メビーの板金加工では、曲げ線上の開口部(逃げ穴)に対応しています。開口部を作成すると、曲げ近くの穴位置限界を緩和することができます。
逃げ穴って何?と思った方、そして穴が曲げに近すぎるメッセージで困った方は必見です。
【ポイント】
- 曲げ線上の開口部(逃げ穴)・曲げをまたぐ中抜け穴のあるモデルも自動見積もりが可能
- 開口部を作成すれば、穴~曲げ間の最小距離を最大60%ほど緩和することが可能
- 開口部を加えても出荷日は変わらず、最短1日目出荷
目次
設計者が悩む、曲げ近くにある穴とその限界距離

板金部品の加工時、曲げに近すぎる穴がある場合には、穴が変形してしまう可能性があり、段取りや加工手順の変更が必要となります。
メビーでも、板金部品の曲げに近すぎる穴がある場合には自動見積もりができないケースがあります。この「穴と曲げの最小距離」は、材質や板厚・穴種によっても限界値が異なることもあり、比較的遭遇しやすいケースです。
そのため、最小距離をもっと緩和してほしいというご要望を多くのお客さまからいただいております。
メビーならできる「逃げ穴」モデルとは?

板金部品で曲げ近くの穴の変形を事前に予防したいとき、一般的な方法として、曲げ線上に開口部(逃げ穴やスリットなどと呼称)を設ける方法があります。
事前に開口部を設けておく事で、曲げ加工を行う際に近傍穴にかかってしまう力を逃すことができ、より曲げに近い穴位置の加工を可能にします。
メビーでは、板金部品から同形状を認識して、逃げ穴の有無に合わせて、穴位置の最小距離が判定されます。
開口部の有無による穴位置の最小距離比較(参考)
前提・イメージ

- 本比較例は代表材質・穴種での抜粋であり、未掲載材質・他の穴種でも効果はあります。
- 曲げ部の外R(フィレットサイズ)と曲げ線上の開口部高さを最小値“b”に合わせてモデリングした場合の比較です。
開口部高さを“b”よりも大きくモデリングした場合、h2の値は異なります。
代表材質の緩和例
SPCC(SPHC)・SECC・SS400
| 開口部なし (参考:穴と曲げの最小距離) h1 |
開口部あり (近接穴と曲げの最小距離) h2 |
|||
| 板厚 | 通し穴と曲げの 最小距離 |
角穴・長穴と曲げの 最小距離 |
タップ穴と曲げの 最小距離 |
|
| 0.8 | 2.0 | 2.0 | ― | 1.7 |
| 1.0 | 2.7 | 2.0 | ||
| 1.2 | 3.0 | 3.0 | 3.9 | 2.8 |
| 1.6 | 3.5 | 3.5 | 5.2 | 3.4 |
| 2.0 | 4.0 | 4.0 | 6.6 | 4.0 |
| 2.3 | 5.0 | 5.0 | 7.8 | 4.5 |
| 3.2 | 6.5 | 6.5 | 11.7 | 6.3 |
| 4.5 | 9.5 | 9.5 | 16.3 | 8.7 |
| 6.0 | 14.0 | 14.0 | 22.4 | 11.5 |
| 9.0 | 21.5 | 21.5 | 32.4 | 17.5 |
- 通し穴・・・・・最大19%緩和
- 角穴・長穴・・・最大19%緩和
- タップ穴・・・・最大48%緩和
SUS304(2B)などのステンレス材
| 開口部なし (参考:穴と曲げの最小距離) h1 |
開口部あり (近接穴と曲げの最小距離) h2 |
|||
| 板厚 | 通し穴と曲げの 最小距離 |
角穴・長穴と曲げの 最小距離 |
タップ穴と曲げの 最小距離 |
|
| 0.8 | 2.0 | 4.2 | ― | 1.7 |
| 1.0 | 4.3 | 3.2 | 2.0 | |
| 1.2 | 3.0 | 4.5 | 3.4 | 2.8 |
| 1.5 | 3.5 | 6.0 | 4.9 | 3.3 |
| 2.0 | 4.0 | 7.1 | 6.0 | 4.0 |
| 3.0 | 6.5 | 11.5 | 10.4 | 6.0 |
| 4.0 | 11.5 | 17.2 | 16.1 | 8.0 |
| 5.0 | 14.0 | 23.5 | 22.4 | 10.0 |
- 通し穴・・・・・最大30%緩和
- 角穴・長穴・・・最大60%緩和
- タップ穴・・・・最大55%緩和
A5052
| 開口部なし (参考:穴と曲げの最小距離) h1 |
開口部あり (近接穴と曲げの最小距離) h2 |
|||
| 板厚 | 通し穴と曲げの 最小距離 |
角穴・長穴と曲げの 最小距離 |
タップ穴と曲げの 最小距離 |
|
| 1.0 | 2.0 | 2.0 | 3.1 | 2.0 |
| 1.2 | 2.5 | 2.5 | 3.2 | 2.8 |
| 1.5 | 3.5 | 3.5 | 4.9 | 3.3 |
| 2.0 | 4.0 | 4.0 | 6.0 | 4.0 |
| 3.0 | 5.0 | 5.0 | 10.4 | 6.0 |
| 4.0 | 11.5 | 11.5 | 16.1 | 8.0 |
| 5.0 | 12.0 | 14.0 | 16.8 | 10.0 |
- 通し穴・・・・・最大30%緩和
- 角穴・長穴・・・最大30%緩和
- タップ穴・・・・最大50%緩和
穴と曲げの加工限界のうち、特に最小距離が厳しい長穴・角穴・タップ穴であれば、最大60%も最小距離を緩和し、従来以上に曲げに近い穴も自動見積もりが可能となります。
開口部(逃げ穴)作成時の設計ガイドライン

開口部(逃げ穴)を使用する際には、材質・板厚によらず、以下2つの点に沿ってモデリングしてください。
開口部の最小横幅
近傍穴の穴幅より長く、また穴端から板厚分以上長い幅をとってモデリングしてください。
最小横幅を満たさない場合も見積不可にはなりませんが、穴位置の最小距離は緩和されません。
例1) 近傍穴が通し穴でφ1.0mm, 板厚(t)が0.8mmの場合
開口部横幅 ≧ t0.8mm + 穴幅1.0mm + t0.8mm = 2.6mm
例2) 近傍穴がタップ穴M3で 板厚(t)が2.0mmの場
開口部横幅 ≧ t2.0mm + 呼び径3.0mm + t2.0mm = 5.0mm
開口部の最小高さ
板厚の1.5倍以上の高さを確保して、モデリングしてください。
※曲げの外R(フィレットのサイズ)の方が大きい場合(外Rが板厚の2倍など)は開口部の高さも外R以上を確保してください。
例1) 板厚(t)が2.0mm、曲げの外Rが3.0mmの場合
開口部高さ ≧ 1.5 x t2.0mm = 3.0mm
例2) 板厚(t)が3.0mm、曲げの外Rが5.0mmの場合
開口部高さ ≧ 外R = 5.0mm
なお現在、内角90度を下回る鋭角曲げには未対応です。
モデリングに迷ったら
開口部の最小横幅・開口部の最小高さが不足しているときは、以下のメッセージでお知らせします。モデル修正の前にご確認ください。
- 開口部の最小横幅の不足例(確認事項)

- 開口部の最小高さの不足例(自動見積もりはできません)

そのほか、ご不明点な点は、meviyサポートまでお問い合わせください。
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