2024年11月11日より、切削角物サービスにおいて新材質であるウレタンが見積もりできるようになりました。
ウレタンが持つ弾性体としての特徴により、金属やエンプラでは実現できない緩衝性・衝撃緩和性・気密性の要求仕様を満たすことができるようになります。
例えば、ロボットアームのチャックのようにワーク接触部との緩衝性が必要な箇所や、ダンパーのような衝撃緩和性が必要な箇所、または気密性（シール性）が必要な箇所で多く利用されています。
耐水性に優れたエーテル系1種類、機械的強度に優れたエステル系2種類の計3種類を用意していますので、ぜひご活用ください！
材質ラインナップと特徴
① 標準ウレタン（A90・エーテル系・自然色）：硬度と弾力を兼ね備え、耐水性を持つ
② 標準ウレタン（A70・エステル系・自然色）：機械的強度が高く低硬度
③ 標準ウレタン（A50・エステル系・自然色）：機械的強度が高く低硬度
ショア硬度・エーテル/エステルの違いとその特徴
- ショア硬度は数字が大きいほど硬く、小さいほど柔らかくなります。
- ウレタン材には化学的組成の異なるエーテル系、エステル系の2種類があり、それぞれ物性が大きく異なります。詳細は下記表をご参照ください。
ショア硬度の目安（参考）
| ショア硬度 | 硬度の目安 （参考） |
| ショアA95 | ゴルフボール |
| ショアA90 | 野球の硬球 |
| ショアA70 | 軟球 |
| ショアA50 | プラスチック消しゴム |
| ショアA30 | 自転車のタイヤチューブ |
エーテル系とエステル系の特性の違い（参考）
| 特性 | エーテル系（ショアA90） | エステル系（ショアA70・50） |
| 引張強度 | ○ | |
| 伸 び | ○ | |
| 引裂強度 | ○ | |
| 反発弾性 | ○ | |
| 耐摩耗性（滑り摩耗） | ○ | |
| 耐摩耗性（衝突摩耗） | ○ | |
| 耐加水分解性 | ○ | |
| 耐 油 性 | ○ | |
| 強 度 | ○ | |
| 耐 久 性 | ○ | |
| 耐酸、耐アルカリ性 | ○ |
※エステル系材料は、水や空気中の水分により加水分解し劣化します。
対応サイズ・品質基準
最大・最小の見積可能サイズ、品質基準は下記となります。
| 最大サイズ | 1000×500×50 |
| 最小サイズ | 5×5×1 |
| 代表面粗さ | Ra25（Rz100、▽） |
| 寸法公差 | ゴム一般公差中級（VDI 2005 2級 相当） |
| 幾何公差 | ウレタンは弾性体のため保証対象外となります。 |
※１ ウォータージェット加工機を使用するため、表面粗さの保証値はRa25となります。
※２ 寸法公差の保証値はゴム一般公差中級（VDI 2005 2級 相当）となります。
JIS中級とゴム一般公差中級（VDI 2005 2級 相当）の比較（参考）
| 寸法帯 | JIS中級 （現在のmeviy） | VDI 2級 （ゴム一般公差） |
| 0.5-3 | ±0.1 | ±0.3 |
| 3-6 | ±0.1 | ±0.4 |
| 6-10 | ±0.2 | ±0.5 |
| 10-18 | ±0.2 | ±0.6 |
| 18-30 | ±0.2 | ±0.8 |
| 30-50 | ±0.3 | ±1.0 |
| 50-80 | ±0.3 | ±1.2 |
| 80-120 | ±0.3 | ±1.4 |
| 120-180 | ±0.5 | ±1.6 |
| 180-250 | ±0.5 | ±2.0 |
| 250-315 | ±0.5 | ±2.5 |
| 315-400 | ±0.5 | ±3.0 |
| 400-500 | ±0.8 | ±3.5 |
| 500-1000 | ±0.8 | ±0.8% |
使用事例
ウレタン材料は弾性体の特徴を持ち、ワーク接触部分等への緩衝用途として使用されます。
使用事例①
部品の寸法測定を行う際、金属突き当て台を用いるとワークを傷つける可能性があるため、ワーク接触部にウレタンを利用した突き当て台を使用している事例です。
- 実物でのイメージ
使用事例②
ロボットアームにて部品をチャッキングする際、ワークの傷防止・保持面積確保のために先端爪部にウレタンを使用している事例です。
- 実物でのイメージ
形状例①：止水用パッキン
用途：配管接続部のシール用途で使用
ポイント：
・シート状の形状にも対応可能です。
・位置決めの切り欠きも加工ができます。
形状例②：チャック用緩衝部品
用途：ロボットアームによる部品チャック時の緩衝用途で使用
ポイント：
・曲線形状のポケットも作成可能です。
・段付き穴にも対応しています。
ウレタン材は使用用途、形状ともに対応できる範囲がとても広いです。まずはメビーで見積もりができるか、お試しください！
切削角物の各種マニュアル
■技術情報：https://jp.meviy.misumi-ec.com/help/ja/technical_info/mpb
■PDFマニュアル：https://jp.meviy.misumi-ec.com/help/ja/wp-content/uploads/2020/03/meviy_manual_mpb.pdf
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