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加工図面に欠かせない寸法公差(サイズ公差)とは

図面の寸法公差は古くから馴染みのある呼び方ですが、2016年のJISの改定により寸法という呼び方がサイズに変更され、それに伴い「寸法公差」も正式には「サイズ公差」になりました。ですが、一般的にこの呼び方は普及していないのが現状です。ここでは混乱を防止するために、寸法公差の呼び方を使っていきます。

寸法公差とは?

図面の寸法公差とは図面における加工指示の一種で、寸法が収まる範囲を明示します。例えば100mmの長さの部品を手配する際に100.00mmの精度で加工することはできませんので、99.9mmから100.1mmの間で加工してくださいと指示するのが寸法公差です。この場合、図面では100±0.1と表記します。

加工図面には必ず寸法公差が指定されていて、その種類は多岐に渡ります。また寸法公差の値次第で部品の加工方法が変わってしまい、関連して見積もり金額にも影響する場合があります。このように寸法公差は非常に重要な図面の要素といえます。

図面における寸法公差の表現方法

寸法公差の基本は両側公差です。図面では100±0.1と表記され加工者は公差幅のセンターである100mmを目標に加工します。片側公差は100(+0.1/-0.3)と表現されます。これは設計者が部品を100mmより小さめに加工して欲しい場合に使いますが、なぜセンター値が明確な両側公差にしないのでしょうか?両側公差では99.9±0.2と表示され全く同じ意味合いになります。しかし99.9mmのセンター値(ノミナル値)が100mmに比べると端数が出ますので設計者は敬遠します。もう一つの理由はJISで規定されている標準数に合っていないからです。

寸法公差と加工方法

図面の寸法公差で指示された寸法に加工する場合、公差幅によって加工方法が変わる場合があります。下記に一般例を示します。

  • 公差幅 ±1: フライス盤などの粗加工
  • 公差幅 ±0.1:フライス盤などの粗加工→仕上げ加工
  •  公差幅 ±0.01以下:フライス盤などの粗加工→仕上げ加工→研削盤による加工

*一般的に公差幅が狭くなると加工工程が増えてコストが高くなります。

寸法公差と幾何公差の違い

図面における寸法公差は長さなどのサイズに関わる公差で、寸法値の右側に記入します。これに対し、幾何公差は形状を規定する公差です。例えば、円が真円より公差値以上ずれていない事を、幾何公差の真円度で規定します。したがって正確な部品加工のためには、寸法公差と幾何公差の組み合わせが必要になります。

さらに具体的に違いを説明すると、寸法公差は部品の大きさ(長さ)の指示なのに対して、幾何公差(振れなど)は寸法を測定する箇所や、方法を指示しますので両方必要なのです。

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