機械設計 部品表(BOM)

部品表って何?どんな場所で使われるのか

部品表とは、製品に使われる部品の全ての記録を集約したデータベースを意味します。BOM(bill of material)ともよばれています。今回はBOMの概要と活用方法を紹介します。

部品表って何?どんな場所で使われるのか

部品表とは?

部品表とは?

まだ紙図面が使われていた時代には、部品表とは文字通り部品の全てを記した表を意味していました。図面の右上や右下などに書かれている表です。部品の材質や詳細を記した単品図面の図面番号など、必要な情報が記載されていました。そこから転じて、近年では部品表とは、製品に使われる全ての部品に関して、図面データや、その部品が使用される製品の一覧、購買先情報や工程情報など、全ての情報を集約したデータベースを意味するようになりました。さらに設計で使うCADや図面閲覧システム、生産技術や購買部門が使う販売システムや購買システムとも連携し、現在は効率的なものづくりには欠かせないシステムになっています。

部品表の使い方と運用例

部品表の使い方と運用例

つづいて部品表の具体的な運用例を紹介します。
部品表を使うためには、まず製品や部品の全てに番号を振らなければいけません。この番号を部品番号とよび、基本的に部品表は部品番号を元に運用されます。
たとえばある製品Aに使われている012-345という部品番号のシャフトについて部品表で検索したとします。すると図面や材質、購買先の情報のような、品目情報が閲覧できます。また同時に、012-345というシャフトが、製品A以外のどの製品や部品に使用されているかのような、使用先情報も閲覧できます。
もしもこのシャフトに不具合が発見された場合、設計部門や品質管理部門では、図面や購買先の情報を不具合対応に役立てたり、他にどの製品に影響がありそうかを調べたりできます。
また通常の生産時においては、購買部門がこのシャフトの使用先情報にある製品の生産計画を見て、部品調達のタイミングを決めたりもします。
このように部品表は、企業のものづくりを支える大切なシステムなのです。
またこのシステムを活かすためには、部品設計変更情報や新しい部品を登録したり、廃版になった部品の記録など、データベースのメンテナンス自体も欠かせません。そのため企業では、部品情報の登録も大切な作業のひとつになっています。

部品表の種類と用途

部品表の種類と用途

部署や目的によって、部品に関するどの情報が必要になるかが変わります。誰もが常に全ての情報にアクセスできる必要はありません。そのため部署や役割によって部品表をいくつかの種類に分け、必要とする情報にアクセスしやすくしています。
部品表の種類で代表的なものを下に紹介します。

  • 設計部品表
    製品の開発や設計に携わる人が扱う部品表です。図面データや設計変更履歴、関連する部品など、主に部品の仕様に関する情報にアクセスできます。
  • 製造部品表
    生産技術部門や製造部門の人が扱う部品表です。図面データや、部品を組み立てるのに必要な部品、資材などの情報にアクセスできます。
  • 購買部品表
    購買部門の人が扱う部品表です。部品の価格や発注単位、仕入先リストなどの情報にアクセスできます。

まとめ

部品表というと、ただのリストのように思えますが、実際には、企業で作る全ての製品とそれに関連する全ての部品に関する膨大な情報を集約したデータベースと、それを活用するためのシステム全体を意味しています。効率的なものづくりには欠かせないシステムです。

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