今、世界中が求めるPCR検査装置「Ninja qPCR/Ninja LAMP」とにかく早く完成度の高い製品製造にはmeviy|ものづくりアイデア特集【#15】

医療現場で利用される物資を製造する装置・設備を製造しているお客様より、meviyをどのようにご活用いただいているのか、取材させていただきました。

PCR検査装置PCRチューブホルダー

製作者:S・Hさま|業種:電子部品・デバイス・電子回路製造業 |meviy利用歴:はじめてのご利用
担当業務: コンピュータシステムやソフトウェアをはじめ、スマートフォンアプリの企画・開発を行うプログラマー。ハードウェアの受託開発では機械設計、装置・装置治具設計、試作品設計を担当。(株式会社鳥人間)

Ninja qPCR① Ninja qPCR ① Ninja qPCR ② Ninja LAMP
PCR検査など遺伝子検査を行うための遺伝子増幅装置。
meviyで製造した部品は検査用PCRチューブを立てるホルダーとして使用。
8穴×2列で16本のチューブを立てることができる。
部品中央にシリコンラバーの断熱材を敷き、ヒーターでホルダーそのものの温度を高める。
耐熱性と熱伝導率の高いアルミ(A6061)を使用。
Ninja LAMP② Ninja LAMP
meviy RP 利用サービス:meviy RP(マシニング)
材質:A6061
表面仕上げ:CUTTING
納期の目安:3日|価格の目安:27,700円
PCRチューブホルダーの8穴バージョン PCRチューブホルダーの8穴バージョン。
「Ninja LAMP」よりミニマムな装置に組み込み、1回で8本の検査が可能。
側面の平らな部分にヒーターと断熱材を当てて発熱させ、部品の温度を上げる。
LEDライト入射用の横穴や、温度センサーを入れる小径の穴をあけてある。チューブを立てるホールは最薄1㎜以下で加工。
meviy RP 利用サービス:meviy RP(マシニング)
材質:A6061
表面仕上げ:CUTTING
納期の目安:3日|価格の目安:14,800円

教育現場のために製造したのがNinjaの始まり

① Ninja qPCR はPCR法、② Ninja LAMPはLAMP法により遺伝子の数を見えるレベルにまで増やして、特定の遺伝子の有無を調べることができる検査装置です。
検査には、蛍光を発する試薬を使用し、蛍光の強さを検出することで結果が分かります。

今回meviyで製造した部品は、検体と試薬を入れるPCRチューブと呼ばれる試験管を立てるホルダーです。8穴1列の部品は小さいサイズの検査装置用に、8穴2列の部品は通常サイズの試作品に使用しました。

PCR検査装置を作るきっかけとなったのは、10年ほど前に当時担当していた国際宇宙ステーション探索ARアプリの開発中に、理科教育を担当している企業と縁ができ「中高の理科教育には遺伝子の授業が必須になっているが、遺伝子を調べる装置は非常に高価で入手できず、実験や体験実習ができない。何とかなりませんか?」と相談を受けたことでした。

PCR装置は普通に購入すれば30万円~100万円以上する高価なものですが、オープンソースから改良して既製品よりも安く製造することに成功。当時の製品が「Ninja PCR」で、今回meviyを利用して試作したのが後継機となる「Ninja qPCR」「Ninja LAMP」になります。

温めた部品の温度が重要!熱伝導率の高いアルミを使う理由

この検査装置では、ホルダーの温度が非常に重要なため、部品は熱が伝わりやすいA6061(アルミ)で製作しました。

部品の中央もしくは側面にヒーターとシリコンラバーの断熱材を当てて、チューブホルダーの温度を40〜98度程度の間で変化させます。すると遺伝子が指数関数的にコピーを繰り返し、目に見えるまで増えていきます。ホルダーには温度センサーを入れるための、貫通していない小さな横穴をあけてあります。

アルミは熱伝導率が高いので温度が変わりやすいことがメリット。加熱・冷却を何度も繰り返し行うので、温度が変わりにくいと結果が出るまでに時間がかかってしまい、検査回数に影響してしまいます。meviyで頼める材質にアルミがあって本当に助かりました。温度のムラもほとんどありません。

また、このホルダーにはLED光を入射するための横穴と、光センサー読み取り用の縦穴をあけてあります。
遺伝子がコピーされて増えていくとチューブの中の蛍光が増し、ホルダーの下に設置した光センサーがその蛍光を読み取ります。コピーされた遺伝子の量によって、光センサーの値が変わります。これが、遺伝子が増えていることを視覚的に把握する仕組みとなります。

横穴加工までを指定すると、そもそも加工を受け付けてくれないサービスもあったりするので、このような板厚の薄い加工(最も薄いところは1㎜もないはず)と横穴加工までご対応いただいたことも、大変ありがたく感じています。

できないことを全部お願いできる

ミスミのカタログは以前より利用しています。meviyは新型コロナウィルスの感染が世間で騒がれ始めてからしばらくして、医療装置用の製造部品の支援に関する電話を貰って初めて知りました。

自宅にもアルミくらいなら切れるCNCフライス盤がありますが、今回のような材質は柔らかく、自分で加工すると切削の時に失敗する可能性がある。横穴加工まで正確にやろうと思うと、まずは治具を切るところから始めないといけない・・・

機械は放っておいてモノができるものではなく、自分で作業する必要があります。
「どうやったら良いか?」「どう対応したらいいか?」考えながら進めると、たとえ加工機を動かしている時間が24時間で終わるとしても、絶対に24時間では終わらない。

meviyはそこのところを全部お願いできる!かなり助かりました。

世界中に求められている製品。とにかく早く完成度を高めるのが優先

5月頃までは作業が全くできない状況が続き、とにかく早く正確なPCR検査装置が必要な事態でした。

部品調達は海外のサービスの利用も考えましたが、例えばアメリカだと手元に届くまでに2週間はかかってしまう。国内でも、やるよ!と言ってくれる町工場さんとの繋がりもありますが、お願いすると絶対にこの価格では収まりません。製造まで含んでこの納期だと追加料金がかかります。

自分で加工したとしても、他の加工屋さんに頼んでも、材料調達や再見積もりなど、失敗時のリカバリーの時間を考えたら、納期まで10日~2週間は覚悟していました。

既に加工されたものが3日で届くことを考えたらmeviyで頼んだ方が大幅な時間削減になり、何より楽ですよね。価格も2万円くらいなら試作品では問題ない価格感ですので、利用したメリットがありました。

 

この装置の開発プロジェクトは、様々な国のたくさんの人達に協力いただいて実現しています。
できるだけ早く進めるためにはCNCを使って「2週間ではできませんでした」とか、「クオリティが低いです」とか言っていられない状況です。
「CNCの細かいチューニングができない」なんてことを言い訳していないで、お金を使ってでも試作を完成させるべき時。世界中から早く提供を求められる製品なのです。

複雑な加工にもしっかり対応していて、納期が抜群に早いmeviyは、試作品の完成度を高めるためにも、かなり役立ちました。今後も利用していきたいと思います。

課題
  • 自作加工して失敗はできない。リカバリーの時間も惜しい。
  • とにかく急ぎで完成度の高い試作品を製作したい。
導入効果
  • 複雑な形状も全てお任せ。大幅に時間を削減することができた。
  • 2週間覚悟していた納期が3日に短縮。作業を早く進めることができた。

 

この記事の著者

meviy編集部
メヴィ子

メヴィ子。2016年生まれ。meviy編集部内で宣伝隊長を担当、meviyに関して誰よりも詳しく理解している。主にブログやSNSに登場し、複雑な機能や使い方を丁寧にわかりやすく解説することが日課。

得意技は愛され笑顔。

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