お客様事例 製作事例

海洋観測ロボットの試作品と実装部品

激変する地球環境を技術の力で捉える!

メビーをご利用のお客さまが製作した部品事例とメビーの活用方法を取材させていただきました。

部品紹介

■お客さま情報

製作者 合同会社オフショアテクノロジーズ 渡 健介さま
業種 電気機械器具製造業、情報通信機器具製造業
担当業務 代表社員 機械設計、試作設計、他
メビー利用歴 2年以上

海洋観測用水中グライダー(MOG)のウィング(翼)

海洋観測ロボットのグライダー(MOG)の仕様

センサを搭載し、水温や塩分など海の状態を観測するために開発されたロボットです。任意の場所にとどまるように設定することができ、長期間にわたりデータを取得します。
このロボットのグライダーのウィング(翼)は全長約290㎜で、板厚3㎜の樹脂部品です。強度とコストのバランスを考慮し、PET(透明樹脂)を選択しました。また、ウィングの表面は製品のボディーと同じカラーに自社で塗装しました。この翼は水を捉え、プロペラが生み出す推進力と合わせて、海中の任意の場所にとどまる役割があります。

利用サービス 板金加工 材質 PET
(スタンダード・透明)
表面処理 なし 公差指定 一般公差
出荷日 3日目 参考価格 1,000円

小型CTDセンサ(JES10mini)のセンサガード

海洋観測用センサ組み込み機器の特長と構造

グライダーやフロートに組み込まれたセンサは、海中の塩分、水温、水深を観測するための機能を有しています。この小型軽量な装置は、釣り竿に取り付けて海中を調査できることが特長です。内部メモリ式でデータを引き上げた後、スマートフォンなどに転送することが可能です。
センサガードは、センサの素子部を保護するための板金部品で製造しました。複数の穴は、海水を積極的に取り入れて調査すると同時に、装置の軽量化を実現しています。錆びに強いステンレスを採用しました。

利用サービス 板金加工 材質 SUS304(2B)
表面処理 塗装(近似マンセル値N3) 公差指定 一般公差
出荷日 4日目 参考価格 2,100円

メビーを選んだ理由

以前は簡単な部品であれば自社で製造していましたが、自社で作ると手間がかかりますし、加工屋さんにお願いすると時間とお金がかかる・・・その間を埋めてくれる解決策を探していました。「サクッとできるサービスはないかな?」と考えているときに、後輩から「ミスミにこんなサービスがある」とメビーを教えてもらったのを、きっかけに使い始めました。

圧倒的なスピード感!変更オーダーもすぐに手に入る

メビーの良さは圧倒的なスピード感!とにかくリードタイムが短い

見積もりの回答と出荷日が早く、週初めに見積もりのデータが取れていれば、週末には手元に届きます。

また、お客さまから変更のオーダーがあった場合、設計変更に即時対応でき、すぐに手に入るのは助かります。

受注生産なので在庫を持たなくて良いという利点もあります。とにかく助かっています。

見積もりから手元に届くまで、メビーを利用することで創出された時間はおよそ2週間。複雑な形状になるとメビーでも見積もりに苦戦する場合もありますが、見積もりが通らない場合は設計の腕の見せ所!バランスを見ながら進めています。

メビーでできることが把握できていれば、大幅に時間を短縮できます。

3軸マシニングでできるものは、予めメビーで製造すると決めてしまい、メビーに合わせて設計してアップロード。そのまま注文する流れ。
メビーで製造できないものは早い段階で他の加工屋さんへの依頼を判断します。

他の仕事も受けられるようになり効率的

メビーは見積もりの回答(価格・納期) が即時にわかり、設計変更をしまくって何度か見積もりを試しても、1時間もあれば見積もりが通るので気に入っています。ちょっと難しい形状でも、見積もりが通るとうれしいですよね。

メビーを利用することで、他の仕事も受けることができるようになり非常に効率的だと感じています。“がんばる”ことが重要な時期のベンチャーなので設計から調達まで一連の流れでできるのは非常にありがたいです。

評価のポイント

●圧倒的なスピード調達で他の仕事も効率化できる
●設計変更が発生しても即時対応が可能になった
●すぐに手元に届くので在庫を持つ必要がない

オフショアテクノロジーズについて

弊社は海洋観測機器の開発・製造、観測機器の開発に関するコンサルティングを行っており、開発した観測機器は地球温暖化の研究などに使用されています。海洋について幅広く研究や技術開発を行っている国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)で開発した技術を世の中で広く使ってもらえるように、JAMSTECのベンチャー支援制度を利用して立ち上げたのが、オフショアテクノロジーズです。

地球温暖化やエルニーニョ現象など、地球環境変動に関する調査研究に使用されることが多いですが、漁業や海洋レジャーなども含めたより広い分野で、海中の様々な現象の観測に役立てていただければと考えています。

主力製品として、海水の塩分や水温、水深を観測するCTDセンサを自社開発していますが、小型軽量なのがウリです。これを、観測グライダーや観測フロートといったロボットに搭載しています。センサが小型なのでロボットも小型化が実現できており、大型クレーンなどがなくても取り回せるようになっています。

技術の力で環境問題など社会的課題の解決に貢献

2021年3月には新江ノ島水族館と協力し、生物の飼育に重要な塩分観測のIoT化実証試験として、弊社のCTDセンサを利用したモニタリングを実施しました。その際に活躍したのが小型CTDセンサ「JES10mini」の改良版です。

従来品は内部メモリのデータをBluetooth(ブルートゥース)でスマートフォンなどに転送するタイプですが、生物を飼育するにあたっては常に水槽内の水温、塩分データをモニタリングしたいというご要望があり、Wi-fiを利用してPCやスマートフォンで常時モニタリングできるようにしました。センサを使って機械的・自動的に測定ができれば、人手もかからずに一定の基準値で水質の管理ができるようになります。水族館の皆様もお魚さん達にとっても過ごしやすい環境となるよう役立ててもらえるとうれしいです。

技術の力で環境問題や食糧問題、高齢化や人手不足、技術の継承など社会的課題の解決に貢献し、人々の営みをより良くする新しいサービスを創造したいと私たちは考えています。

(合同会社オフショアテクノロジーズ )