メビーをご利用のお客さまが製作した部品事例とメビーの活用方法を取材させていただきました。
目次
部品紹介
■お客さま情報
製作者 | 北陽電機株式会社 K・Kさま |
業種 | 電気機械器具製造業 |
担当業務 | プロダクトデザイン、メカ設計、電気設計、プログラミングを担当 |
メビー利用歴 | 10か月 |
血液バッグ解凍器の試作機(カバーなし)とガイド側板
製品の性能向上への取り組み
弊社の一番人気商品の次期バージョンの試作で利用。さらなる高性能を求めて大幅に改良し、機械の構造は製造現場が組み立てやすくメンテナンスもしやすいよう心がけた。
ガイド側板は、穴の形が特徴的な板厚2mmのパネル部品。パネルそのものが骨格になっており、それぞれの穴は、可動部のローラーガイド、ケーブルの通し穴、センサーの取り付け穴、軽量化のための肉盗り穴、ねじ穴で機械的な構造のベースになっている。
利用サービス | 板金加工 | 材質 | SUS304(2B) |
表面処理 | なし | 公差指定 | 一般公差 |
出荷日 | 5日目 | 参考価格 | 2,900円 |
側板サポートR
「ガイド側板」を連結した部品の特徴
「ガイド側板」と連結して、箱形の骨組みを構成するための部品となります。製品の左右の持ち手や接地面のゴム脚などがつくため、剛性を確保する目的でSUS材を選択しました。軽量化のためには、肉盗りを大きくしました。フランジは6か所あり、そのうち4か所がタップ穴付きで、板厚は2mmです。
利用サービス | 板金加工 | 材質 | SUS304(2B) |
表面処理 | なし | 公差指定 | 一般公差 |
出荷日 | 7日目 | 参考価格 | 7,900円 |
配線フレーム
軽量アルミによる電気制御系の効率的な構造
電気制御系が載る躯体は、軽量化のためにアルミを採用し、4つの部品で構成されています。この構造はメカ側からの可動ケーブルの固定や、メカ系と電気系の物理的な隔離を実現し、同時に配線フレームの役割も果たしています。板厚は2mmです。
利用サービス | 板金加工 | 材質 | A5052 |
表面処理 | なし | 公差指定 | 一般公差 |
出荷日 | 3日目 | 参考価格 | 5,800円 |
メビーを選んだ理由
弊社では、医療用解凍器の開発、製造、販売を行っており、メビーの部品は研究・試作の段階で使用しています。「FFP解凍器」とは、凍結保存されている血液バッグを輸血前に解凍するための医療機器です。
今回は、弊社の一番人気商品「FFP解凍器FP-2000」 次期バージョンの試作で利用しました。さらなる高性能を求めて大幅に改良し、機械の構造は製造現場が組み立てやすくメンテナンスもしやすいよう心がけました。
こんな便利なツール使わない理由がない
今回の試作で初めてメビーを利用しました。「CADの3Dデータで部品ができるサービス」という概念はざっくりとは理解していましたが、実際に利用してみると価格と納期が即座に画面で確認できて、特に納期の速さに驚きました。「えっ、実働3日で出荷できるの?」って。これなら試作にぴったりだと思いました。さらに、3D CADデータだけで図面作成が不要な点も素晴らしく、大幅な時間短縮が実現しました。
価格に関しても、試作時は「時間をお金で買う」という感覚で行っているため、あまり気にしませんでしたが、すぐに価格が明確になることは便利でした。「なぜこの部品はこんなに高いの?」と疑問に思ったことがあり、CADで修正してみたら半額以下に!こうした方法で部品コストと形状を最適化できるというメビーの利点があります。
部品の寸法が無理になっている場合にはアドバイスが提供されるし、非常に便利なツールとして私は評価しています。もはやメビーを使わない理由は見当たりませんね。
試作品製作で求めるスピード感
メビーはとにかく楽で、テンポが良いです。納期と価格がすぐに画面で確認できるのはもちろん、設計して部品が手元に届くまでのスピード感が、私の業務サイクルにピッタリです。
CADの画面ではいくら良い設計に見えても、実際に部品を作って組み立ててみると「感触的に」納得がいかないことがあり、リアルな世界ならではの修正点がどうしても発生してしまいます。ですから、少しでも早く試作品を立ち上げ、修正改善を早めに行いたいので、メビーのスピード感はとても助かります。週のはじめに修正した設計が、早ければ週末には現物として届いて試せるわけですから。
それと、試作段階での「図面作成」作業が不要になる点も大きいです。例えば、先ほどご紹介したパネル。すべての寸法や加工指示を入れて図面を作成すると、A3サイズの図面が3枚になります。それ以外にも、20品種近くの部品図面が必要です。しかも、最終的な仕様が確定していない部品の図面なので、仕様変更があると作成した図面も費やした時間も無駄になってしまいます。だったらその時間はもっとクリエイティブな仕事に使いたいので、とても助かります。
高品質な仕上がりに驚き
初めて注文したときは、どんな仕上がりの部品が届くのか、多少の不安はありました。なにしろ、3Dデータの他にこちらから出した指示は、材質と表面仕上げ(表面処理)と数量だけです。他に何も尋ねてこないんです。
実際に届いて開封したら、「こんなにクオリティの高い部品が届くのか!」と感動しました。レーザー加工の切断面にできるわずかな荒れやバリが手で触っても滑らかで、変色もありません。これまで触れてきた板金部品の切断面とは明らかに違いました。
メビーの利用がもたらす設計意識の変化
メビーは「精度の高さ」にも注目です。実は今回、構造設計に集中してしまい、組み立て公差を考慮しないデータで注文してしまいました。注文後には「修正が必要かもしれないな」と思っていましたが、届いた部品を使って組み立てたらピタリとはまり、再び驚かされました! メビーの板金加工は一般公差仕上げだそうですが、その実力はそれ以上だろうと思います。
メビーからのアドバイスにより、今まで以上に寸法や形状を意識するようになりました。板金部品を設計する際、3Dデータをメビーにアップロードすると、「曲げと穴が近すぎます」といったアラートが赤や黄色で表示されます。私は板金加工の現場で働いたことがなく、これまで寸法や形状をそこまで気にしてこなかったため、メビーのアドバイスはとても有用です。
アップロードすると直ちに結果が分かるので、修正してはアップロードを繰り返し、「指摘事項がなくなった」ときの達成感はとても良いです。今思うと、以前はちょっと無理な形状でも加工屋さんが技量で対応してくれていたのでしょう。しかしそれはコストがかかる可能性もあります。形状を見直すことで単価が大きく変わることもあるかもしれませんし、そういった側面も考えられます。
meviy 評価のポイント
●図面作成作業が不要になり、創造的な仕事に時間を費やせる
●コストと形状の最適化に役立つ機能があり、設計方法の見直しが円滑化