と端面が平行ではない

価格:
5,390円
納期:
5日目出荷

曲げに平行な突起を作る

補助治具が不要/工数少ない

曲げ線と端面が平行

価格:
3,740
納期:
3日目出荷
30%ダウン
2日短縮

※掲載情報は2020年10月時点のものです。

1分でチェック!meviyの加工可否自動判定で、コスト削減ポイントに気づける!

meviy FAメカニカル部品では、アップロードされたモデルの加工可否を自動で判定しています。加工判定が不可の場合は、3D CADデータをアップロード後「下記メッセージをクリックして見積条件を確認下さい」というメッセージが表示され、メッセージをクリックすると詳細を確認できます。
実は、このエラー箇所の加工が、価格や納期を変化させるポイントです!

\ エラーが目印。コスト削減に繋がるチャンス! /

【特殊金型を使用する難易度が高い加工】
meviy自動判定画面

(1)曲げ加工時にパーツと金型が干渉します。

【補助治具が必要な段取り工数が多くなる加工】
「補助治具」meviy自動判定画面

(1)曲げ線と平行な突き立て部がありません。

板金部品のエラーは、特殊金型を使用する難易度が高い加工や、補助治具が必要な段取り工数が多くなる加工に対して表示されます。エラー概要を確認の上、形状を微調整することでコスト削減・納期短縮につながるかもしれません!
※meviyの製作範囲外の場合は、その限りではございません。

(2)「meviyサポートに見積もりを依頼する」ボタン

エラーが表示されたものの、その設計で進める必要がある場合は、画面右下にある「meviyサポートに見積を依頼」のボタンをクリック。後日、加工可否と見積もり・納期をご連絡させていただきます。
※18時以降のご依頼の場合は、ご連絡が翌営業日になる可能性もございますので、予めご了承ください。

meviy FAメカニカル部品は簡単3ステップで見積もりが可能!

以下の3ステップで、お手持ちの3D CADデータを見積もりしていただけます。
今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひ試してみてください。

meviyでの見積もり3ステップ
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