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3D CADがモデリングツールから製品開発プロセス支援ツールに進化している!

3D CADの歴史は30年に及び、現在では多くの設計者がモデリングとアセンブリ、CAE(構造解析など)のような普段使いの道具として利用しています。しかし3D CADは、設計プロセス支援ツールとして進化しています。今回は3D CADの真価を発揮出来る情報を紹介します。

3D CADとは?

2D CADは図面で部品、組図を表現しますが、3D CADは3次元空間に実際の部品やアセンブリを作成する事が出来るデジタルプロトタイピング(デジタル試作)の道具です。

3D CADの一般的な機能

① 部品モデリング機能

  • 設計のアイディアをそのままソリッドでモデリングできます。
  • 作成されたモデルは体積や質量を持ち設計検証に利用できます。
  • 作成されたモデルはCAMなどの工程で再利用できます。

② アセンブリ(組図)作成機能

  • 3次元の部品を実際に組み立て、検証を行うことができます。
  • 製品の部品構成を作成、管理できます。
  • 製品状態での設計検証ができます。

3D CADの設計プロセス支援ツール

3D CADはモデリング以外に設計プロセス支援ツールが用意されており、名実ともに設計の道具に成っています。

① 構想設計支援

2次元構想図をベースに3次元部品の構想設計が行えますので、部品の形が決まっていない状態でもレイアウト設計を可能にしています。
また部品形状に伴う部品価格変動も確認でき、コスト意識を持った設計が可能です。

② 詳細設計(バラシなど)支援

PDMを利用する事で、チームで製品を同時に設計することができます。設計者は担当している部品にアクセス権を持ちますので排他制御により設計を安全に行えます。
また、設計マネージャーはアセンブリを監視する事で各担当者と、製品全体の進捗を管理できます。

③ 設計のナレッジ継承支援

3次元モデルに対して設計者のノウハウを多種多様な形式で保存して、いつでも確認することができます。(例:QFD,FMEA、機構検討図、公差計算書など)また寸法値と設計の計算式を紐付けできますので、社内設計ルールの徹底ができます。

④ 3次元での検図支援

アセンブリや部品に対して検図ポイントを指定して監視することができます。設計変更や流用設計時に設計基準と適合しない変更を行うと自動的に警告を出しますので、設計ミスを未然に防ぐことができます。

設計以外の業務も支援

3D CADにはCG(コンピューターグラフィックス)の機能も搭載され、部品モデリングや設計プロセス支援の他に、3次元モデルを利用したカタログやPR動画作成もできます。
また組み立て仕様書や取扱説明書などのドキュメント・パブリッシングを支援できます。

まとめ

3D CADはモデリングの道具として利用されているケースが多く見られますが、現在は製品開発に必要な機能が充実しており、製品企画や構想設計、治具設計から営業支援に至るまでをサポートできます。自社の製品開発プロセスに3D CADの機能を当てはめて活用することで更なる導入効果を期待できるでしょう。

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