ものづくり基礎知識 機械設計 部品表(BOM)

設計変更時の部品表の管理方法をご存知ですか?

日々の設計業務では設計変更が発生しますが、部品図面や組図(ユニット図面)の変更と共に、必要に応じて部品表を変更する必要があります。
また部品表は部品図と組図や購入品との間に階層関係がありますので、たとえ部品1個の変更でも各種部品表の変更が必要になり、部品表を管理する設計者の負担が大きくなっています。通常の設計変更は数カ所まとめて行い、部品表の変更履歴を簡略化するなどの工夫するのが一般的です。

設計変更の種類とは?

設計変更には多種多様な種類があり、実際の変更業務にも違いがあるので注意が必要になります。

設計変更① 図面修正 (*部品表の変更無し)

  • 設計変更の種類によっては部品表内での変更項目が変化します。例えば図面修正(図面の作図ミスの修正)です。この場合は部品自体に変化はありませんので、部品表の項目を修正する必要はほとんどありません。
  • 部品番号や、コストに変更が生じないので部品表の変更がありません。

設計変更② 形状変更 (*部品表の変更有り)

  • 形状変更や、材質変更などの部品コストに影響する変更がある場合には購買部門は“新しい部品”として手配する必要があります。
  • 部品番号や、コストに変更が生じますので部品表を変更する必要があります。

部品表の変更内容べつ管理方法とは?

① 部品番号の管理方法

  • 設計変更で図面が変更されると、手配する際に“新しい部品”にする必要がありますので、部品番号を新しく採番するか、部品番号に副番を追加して旧部品との区別を明確にします。また変更が大きく部品のコストが大幅に変わる場合などには、全く新規の部品として部品番号を採番する場合がありますが、旧部品番号も併記するなどの注意点があります。

② 組図番号(ユニット番号)の管理方法

  • 組図内の部品が一つでも変更されたら“別のユニット”になるため、手配する際に“新しいユニット”にする必要がありますので、組図番号を新しく採番するか、組図番号に副番を追加して旧部品との区別を明確にします。
  • 組図内の部品が1個変更される度に組図番号が変更されると組図(部品表)が大量にできてしまうので、会社によっては変更管理を省略する場合もあります。

③ 変更履歴の管理方法

  • ISO9001などの適応するためには変更履歴を保存することが必要になります。
  • 来歴(変更履歴)番号と関連して部品表内の旧部品の行を削除せず“取り消し線”で残して、変更後の部品を部品表に追加します。
  • PLM(製品ライフサイクル管理)システムが導入されている場合には自動的に履歴管理が行われます。

部品表変更の適用は準備が必要

設計変更に伴って変更された部品表は関係部署で共有されますが、必ずしも同時適用されるとは限りません。購買部門では旧部品の在庫状況によって適用時期が決まりますし、生産技術部門では部品変更に伴って組立治具の変更などが必要になります。適用準備として、設計変更連絡会議などで、関係部署での変更適用時期の違いを共有して、間違い無く変更が適用する必要があります。