材料

材料の性質とは?金属加工や機械設計の重要なポイント

機械設計や設備設計、生産技術の現場では材料の「性質」という言葉がよく出てきますが、性質は加工や設計に大きく影響します。
ここでは材料の性質とは何かを、基礎から分かりやすく解説していきます。

金属材料にはさまざまな「性質」がある

人それぞれに個性があり、個性にあった仕事があるように、金属の材料もそれぞれの特徴があります。
一般的に金属材料の性質は、硬さ、靭性、延性、比重などを基に説明します。これら性質の強弱の組み合わせによって、柔軟さや耐久強さなどの多様な個性が生み出されます。
金属材料にはさまざまな「性質」があります

またある性質が強くなれば、別の性質が弱くなる傾向が強いなどの、性質による傾向も存在します。個性によって、適した用途が変わってくるのです。

材料の「性質」を表す言葉

材料の性質を表す代表的な言葉に、強度、硬さ、靭性、比重の4つがあります。これらについて紹介します。

強度(引っ張り強さ):強度は、一般的に考える「丈夫さ」を指します。同じ太さの材料を引っ張ったときに、破断せずに耐えられた最大の強さを示します。この点を超えると、材料は急激に強度を失い、最大値よりも少ない荷重で破断に向かいます。材料には引っ張りだけでなく、ねじるような力や折り曲げるような力、せん断というハサミで切るような力など、さまざまな力がかかります。しかしそれらも、小さな視点でみると引っ張りの力が多く作用するため、引っ張り強さが「強さ」「丈夫さ」として扱われます。
部品や機械を設計する際、外力に対する「強さ」を見るために、まずチェックする性質です。強い力がかかる部品や機械には強度の高い材料を選びましょう。

硬さ:材料の硬さは、ものに爪を立てるように非常に小さい範囲に力を加えて、どれくらい傷になりやすいかで表します。強度は変形を受け入れつつ耐える強さのイメージですが、硬さは変形を跳ね返す強さのイメージです。摩耗(すり減り)に対する強さに大きくかかわる性質です。焼き入れなど、元の材料に加工を追加して強化できる場合があります。硬さが高くなると、切削加工などの機械加工が難しくなります。
材料の疲労強度や摩耗強さなどを向上させたいときにチェックする性質です。歯車や軸受けなど、繰り返しの摩擦を受ける部位には硬さが高い材料を選んだほうがいいでしょう。

靭性:靱性は粘り強さともいいます。陶器のように脆く壊れてしまわない性質です。強度は荷重の最大値を超え、より少ない荷重で急激な変形がはじまるまでの強さをいいますが、靭性は荷重の最大値を超えた後、変形に必要とする荷重を減らしつつ引きちぎられるまでの間に、どれだけ耐えられるかもあわせて評価されます。破壊的で衝撃的な力に対する強さになります。かかる荷重の変動が大きい場合や、振動や衝撃を受けやすい場合には、靱性の高い材料を選びましょう。

比重:比重の定義は水と材料の密度の比ですが、要するに重さだと考えるといいでしょう。比重が大きい材料は重く、比重が小さい材料は軽くなります。機械設計や設備設計、生産技術の現場では、密度よりも比重で材料の重さを表します。材料の重量について考えるときにチェックする性質です。

材料の性質の組み合わせによって、柔軟さや耐久強さなどの多様な個性が生み出されます

材料の性質のおおまかな関係

金属材料の性質には大まかな関係性がいくつかあります。

  • 強度が高くなると比重も大きくなる
    強い材料を選ぶと重くなる傾向があります。強くて軽い材料は、それほど多くありません。
  • 硬さが増すと靭性が下がる
    硬さが増すと靭性が下がり、欠けやクラックにつながりやすくなります。陶器は強く押しても凹みませんが、一定の力を加えると砕けます。これは硬さと靭性の関係をイメージするのに、非常に分かりやすい例です。
  • 硬さが増すと強度も高くなる
    硬さと強度が深く関連しているのは、想像しやすいと思います。強靭な筋肉は、外側から触れてもハリがありプニプニしていないのと似ていますね。
  • 強度や硬さが増すと加工しにくくなる
    バナナと凍った肉、どちらが切りやすいかを想像してみると分かりやすいでしょう。強いものや硬いものは、切削加工や塑性加工などの加工が難しくなります。

バナナと凍った肉、どちらが切りやすいかを想像してみましょう

このように金属材料は、一つの性質が変われば、他の性質も変わる傾向があります。設計などで材料を選ぶ際には、性質のバランスを見ながら決めるようにしましょう。

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