どの材料が使える? 最大サイズは? 「エンジニアがサンプル部品で解説! 便利な設計TIPS」レポート

株式会社ミスミとプロトラブズ合同会社の共催で「meviy ラピッドプロトタイピング徹底活用セミナー(初級編)」がオンラインで開催されました。

当日は2部構成で、第1部は「イチからわかる! meviy ラピッドプロトタイピングの使い方」、第2部は「エンジニアがサンプル部品で解説! 便利な設計TIPS」というプログラムで行われました。

この記事では、セミナーから第2部の模様を抜粋してご紹介します。取り扱い材料の種類や対応サイズ、ネジの設計、切削加工後の状態確認など、発注前に生じるであろう疑問点をピックアップし、エンジニアの方に解説していただきました。

案内役は、プロトラブズ合同会社 エンジニアリング部の川村真哉さんです。
(以下、川村さんのご説明)

取り扱い材料は「軟質金属」「硬質金属」「樹脂」の3グループ

まずは取り扱い材料について。材料は3つのグループに分けられます。

アルミや銅など比較的やわらかい金属については「軟質金属」、ステンレスや鉄などは「硬質金属」、プラスチックはすべて「樹脂」のグループです。それぞれの特徴についてご案内しましょう。

 

<軟質金属>

軟質金属のうちアルミ材料は、A2017のジュラルミンからA7075の超々ジュラルミンまで、そのほかアルミダイカスト、真鍮、銅をラインナップしています。お客様からのご注文としては、生産治具やモックアップ品をマシニング加工で依頼されるケースが多くなっています。

仕上げ処理は2種類です。写真の左側が切削加工のままの状態、右側が軽くビーズブラスト処理を施したものです。切削加工した製品は、鏡面とまでは言えないものの、それに近い光沢面を持っています。一方、右側のビーズブラスト処理を施した製品は、マットな質感に仕上がっています。

 

<硬質金属>

硬質金属は、ステンレス、鉄、炭素鋼の3つがあります。硬質金属については、お客様から「熱処理を行っているのか?」という問い合わせをよくいただきますが、弊社では熱処理を行っていません。防サビ処理を施した状態での出荷となります。

写真左側が切削加工のままの状態、右側がブラスト処理です。軟質金属と比べて硬いため、ブラストによる表面のマットな質感は少しやわらかくなっています。

 

<樹脂>

樹脂は非常にラインナップが豊富で、大まかに分類すると「汎用プラスチック」、「エンジニアリングプラスチック(エンプラ)」、「スーパーエンプラ」の3つとなります。

上の写真では18種類が並べられていますが、同じ材質でもガラスフィラー添加したもの、色違いなどがあるため、合計すると25種類です。

使い方としては、例えばPPで試験して「ちょっと剛性が足りない」となれば、ナイロンやポリカで同様に製作できます。また、摺動する治具の耐久性を試したい場合は、POMやMCナイロンで製作するのも良いでしょう。

meviy ラピッドプロトタイピング技術情報ページにて一覧表を用意しています。材料を選択するときの参考資料としてご活用ください。

硬質金属は対応サイズは小さめ? 材料によって異なる対応サイズ

対応可能サイズは、材料によって異なります。3パターンごとの対応サイズを確認しておきましょう。

 

<軟質金属の対応サイズ>

軟質金属のうちA5052とA6061については、最大560×360のサイズまで対応可能です。数字だとイメージしにくいかもしれませんが、車のハンドルが370~400ミリの径なので、短手方向がそれくらいだとお考えください。

図左下に「6面加工可能」とありますが、こちらは250×175以下のサイズについて対応可能です。アルミのA5052やA6061はもちろん、A2017やA7075、アルミダイカスト、真鍮、銅も対応可能となっています。一部、対応できる最大サイズが小さいものもありますので、事前に材料表をご確認ください。

 

<硬質金属の対応サイズ>

硬質金属は、250×175が最大サイズです。軟質金属に比べると、選択できるサイズは全体的に小さくなる傾向があります。とくに6面加工を希望される製品は、加工治具との干渉が懸念される場合、硬質金属の選択ができなくなりますのでご注意ください。

 

<樹脂の対応サイズ>

樹脂は340×260が最大サイズとなります。ただしこれはABSで2面加工限定です。軟質金属や硬質金属と同様、6面加工可能なサイズは250×175以下となります。ただ、スーパーエンプラなど入手困難な材料の場合、弊社でストックしているブロックが小さいものもあります。材料によっては対応サイズがさらに小さくなる可能性もありますので、ホームページの材料表をご確認ください。

ネジ設計の種類と注意点

ネジの設計についてご説明します。対応可能なネジは「メートル法ネジ」と「ユニファイ(UNF、UNC)」です。テーパーネジなどの特殊ネジは非対応ですのでご注意ください。

ネジのらせん形状については、各種CADにモデリング機能があるかと思います。ご注文の際、らせん形状を設計されるお客様が多いのですが、弊社システムでは認識できません。下穴はストレートの3Dデータが必要となりますのでご注意ください。

下穴の径や旋盤の軸径については、ホームページに記載があります。表をご確認いただき、各ネジサイズに合わせて設計してください。

長く設計に携わっている方はお分かりかと思いますが、下穴の直径は、よく使われるドリル径に合わせています。したがって、選択できないケースは少ないでしょう。

切削加工後の状態について

meviy ラピッドプロトタイピングの特徴として、見積もりの時点で「切削加工後の状態」を見ることができます

上図に示した2つのケースをご覧ください。左上のハイライトされている箇所(穴の部分)は、切削加工では形成できない形状です。実際に加工すると、右上図のように埋まった状態の仕上がりとなります。切削加工後の状態は仕上がり形状をそのまま示していますので、よくご確認ください。

また左下図のように、3Dビューワーを使って拡大することができます。したがって、削り残しの箇所については、拡大すればするほど大きく見えます。しかし、実際にはかなり小さいケースもありますので、縮尺をよく確認のうえご注文ください。

meviy ラピッドプロトタイピングで成長の機会を

最後に、メカ設計に携わる方へメッセージを伝えさせてください。

お近くの部署に、ソフトウェア開発や電子機器関係の担当者はいらっしゃいますか? 彼らは技術革新の恩恵をおおいに受け、長くて1週間、短い場合は1時間単位で学びのサイクルを繰り返しています。

その一方で、メカ屋の私たちだけが数週間~数カ月の周期でいいのでしょうか。「一人前の設計者になるためには3~5年かかる」とよく言われますが、そこまで時間を費やしていいのでしょうか。技術者にとって知識こそが、何者にも奪われない絶対的な資産です。そして知識を支えるのは、圧倒的な試行錯誤の回数だと考えられます。

メカ設計のご担当者様には、製品をお届けするだけでなく、meviy ラピッドプロトタイピングを通して圧倒的な成長の機会を提供したいと思っています。

まとめ

以上、「エンジニアがサンプル部品で解説! 便利な設計TIPS」のレポートをお届けしました。取り扱い材料の種類や対応サイズ、ネジの設計、切削加工後の状態確認について理解が深まったのではないでしょうか。

今後のお見積り依頼や、よりよい設計の参考になれば幸いです。

 

執筆:村中貴士 編集:ノオト

 

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