設計の最終成果物として図面が出図されますが、同時に部品表も作成されます。2D CADの場合は組立て図面と部品の関連性がないので、設計者は自分で部品表を作成する必要があります。さらに、手動での作成のため記載ミスの可能性があり、ミスが発生すると購買部門をはじめとした関係部署にまで影響が及んでしまいます。部品表は3D CADを使うと簡単に管理ができるので、その方法をご紹介します。
目次
3D CADのアセンブリと部品表
3D CADのアセンブリは、使用される部品との間に参照関係を作って管理します。例えれば、パソコン上で製品を組み立てて、部品表で使用した部品の名前と保存場所を記憶するようなものです。したがってアセンブリ構造から自由に部品表を自動作成することができ、実際のアセンブリ内の部品との整合性も保証しています。
3D CADの部品表の用途
3D CADは単に部品表を自動作成するだけではなく、必要に応じて部品表の種類も増やすことができます。
① 設計部品表(EBOM)
基本的には設計情報が盛り込まれた部品表で、3次元部品のプロパティに設計情報を定義しておくことで、部品表に自動的に表示させることができます。またアセンブリ構造と連動していますので、設計変更時にも自動的に部品表が更新されます。
② 製造部品表(MBOM)
アセンブリ構造に基づいて製造BOMを自動作成することができます。3次元部品のプロパティに製造情報を定義しておくことで、部品表に自動的に表示することができ、設計変更でアセンブリ構造が変更されても設計部品表と同様に、製造部品表も自動更新されます。
また部品表に製造特有の項目も追加できます。例:ネジなどの補助材、潤滑油、銘板で、設計部品表やアセンブリに含まれないもの。
③ 購買パーツリスト
購買のための部品表で、品番(部品名)、個数、価格などの情報が含まれます。各種部品表と同様にアセンブリ構造に基づいて自動作成できます。また3D CADで作成される部品表はEXCELを利用していますので、コスト集計などの計算式を埋め込んで利用できます。
3D CADではアセンブリに基づいて各種部品表を下図の様に一元管理することができますので、部品表作成ミスなどをなくすことができます。
部品表の種類はテンプレートを種類ごとに作成しておくことで、自由に切り替えて作成できます。
PDMを利用した部品表の履歴管理
3D CADのデータ管理ツールであるPDMを利用すれば、設計変更などの履歴管理を部品表でも行うことができます。例えば過去の部品表と最新の部品表を比較して、サービスパーツの互換性確認やコスト変動などの検証が行えます。
3D CADは製品の部品構成を持ちます
3D CADでは製品を3Dモデル化してパソコン上で組み立てますので、実際の製品の部品構成が出来上がります。したがって3D設計を行うことで同時に部品表の管理ができます。また3D CADで図面を作成して部品表を表示したり、3Dアセンブリ内に部品表を表示することができます。