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金属加工から日用品まで! ものづくりの見本市「燕三条ものづくりメッセ2017」見聞録

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新潟県・燕三条地場産業センターで2017年10月26日〜27日の2日間、「燕三条ものづくりメッセ2017」が開催されました。

 

「燕三条ものづくりメッセ」は、“ものづくりのまち”として有名な燕三条地域の企業をはじめ、全国各地の企業が開発した新製品や技術をお披露目することで、来場者とのビジネスマッチングを目指す展示商談会です。

機械加工や金型、刃物といった燕三条地域の民生品が数多く並ぶ会場で、ミスミのものづくりプラットフォーム「meviy」も出展しました。現地にmeviyスタッフが潜入し、気になった展示を紹介していきます。


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会場は全部で5つのセクションに分かれており、それぞれの場所で展示やプレゼンテーションが行われていました。ガイドブックによると、今回の出展企業は251社超だったとか!

 

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まずは燕三条地域の企業が多く出展している第1エリアから。入り口が近未来的でかっこいい!

 

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一面に並べられた鍋が目を引くこちらは、新潟県・燕市に会社を置くIH鍋メーカーフジノスさんのブース。業務用から家庭用まで幅広いラインナップを展開しています。フジノスさんは、世界で初めて200V・IH対応鍋を作った業界のパイオニアなのです。

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こちらは本邦初公開となったIH対応の玉子焼き器。従来は業務用の大きい商品しかなかったため、家庭用に小型化したそうです。特筆すべきは、内側にコーティングされている銅。これによって、熱伝導性が向上し、一般家庭でもIHでおいしい卵焼きがつくれるようになりました。今までと比べ火の通りが早いため、時間と光熱費の節約になるそうです。

 

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こちらはボルトやナットなど、ねじ製品全般を取り扱うツルタボルトさんのブース。工具を使ってのスマホ用ホルダーリングの製造体験が楽しめるなど、大勢の来場者で賑わっていました。

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カラーブラインドリベットを使ったアート作品の制作実演では、同イベントのマスコットキャラクター「TSUBASAN-ROBO」の型板に沿って色付きのリベットを打ち込んでいきます。来場者もこれを体験し、みんなの手でひとつのアート作品が出来上がっていました。

 

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家庭用から業務用まで、幅広いヤスリを製造する柄沢ヤスリさんの展示。昭和14年に創業し、78年もの間ヤスリを作り続けてきた老舗として知られています。写真は、かかとの角質を削るヤスリと爪を磨くためのヤスリです。

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細い棒のように見えますが、こちらのヤスリは根本から先端まで全て目が入っています。こんな細やかな加工はなかなか簡単にできるものではありません。用途としては、普通のヤスリでは届かない部分の研磨に使うとのこと。最近ではプラモデルの制作用に購入されるお客さんが多いそうです。

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ヤスリの研ぎ味を左右する重要な「目立て」の作業を行うのは、今年94歳を迎えた岡部キンさん。今なお第一線で活躍し、目立ての精緻さは社内随一。「人の体に接する爪ヤスリは、鋭すぎても鈍すぎてもよくない。目の粗さ、深さや他の目との噛み合い方など、どれかひとつ欠けてもダメ。毎日緊張感を持って作業している」と話してくれました。ためしに爪ヤスリを体験してみたところ、その使い心地はとてもなめらか。熟練の技術に感服しました。

 

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第2エリアのプレゼンテーション会場では「meviy」のサービス紹介が行われました。今回のプレゼンではmeviyのサービス概要や実際の活用事例をご紹介。朝一のトップバッター講演にもかかわらず来場者が集まり、加工部品のウェブ販売に対する関心の高さを十分実感しました。

 

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第3エリアでは大型製品の展示が行われていました。こちらは丸山製作所さんによるダイハツ「COPEN Rode」のために設計された専用ボンネットの展示。CFRP(炭素繊維強化プラスチック)とステンレスのハイブリッド構造により、従来品に比べて約9%の軽量化を実現したそうです。フロントの2本のラインは金属加工が多く行われる燕三条をイメージ。車の黄色とボンネットの黒のツートンカラーがとてもかっこいいです!

 

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第4エリアで見つけた新潟県・燕市発の家電メーカー、ツインバード工業さん。ブースでは360度首が回転する扇風機「PIROUETTE(ピルエット)」など、ユニークな展示が盛りだくさんでした。

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なかでも目を引いたのは、たった10分で「洗い」「すすぎ」「脱水」を完了する全自動洗濯機。担当者は「洗濯は一度回すと時間がかかるため、忙しい人にとって洗うタイミングは悩みどころだったのではないか。洗う時間が十分に取れないときや、着る服がないからすぐに洗いたいという、生活に寄り添った洗濯機を提案したかった」と、開発コンセプトについて話してくれました。こちらの製品は11月下旬に発売予定とのこと。

 

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第4エリアのミスミグループのブースではmeviyのデモンストレーションが行われ、足を止める来場者の姿が見かけられました。meviyの導入が作業効率の改善や生産コストの削減につながれば、今よりもっと仕事の自由度が高まり、柔軟なものづくりが可能になるはず! meviyがものづくりに関わる人たちをサポートできたら幸いです。

 

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第5エリアでは、新潟県内の大学や企業による3Dプリンター活用コンテストの出展作品が展示されていました。展示内容は、自由形のクリエイティブ部門と、中に入れた卵が割れない最大高さを競うエッグドロップ部門のふたつ。前者は、魚のルアーやイヤホンなど、「これを3Dプリンターで作ったの!?」と驚いてしまうような作品が数多く出展されていました。

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このトロフィーも3Dプリンターで作られたもの。こちらはクリエイティブ部門の優勝者にプレゼントされました。優勝者名簿はこちらから閲覧できます。

 

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会場の出口付近には物産館があり、燕三条メイドの製品や、特産品などが購入できます。

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物産館では、包丁や食器、工芸品などが多数並べられ、燕三条のものづくりの「粋」をたっぷりと味わうことができます。先ほど展示されていたフジノスさんのIH鍋や柄沢ヤスリさんの爪ヤスリもこちらで購入することができました。これらの商品を眺めていると、職人たちの熟練の技術とそれに関わる人々のたゆまぬ努力によって、ものづくりが進化し続けていることを改めて思い知らされました。

 

公式発表によると、2日間で1万1267人もの人が訪れた「燕三条ものづくりメッセ2017」。県外はもちろん、海外からの来場客もあり、地域や業種を越えた新たな出会いが生まれたのではないでしょうか。刻一刻と変わっていくものづくりの現場。来年はどんな新製品がリリースされるのか、いまから楽しみです!

(神田 匠/ノオト)

この記事の著者

ライター
神田匠

1995年生まれ、山口県周南市出身。立命館大学産業社会学部卒業。父親が自動車の整備士だったので、日頃から工具に囲まれて暮らしていたが手先は不器用。好きな工具はラチェットレンチ。

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