激変する地球環境を技術の力で捉える!海洋観測ロボットの部品をmeviyで製造|ものづくりアイデア特集【#26】

meviy FAサービスをご利用のお客様より、普段meviyをどのようにご活用いただいているのかを取材させていただきました。

海洋観測ロボットの試作品と実装部品

製作者:渡 健介さま |業種:電気機械器具製造業、情報通信機器具製造業|meviy利用歴:2年以上|担当業務:代表社員 機械設計、試作設計、他(合同会社オフショアテクノロジーズ)

汎用小型観測グライダー(MOG) 汎用小型観測グライダー(MOG)
センサを搭載し水温や塩分など、海の状態を観測するロボット。任意の場所にとどまるように設定し、長期間データを取ることができる。
グライダーのウィング(翼) グライダーのウィング(翼)
全長およそ290㎜、板厚3㎜の樹脂部品。強度とコストのバランスからPET(透明樹脂)を選択。表面は製品のボディーと同じカラーに自社で塗装。
この翼で水を捉え、プロペラが生み出す推進力と合わせて、海中の任意の場所にとどまる。
meviy FA 利用サービス:meviy FA(板金部品)
材質:PET(スタンダード・透明)
表面処理:なし|公差指定:一般公差
納期の目安:3日|価格の目安:1,000円
汎用小型観測フロート(MOF) 汎用小型観測フロート(MOF)
海の中を自動で浮き沈みしながら観測するロボット。海中で塩分・水温・水深などを観測し、海面に上がったときに観測データを送信する。緑色の本体ボディーにはセンサや基板、電池が入っている。ピンク色の帽子部分はアンテナを海上に出すための浮力材。

 
防水キャップ(蓋) 防水キャップ(蓋)
水が本体ボディーに入り込まないよう防水キャップ(蓋)をmeviyで調達。何度も試作を重ねた結果、本体側の形状との相性を考えてフリンジ加工し、ネジ穴やケーブル等を通すための貫通穴を開けた。切削性とパッキンの当たり面(面粗さ)を重視してPOMを選択。

 
RP 利用サービス:meviy RP(マシニング)
材質:ポリアセタールナチュラル(POM:
白)
表面処理:なし|納期の目安:3日|価格の目安:38,800円
小型CTDセンサ(JES10mini) 小型CTDセンサ(JES10mini)
グライダーやフロートにも組み込まれているセンサ。海中の塩分、水温、水深を観測する。釣り竿に取り付けて海中を調査できるほど小型軽量であることが特徴。内部メモリ式で引き上げた後にデータをスマートフォンなどに転送できる。

 
センサガード センサガード
センサの素子部を守るためのカバーを板金部品で製造。複数の穴は中に海水を積極的に取り入れて調査をするためと軽量化の目的も兼ねている。錆びに強いステンレスを採用。

 
meviy FA 利用サービス:meviy FA(板金部品)
材質:SUS304(2B)
表面処理:なし|公差指定:一般公差
納期の目安:3日|価格の目安:2,100円

※オフショアテクノロジーズについてはこちら

技術の力で環境問題など社会的課題の解決に貢献

弊社は海洋観測機器の開発・製造、観測機器の開発に関するコンサルティングを行っており、開発した観測機器は地球温暖化の研究などに使用されています。

2021年3月には新江ノ島水族館と協力し、生物の飼育に重要な塩分観測のIoT化実証試験として、弊社のCTDセンサを利用したモニタリングを実施しました。

その際に活躍したのが小型CTDセンサ「JES10mini」の改良版です。
従来品は内部メモリのデータをBluetooth(ブルートゥース)でスマートフォンなどに転送するタイプですが、生物を飼育するにあたっては常に水槽内の水温、塩分データをモニタリングしたいというご要望があり、Wi-fiを利用してPCやスマートフォンで常時モニタリングできるようにしました。

センサを使って機械的・自動的に測定ができれば、人手もかからずに一定の基準値で水質の管理ができるようになります。水族館の皆様もお魚さん達にとっても過ごしやすい環境となるよう役立ててもらえるとうれしいです。

技術の力で環境問題や食糧問題、高齢化や人手不足、技術の継承など社会的課題の解決に貢献し、人々の営みをより良くする新しいサービスを創造したいと私たちは考えています。

サクッとできる!meviyを知ったその時から使い始める

meviyは後輩から「ミスミにこんなサービスがある」と教えてもらい、使い始めました。

以前は簡単な部品であれば自社で製造していましたが、自社で作ると手間がかかりますし、加工屋さん にお願いすると時間とお金がかかる・・・その間を埋めてくれる解決策を探していました。
「サクッとできるサービスはないかな?」とも考えていたので、meviyはサービスを知ったその時からよく利用しています。

汎用小型観測グライダー(MOG)の翼は、meviyで購入した当時はまだ樹脂材の選択肢が少なく、強度や耐水性、表面粗さや価格のバランスでPETを選択した経緯があります。
現在はアクリルも注文できるので、次はアクリルで製造したいと思います。
若干ですがアクリルの方がPETよりも弾性が優れているのと、塗装の乗りや水に入れたときの耐久性の実績があるので。製品の表に出る部品なので体裁を考えると品位を保つためにもブラスト処理ができるとありがたいですね。

汎用小型観測フロート(MOF)の蓋は、試作を繰り返したどり着いた形状。この部品には拘りがあります。

観測フロートは海面で観測データを送信します。そのためのアンテナが付いており、浮上したときに海面に出しておく必要があります。
meviyでは筒状の本体の上部に取り付ける蓋を製造しました。この蓋にはアンテナやケーブルを通すための完全貫通の穴が空いており、そこにパッキンを入れて防水を施し、通信装置やメモリを繋ぎます。

Oリング部分はツルツルにさせたいので表面処理は指定しませんでした。強度よりも、どちらかというと切削性とパッキンの当たり面の面粗度(粗さ)を重視。ABSで似た形状を造ってみましたが、刃物の当たり方によっては面粗度が乱れて想定通りにならなかったので、キレイに削れるPOMを採用しました。

ネジ穴は指示した通りに製造してもらいましたが、現状ではRPサービスで選択のできないタップが必要だったため、そこだけは自社でタップを切りました。

今後はRPでも様々なタップの対応ができることを期待しています。

圧倒的なスピード感!他の仕事も効率的に

meviyの良さは圧倒的なスピード感!とにかくリードタイムが短い。見積もり回答と納期の速さはメリットしかないですよね。週初めに見積もりのデータが取れていれば、その週末には手元に届く。お客様から変更のオーダーがあった場合にも設計変更に即時対応できますし、それがすぐに手に入るのは非常にありがたい。
受注生産なので在庫を持たなくて良いという利点もありますね。とにかく助かっています。

見積もりから手元に届くまで、meviyを利用することで創出された時間はおよそ2週間。
複雑な形状になるとmeviyでも見積もりに苦戦する場合もありますが、見積もりが通らない場合は設計の腕の見せ所!バランスを見ながら進めています。
meviyで“できること”が把握できていれば大幅に時間を短縮することができます。

meviyで製造できないものは早い段階で他の加工屋さんに依頼することを決めてしまいます。3軸マシニングでできるものは、事前にmeviyで製造すると決めて、meviyに合わせて設計してアップロード。そのままmeviyで注文する流れ。

FAは見積もりの回答(価格・納期) が即時にわかり、設計変更をしまくって何度か見積もりを試しても、1時間もあれば見積もりが通るので気に入っています。ちょっと難しい形状でも、見積もりが通るとうれしいですよね。

meviyを利用することで、他の仕事も受けることができるようになり非常に効率的だと感じています。“がんばる”ことが重要な時期のベンチャーなので設計から調達まで一連の流れでできるのは非常にありがたいです。

革新的なサービス!今後の “伸びしろ”に期待

総合評価として100点満点をあげたいくらい革新的なサービスだと思います。
ですが、もう少し“伸びしろ”はあると思います。

例えば、樹脂材の旋盤加工ができるとかなり助かります。今はこれが一番の要望です。樹脂を使った丸い形状のものが多いので、5軸のマシニングがあると良いですね。パッキンの溝を削るなど設計の幅も広がります。

また、体裁部品に使う表面処理の塗装処理を追加してほしいです。特に樹脂はナチュラルベーシックだけだと最初の試作品の時に「ザ・試作品」の見栄えになってしまいます。試作品の意味合いとしては色味とかも訴求の意味が出るようにしたい!樹脂塗装のバリエーションがあると助かります。

そんな期待をこめて、今は90点で評価したいと思います。
meviyの今後に期待しています!

課題
  • 調達リードタイムの短縮とコストダウン
  • 設計変更時の再見積もりの時間と手間の削減
導入効果
  • 圧倒的なスピード調達で他の仕事も効率化できる
  • 設計変更が発生しても即時対応が可能になった
  • すぐに手元に届くので在庫を持つ必要がない

オフショアテクノロジーズについて

海洋について幅広く研究や技術開発を行っている国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)で開発した技術を世の中で広く使ってもらえるように、JAMSTECのベンチャー支援制度を利用して立ち上げたのが、オフショアテクノロジーズです。

地球温暖化やエルニーニョ現象など、地球環境変動に関する調査研究に使用されることが多いですが、漁業や海洋レジャーなども含めたより広い分野で、海中の様々な現象の観測に役立てていただければと考えています。

主力製品として、海水の塩分や水温、水深を観測するCTDセンサを自社開発していますが、小型軽量なのがウリです。これを、観測グライダーや観測フロートといったロボットに搭載しています。センサが小型なのでロボットも小型化が実現できており、大型クレーンなどがなくても取り回せるようになっています。

その他に小型のライト付きカメラ等の開発も行っています。

合同会社オフショアテクノロジーズ

この記事の著者

meviy編集部
メヴィ子

メヴィ子。2016年生まれ。meviy編集部内で宣伝隊長を担当、meviyに関して誰よりも詳しく理解している。主にブログやSNSに登場し、複雑な機能や使い方を丁寧にわかりやすく解説することが日課。

得意技は愛され笑顔。

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