製造業に携わる人が注意すべき著作権・知的財産権。

製造業で働く場合、注意しておくべき法律として知的財産権や著作権があります。これらの法律については、普段仕事をしている中では意識することが多くないため、難しく感じる人もいるかもしれません。
今回は知的財産権や著作権の内容と、もし法律を守らなかった場合にどのような事態に陥ってしまうかについて解説します。

製造業に携わる人が注意すべき著作権・知的財産権。

知的財産権と著作権の関係

知的財産権と著作権の関係

まず知的財産権や著作権の概要について解説します。
知的財産権は、人間が行う幅広い知的創作活動に対して、創作者が創作物に対して一定期間権利を保護できるように作られた制度です。知的創作活動とは、文章を書いたり、音楽を作ったり、新しいものを発明したりと広範囲にわたります。知的財産権の中には、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権などの権利が含まれており、それぞれ保護される創作物の内容と期間が異なります。

たとえば特許権は出願された発明の権利を20年間保護し、期間内にほかの人や会社が勝手に使えないよう権利を守ります。また意匠権は、物品、建築物、画像のデザインなどを出願から25年保護し、類似のデザインを実現できないように制限しています。同様に著作権や商標権なども、それぞれ権利を保護する対象や期間が定められ、勝手に使用することはできません。

知的財産権の特徴の一つとして、権利を保護される対象が目に見える「もの」ではなく、「財産としての価値がある情報」であることが挙げられます。一般的に、情報は自由に利用できるものですが、保護の対象となるものについて創作者の権利を守るために、創作者以外が自由に利用することを制限しています。

製造業社員に影響のある知的財産権

製造業社員に影響のある知的財産権

知的財産権のなかでも、特許権、実用新案権、意匠権は製造業の社員に影響がある権利で、特に注意が必要です。新しい製品開発を行う場合には、他社の持っているこれらの権利に抵触してしまわないように、入念なチェックを行う必要があります。
会社によっては、開発の進捗を確認する社内イベントなどで、他社の権利に抵触していないかどうかを確認する抵触チェックを実施したか確認される場合があります。抵触チェックが十分に行われていない場合には、製品開発を先に進められない場合もあり、製品開発においてとても重要なポイントです。

もし、他社が持っている特許権や意匠権の抵触に気づかずに製品を開発し発表してしまうと、権利の侵害として賠償金を支払う必要があります。また、懲役や罰金などの刑事罰を科される場合もあります。会社の業績を悪化させるだけでなく、ニュースとして報じられることで、会社の評判を低下させてしまう可能性があり、細心の注意が必要です。

特許権や意匠権などに注意し、他社が保有する権利に抵触しない製品開発を心がけるわけですが、どうしても権利を使用しないと製品が成り立たないこともあります。そのような場合には、権利を使わせてもらえるように、権利の保有者と交渉をする必要があります。交渉の材料としては、権利の利用料を支払うか、相手にとって同等の価値がある権利の使用権を渡すのが一般的です。

製造業社員が注意すべき著作権

製造業社員が注意すべき著作権

製造業の社員は、特許権や意匠権だけではなく著作権にも注意が必要です。著作権は文学や音楽などが対象と考えられがちですが、実はプログラムなども著作権の対象となる著作物としてあつかわれています。

他には、技術論文なども著作物になるため、参考にした文章を公表する場合などは、その取り扱いに注意が必要です。ただし、すべての場合で許可をとる必要があるわけではなく、以下のように一定の条件を満たせば許可を得なくても使用できる場合があります。

  • 引用する対象は公表された著作物である
  • 引用をする正当な必要性がある
  • 引用元との主従関係が明確に示している
  • カギカッコなどで、引用部分を明示している
  • 引用部分の内容は変更していない
  • 引用する範囲は必要最小限にしている
  • 引用元の著作者の意図に反したり、名誉を傷つけたりしていない
  • 引用部分に注をつけ、著作者名、書名、ページなど出典を明示している

さらに細かいルールについては、一度、著作権を管理している文化庁のホームページを確認しておくといいでしょう。
もしこれらの条件を満たさず、さらに許可を得ずに使用してしまった場合は、転載としてあつかわれトラブルにつながってしまうでしょう。賠償費用の負担だけではなく、会社としての評判が悪化してしまうこともあります。

まとめ

知的財産権や著作権は、知らなかったでは済まされない重要な権利です。新製品を開発したり、論文を書いたりするときには、必ず他者の権利を侵害していないか確認をしましょう。これらの権利に抵触してしまうと、罰金や補償金が発生するだけでなく、会社の評判を落としてしまう可能性もあります。

知的財産権や著作権の内容を詳しく確認したことはないかもしれませんが、一度確認しておくと仕事をする中で役立つことがあるでしょう。

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