設計変更が頻繁に発生する開発フェーズでは、部品手配が大きなボトルネックとなる。加工先の選定や見積もり取得に時間を取られ、設計者が本来向き合うべき設計判断に集中しづらい。この課題を解決したのがメビー(meviy)だ。
株式会社New Innovations 代表取締役 Co-CEO兼CTOの中尾 渓人さまは、メビーによって部品手配にかかる負担が約9割削減され、手配のために思考を中断することなく、設計作業に集中し続けられるようになったと語る。作業の流れが止まらないことで設計のテンポが生まれ、判断の質や精度の安定に繋がっているという。

代表取締役 Co-CEO兼CTO 中尾 渓人 さま
株式会社New Innovations は、OMO領域でロボティクス製品の企画から開発を行い、スマートコーヒースタンド「root C(https://biz.rootc.cafe/)」や調理ロボットのシリーズなど、多様な用途に対応するプロダクトを展開している。同社は設計から実装・検証・生産 までを一貫して内製する体制を強みとし、効率的な開発プロセスの構築に注力している。
部品手配が開発サイクルのボトルネックに
メビーを利用する前、New Innovationsでは部品手配が開発スピードのボトルネックに。試作や設計変更が頻発する状況で、加工先の選定・見積もり取得に時間と手間がかかり、設計者が設計判断に集中しづらかった。
中尾氏:形状や加工条件によっては「そもそも加工できるのか」が分かるまでに時間がかかり、設計判断が後ろ倒しになることも課題でした。3Dデータだけで加工可否や見積もりまで確認できるメビーの仕様が、当社の開発スタイルと合っており、利用を開始しました。はじめに製作したのはシンプルなブラケットなど、リスクが小さい部品です。
試作から量産前まで幅広く適用、利用率:20% → 60%へ
メビーの導入は機能試作の段階からスタート。3Dデータをアップロードするだけで加工可否・価格・出荷日が1分で提示されるため、形状検討と判断を高速で繰り返せることに大きなメリットを感じた。
メビーの活用シーン
- 板厚や材質の切替による仕様検討
- カップ側面の印字と包装紙の位置が重ならないよう回転させる装置
試作段階での効果を踏まえ、10〜100台規模の小・中量産において も利用が拡大。装置1台あたりのメビー利用率は、従来の約20%から約60%へ大幅に向上した。
中尾氏:New Innovations は板金を起点としたものづくりを大切にしています。仕向け先は飲食・小売りであり、精密さ(厳しい公差)よりも原価とROI(投資利益率)が重要です。設備の機能試作や技術検証サイクルといった、開発の初期のタイミングからメビーを活用しています。

メビーで製作した部品
手配負担9割減。設計判断を連続させるものづくりへ
メビーを導入したことで、部品手配にかかる負担が大きく減った。
手配負担を約9割削減し、設計に集中できる環境を実現
- CE (コンカレントエンジニアリング)(※1)の自然実現
- 設計と原価計算が連動した判断プロセスへ
- メカ部品における「第一の判断基準」化
中尾氏:メビーで完結できる部品は、手配に伴う負担が約9割程度軽減されたと感じます。部品手配のために思考を切り替える必要がなくなり、設計に没頭することができ、設計精度の安定にもつながっています。
メビーは形状変更に応じて見積もりが自動で更新されるため、設計しながら原価感を把握できる環境が実現した。従来のように、設計が固まってから原価調整を行うのではなく、設計段階で最適なコスト検討が可能になるメリットは大きい。
さらに、リアルタイムで価格や加工可否が確認できることで、設計者は仕様とコストのバランスを取りながら判断できるようになる。設計段階での原価見通しが明確になったことで、開発全体の計画精度も向上させた。
中尾氏:メカ部品については、まずメビーで加工可否・価格を確認する流れが定着しました。これにより、設計プロセス自体の再現性が高まり、設計思想への良い影響も生まれています。
仕向け先の業界や製品にもよりますが、当社は他社のメーカーが3年ほどかけるファーストロットを1年で市場展開し、迅速にフィードバックを得るという設計思想があります。メビーを活用して設計と原価計算などの工程を同時並行で進めることで、この超高速な開発サイクルとその後のVE(バリューエンジニアリング)(※2)を適切かつ迅速に行うことが可能となり、製品の完成度を高めることができています。
❝手配に伴う心理的な負担が約9割軽減され、設計に没頭した状態のまま進められるようになりました❞
代表取締役 Co-CEO兼CTO 中尾 渓人 さま
メビー活用3ステップ
メビーの使用方法は非常に簡単だ。3Dモデルによる部品設計さえすれば、その場で見積もり・発注できる。
ステップ1. 部品の3Dモデルを作成し、メビーにアップロード
初めは一般公差のみのシンプルな部品(板金部品・切削加工のフラットバーなど)から始めるのがおすすめです。
ステップ2. 寸法公差・溶接指示・そのほかの詳細指示を追加
慣れてきたら、寸法公差が必要な部品や溶接部品をアップロードし、メビーの画面上で指示を行います。メビーは焼入れ・クリーン洗浄・刻印など詳細な指示が可能です。
ステップ3. メビー仕様を考慮した設計
メビーは加工条件(生技要件)が決まっているため、技術情報に加工限界などの詳細が記載されています。それを前提に設計するとよりスムーズに活用できます。
設計段階で考え切ることが、最も速く安定した開発につながる
中尾氏に事業に対する想いを伺った。
New Innovations の設計思想と組織づくり
- コスト・品質・納期は設計段階でほぼ決まる
- 原理・物理制約を理解した上で最適な形状を選択する
- 属人的な感覚は言語化し、チーム知として蓄積する
中尾氏が強調するのは、設計段階での判断の重要性だ。
中尾氏:プロダクトづくりにおいては、設計・実装・検証までを自分たちでやり切ることを前提としています。構造や原理原則・物理制約を起点に設計段階で考え切ることが、最も速く、安定した開発につながります。コスト・品質・納期は、設計時の判断でほぼ決まる。だからこそ、設計を後回しにせず、意思決定から逃げないことを大切にしています。
個人の感覚や洞察を設計思想として言語化し、チームで蓄積することを意識しています。メビーの使用は単なる調達ツールではなく、人が設計・判断・改善といった本質的な仕事に集中できる状態をつくるための、設計プロセス全体の効率化を支える基盤として機能しています。

メビーを活用しているKakigori Maker
❝設計段階で考え切ることが、最も速く安定した開発につながる。メビーはその実現を支えてくれています❞
代表取締役 Co-CEO兼CTO 中尾 渓人氏
※1 CE(コンカレントエンジニアリング):製品開発において、設計・製造・評価などの各工程を順序立てて進めるのではなく、同時並行で進める手法。開発期間の短縮と品質向上を同時に実現できる。
※2 VE(バリューエンジニアリング):製品やサービスの機能とコストを分けて考え、機能を維持・向上させながらコストを最適化する手法。価値(Value)を最大化するための体系的なアプローチ。
株式会社New Innovations
OMO(オンラインとオフラインの融合)を主軸とする事業を展開。コンサルティングから開発・事業展開までワンストップで支援。AIやクラウド、オンライン制御などのコア技術を駆使し、省力・自動化を軸にしたハードウェア製造とソフトウェア構築を行います。2021年からスマートコーヒースタンド「root C」を運営。2024年にかき氷の全自動調理ロボット「Kakigori Maker」・2025年にハンバーガーの全自動調理ロボット「Burger Cooker」・実店舗のオーダー受注を行う音声対話AI「AI Order Thru」・店舗運営の効率化を叶える統合ソリューション「Store Meister」をリリース。また、製造業の知を継承するAI図面管理「図面バンク」を開発・提供。ロボティクスを通じた付加価値創造により、あらゆる業界における生産性向上や事業構造の変革、顧客体験の向上を実現し、企業の収益増加、そして産業の発展に貢献。
| 代表者 | 中尾 渓人 様 |
| 創業 | 2018年 |




❝メビーに期待したのは「設計と手配を分断せずに進められる仕組み」の実現❞
代表取締役 Co-CEO兼CTO 中尾 渓人 さま