ジェイテクトのステアリング生産技術部では、部内からの設備設計の依頼に基づき担当者が設計を行っているが、従来の2D図面の作図に大きな課題を感じていたという。
池田さま:スピードが重視される状況の中で、メビーの導入により大きく効率を上げているという報告を受けています。何よりもメンバーが効果を実感できているのが、すごく良いことと感じています。
スピードが重視される状況の中で、
メビー導入で効率向上していると報告を受けています
- 池田さま -
3Dで設計し、2D図面の作図プロセスが、時間的コストとミスを生んでいた
渡邊さま:従来は、3Dで設計した後、2D図面を描いていましたが、この段階でミスが発生していました。対策としてWチェックなどをしましたが、図面によっては100カ所以上寸法や指示を入れています。そこを1箇所でも間違えるとミスとなるため、なかなかミスをゼロにすることができませんでした。
田辺さま:2D図面で加工や組み立て作業まで考慮した設計を行うのは誰でもすぐできるものではありません。ある程度の経験と知識が必要となるため、全員が2D図面を描けるわけではありません。
渡邊さま:3Dモデルに寸法を直接入れて、そのまま製作メーカーに発注できれば一番良いのですが、自社・相手先ともに対応できておらず、2D図面を用意するしかない状況でした。2D図面作成の時間と、ミスの可能性を織り込んでスケジュールを組んでいたため、本来しっかりと時間を使いたい設計の品質向上になかなか時間を割けないのが悩みでした。
どう工夫してもミスがなくならず、
「もう2D図面を描きたくない」という思いでした
- 渡邊さま -
すべてメビーが担ってくれるから、工数を1週間も削減できた
一向になくならないミスと時間がかかることで2D図面の限界を感じていたところ、メビーを知り「これだ!」と導入を決めたという。
渡邊さま:メビーなら2D図面作図がなくなり、3Dで設計し3Dデータのまま部品調達が可能になります。当然、2D図面作図のミスはなくなり、リードタイムも大幅に短縮されました。
現在は内製設計した部品の3~4割程メビーを使っています。設計後すぐ発注できるため、設備を早く完成させて調整時間に当てたり、2D図面作成していた時間を使って設計をよりよくしたり、そういったことに活用できています。
リードタイムとしては、例えば100点の部品を設計した場合に、30~40枚の2D作図工数が削減され、1週間近くの短縮になりました。
メビーの活用により生まれた時間で品質向上を図りたい
長時間の2D図面作成と設計ミスのリスクから解放され、より良い設計に最大限時間を使えるのが、メビーの最大のメリットの1つだと2人は口を揃える。
田辺さま:限られた期間の中で「図面を描く」作業はかなりの期間を占めます。メビーで時間短縮することで、その後に部品を組む人、使う人がより作業がしやすくなるような気遣いや、メンテナンスのしやすさ等を設計に盛り込む時間が生まれます。今後はそこに集中していければと思います。
渡邊さま:新しい構造や部品を試したり、難しい課題に挑戦していくことは、ビジネスの成長に欠かせません。メビーに任せられる作業は任せて、生まれた時間でテストを重ね、設計の完成度を高め、よりレベルの高い製品を作り込む。そこに時間を使いたいですね。
今後の展望・野望は?
田辺さま:現在、図面作成作業に取られている時間を完全に自動化することで限りなくゼロに近づけ、そのかわりに1から設備を組み上げたり、新しい設計の可能性を試したり…そういったクリエイティブな仕事に全力を注げるようにしていきたいと思っています。
渡邊さま:ミスの元である2D図面は描かなくていいのであれば描きたくないです。最終目標としては、1つの設備全てをメビーにして、2D図面を完全になくすことを目指しています。
インタビュー協力
株式会社JTEKT
ステアリング生産技術部
部長
池田 博之 さま
ステアリング生産技術部
管理グループ主任
渡邊 裕祐 さま
ステアリング生産技術部
管理グループ
田辺 純斗 さま