試作段階では高速でPDCAを回したい。そのためには3Dモデル通りの精度の高い加工品質と、確約された納期が瞬時に分かることが必要だ。また、多様なバックグラウンドをもつ社員がいる場合、言語だけに頼らない分かりやすいUIも求められる。
tonari株式会社はこれらの課題を解決できる部品調達プラットフォームとしてメビーを利用している。その結果、1週間に2回という驚異的なスピードで試作を繰り返している。また、分かりやすいUIにより日本語が不自由な設計者も問題なく利用できている。
実際、どのようにPDCAを回しているのか、代表取締役CTOの川口良氏に聞いた。

Tonari株式会社 川口さま
tonari株式会社は2018年に創業し、「直接会う」と「オンライン会議」の間を目指す空間共有システム「tonari」を開発している。東京・葉山・沖縄・チェコ(プラハ)とグローバルに拠点を展開しており、社員のバックグラウンドも多様だ。
tonariの大型モニターに映し出される遅延のない映像とクリアに聞こえる音声は、まるでその場にいるかのような空間を瞬時に作り出す。世界中のどこにいる相手とも手軽に自然なコミュニケーションが取れ、遠方にいる家族や、分散されたオフィスで働く仲間をコネクトできる。
ある部品調達サービスの日本撤退がきっかけに
あるプロトタイピングサービスの終了が、メビーを利用するきっかけになった。
川口さま:創業当初、卓上のレーザーカッターやCNCマシン、それに旋盤などを揃えて加工品を内製していましたが、部品の製作に時間がかかり過ぎていました。そこで、米国発のオンデマンド受託製造サービスを利用するようになったのです。ただ、そのサービスが終了して困っていたところ、知り合いからメビーを紹介されて使い始めました。
初めてメビーを利用して製作したのは、カメラモジュールのレンズホルダー・カメラの角度を決める板金・ヒートシンクです。これらはtonariの心臓部の部品ですが、3Dモデル通りに仕上がって納期通りに届いた部品を見ると、日本のものづくりの実力を痛感せずにはいられませんでした。

メビーの部品を利用したカメラモジュール
カメラモジュールやステー、筐体でメビーを活用
tonariでは試作と量産でメビーを使う比率を変えている。また、一部の加工品においては一般の加工会社に依頼している。
絶対に失敗できない心臓部の部品をメビーに託す
- スクリーン裏に取り付けるカメラモジュール
- 機能部品に求めるのは寸分違わず作る技術
- 各種部品を取り付ける筐体
川口さま:カメラモジュールのような機能部品には、3Dモデル通りに精度良く製作することが求められます。1週間に2回の試作を行うスピード感を実現できるのは、私が知る限りメビーだけです。
試作ではメタルフレームなど、一部の大型部品を除いてほぼすべての部品をメビーで作っています。

メビーで作成した部品
加工品の調達期間を4分の1に。言葉の壁を超えるUIがメビーの魅力
納期が2週間ほどかかる一般的な加工会社では、tonariの「1週間に2回」という試作スピードに追いつけない。これはメビーだからこそのメリットだ。また、分かりやすいUIにより日本語が不自由でも直観的に扱えるほか、納期管理やリピート発注のための管理にもメリットがある。
絶対に失敗できない心臓部の部品をメビーに託す
- メビーを活用しないと、設計・調達時間は現状の約4倍に
- UIが分かりやすく、日本語が分からなくてもメビーを利用可能
- 納期管理・発注管理が楽に
川口さま:一般的な加工会社から部品を調達すると2週間ほどかかると思います。現在、試作は1週間に最大2回行うため、メビーがなければ試作に現状の2倍の時間がかかります。納期だけではなく品質面でも満足しています。メビーは人を介さずに3Dモデル通りの寸法で精度良く製作できることが大きなメリットです。
当社ならではの定性効果として、分かりやすいUIで加工品を注文できることが挙げられます。在籍する16人のなかには日本語が得意ではない社員もいますが、直観的なUIとなっているため、翻訳アプリを併用すれば問題なく利用できるのは助かります。
納期管理の面でも大きなメリットがあります。見積時に納期が明確に分かるため、納期管理がしやすくなりました。また、リピートで部品発注する際にもメビーだと管理が楽です。BOMリストにはファイル名とともにメビーの発注リンクも記載して管理しています。そのため、リピート発注する際には、そのリンクを利用することで簡単に発注できるのもメリットです。
メビーを設計の共通言語としてスキルアップ
メビーは加工可否を瞬時に判断し、見積金額を算出する。tonariではこのようなメビーの特長をうまく設計に活かしている。
コスト削減とメビーでの最適設計を両立
- コストダウンのための設計に活用
- マニュアルに沿って設計ができていることを確認
川口さま:まず、見積金額をすぐに自動算出してくれるため、コストダウンのための最適設計を繰り返し行えます。これはシステムの向こうに人がいないからこそできることです。
また、メビーで発注できる加工品は、サイズや形状などが決まっています。これはある種の設計の基本と考えることもできます。メビーの技術情報(https://jp.meviy.misumi-ec.com/help/ja/)はよくできているため、設計する際はメビーのマニュアルの確認をしてから設計することもありますし、まずはメビーにアップロードして加工可否の確認をしています。
“メビーの製作可否に関わる生技要件を社内の共通言語にすることで、合理的に設計ができるようになりました。”
代表取締役CTO 川口 良 さま
2D図面いらずで、発注までにかかる時間を大幅短縮
メビーの使用方法は非常に簡単。3Dモデルによる部品設計さえすれば、その場で見積もり・発注が可能だ。
メビー活用の簡単3ステップ
ステップ1. 部品の3Dモデルを作成し、メビーにアップロード
初めは一般公差のみのシンプルな部品(板金部品・切削加工のフラットバーなど)から始めるのがおすすめです。
ステップ2. 寸法公差・溶接指示・そのほかの詳細指示を追加
慣れてきたら、寸法公差が必要な部品や溶接部品をアップロードし、メビーの画面上で指示を行います。メビーは、焼入れ・クリーン洗浄・刻印など詳細な指示が可能です。
ステップ3. メビー仕様を考慮した設計
メビーは加工条件(生技要件)が決まっているため、技術情報に加工限界などの詳細が記載されています。それを前提に設計するとよりスムーズに活用できます。
「テクノロジーを消す」ほどの作り込みと体験価値の提供
同社は今後もシームレスな「空間共有システム」の開発を進めていく。しかし、提供するのはあくまでもソリューションであり、プロダクトそのものではないという。
ソリューションのクオリティを阻害するプロダクトは作らない
- 「同じ場所にいるような臨場感」を阻害するようなプロダクトは作らない
- プロダクトを気にせず没入できるソリューションを提供
- 「テクノロジーを消す」ためにメビーが貢献
川口さま:共同創業者のタージ・キャンベルがよく言うのは「テクノロジーを消す」という言葉です。私たちがお客さまに提供するのは、あくまでも「同じ場所にいるような臨場感」というソリューションです。そのため、それを阻害するようなプロダクトであってはならないと思っています。画像の遅延が小さいことや、音声がクリアであることはもちろん必要です。
また、「テクノロジーを消す」ためにカメラモジュールなどの機能部品に求められるのは、3Dモデル通りの精度良い加工です。また、スピード感を持った試作に対応できることも非常に重要となってきます
“精度とスピードの両面で、メビーは私たちにとってなくてはならない存在です。”
代表取締役CTO 川口 良 さま

tonariを活用して遠隔地と会議を実施
tonari株式会社
「空間共有システム」と定義するオンラインシステム「tonari」を展開している。ハード設計・ソフト設計・開発・製作・設置に加えてアフターサービスまでをワンストップで行う。
創業者の親族が海外在住であることから、「直接会う」と「オンライン会議」の間を目指してtonariを開発している。国内拠点は東京・葉山・沖縄・海外拠点はプラハ(チェコ)にあり、グローバルなメンバーが在籍している。インフラが充実している日本でのものづくりにこだわっている。
現在、NTT西日本株式会社、東京理科大学といった会社や教育機関などで活用が広がっており、最新版tonari 3を今年より販売している。
URL:https://tonari.no/ja/
| 代表者 | 代表取締役CTO 川口 良 様 |
| 創業 | 2018年 |




“3Dモデル通りに精度良く製作することができ、1週間に2回の試作を実現できるのは、私が知る限りメビーだけです。”
代表取締役CTO 川口 良 さま