東京ビッグサイトで2017年6月21~23日、「日本ものづくりワールド2017」が開催されました。3日間の来場者数はのべ88,554人、同時開催展を合わせると出展ブースは2,420社。連日の大盛況となりました。
会場内は、人とすれ違うのにも苦労するくらいの人混みです。出展企業の中にはニコンや富士通、NECなど、数多くの有名企業名がズラリ。
会場の広さは東京ドームの5倍。1日ですべてじっくり見て回るのは難しいほどの広さでした。
ITソリューションを提供する企業もいれば、ねじなど細かいパーツを製造する企業など、まさに製造業の見本市。バラエティ豊かな企業が出そろっています。
こちらはサンコーインダストリー株式会社のブース。主に機械部品に使用するねじを製造する企業です。
ブースに陳列されているカラフルなねじ。実際にこのねじを触って形状を確かめることができるようになっていました。それぞれのネジには、緩み止め加工が施されています。
こちらは、好きな色のねじを小ビンに入れて持ち帰られる「ねじすくい」。来場者は、色とりどりのねじを持ち帰っていました。
見覚えのあるロゴに近づいてみると、こちらは「AmazonWeb Services」(AWS)でした。私たちが日頃ネットショッピングでお世話になっているAmazonは、技術者向けにデータベースストレージや開発用アプリケーションなど、クラウドコンピューティングサービスを提供していることでも有名です。
ボタンを押すだけで商品が家に届くAmazonDashを発見。リリース当初は世間を驚かせましたが、実物を見たことがある人は少ないのではないでしょうか。こういった機会があるのも、展示会ならではの醍醐味。人々の生活を便利にするこういった仕組みにも、さまざまな技術が詰め込まれています。
こちらは不二ラテックス株式会社のブースにあったアブソーバー。アブソーバーとは、総合的な上下運動を抑制し、衝撃を受け止めて力をゆるやかに放出するショック吸収装置みたいなもの。言葉と機能を聞くと大きなバネのようなものを想像していますが、実物はこんなにコンパクトで小さいのです。
現物に触れてみると……強く押し込んでもふわりと力を受け止めてくれ、まさにその名のごとく力をしっかり吸収する感覚です。中には油が入っており、内部機構の穴を油が通り抜ける際に発生する抵抗を減衰力としています。
アブソーバーのほか、固体の上下のダンピング運動を抑制するダンパーも展示されていました。写真は自動車に設置されている収納ラッチ。開閉のときにダンパーが機能することで緩やかなふたの開け閉めが可能になっています。
このダンパーはラッチ以外でもさまざまな場所で活用され、日常生活の中でかなりの頻度で使われています。たとえば炊飯器のフタ。説明員によると、炊飯器の開閉のときダンパーの良し悪しでふたに付いた水滴がごはんに垂れて味が変わったりすることから、炊飯器製造者はダンパーに並々ならぬこだわりを持って使い勝手を模索したそうです。
多くの製造業者が一堂に会した本イベント。会場では来場者と出展者の活発な意見交換も行われていました。ものづくりの現場は、個ではなく多数の和で発展していくもの。今回の展示会によって、今後のものづくりが大きく発展する分野や技術が出てくるのかもしれません。
同イベントの次回開催は10月4日〜6日、大阪のインデックス大阪にて開催されます。
(神田 匠/ノオト)
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