透明樹脂プレートでいつも同じ材質を選んでいませんか？代表的な材質の特徴を比較・解説

飛沫防止パーテーションなどで目にする機会が増えた「透明樹脂プレート」。実は材質の種類によって、特徴が異なります。利用シーンや特徴に合わせて使い分けることで、製品自体の弱点を補ったり、コストを抑えることに繋がるかもしれません。ぜひ今後の選定にお役立てください。

透明樹脂プレートで使われる代表的な4材質を徹底比較

「透明樹脂プレート」としてよく利用される材質の中から、今回はポピュラーな「PET」「アクリル」「ポリカーボネート」「塩ビ」の4種について、それぞれの特徴と利用シーンをご紹介します。

4材質の特徴を、下の比較表でまとめました。
各材質名をクリックすると、お勧めの利用シーンや注意点もご覧いただけます。

材質名	透明度	低コスト	耐衝撃性	耐熱性	耐薬品性	難燃性	耐候性
(1)PET	〇	◎	〇	△	〇	〇	△
(2)アクリル	◎	〇	△	〇	△	△	〇
(3)ポリカーボネート	〇	△	◎	◎	△	〇	〇
(4)塩ビ	△	◎	△	△	◎	◎	〇

一覧にある◎〇△は、紹介した4材質の中で比較した参考値です。

• 透明度・・・曇りのなさ
• 耐薬品性・・・各薬品に対する耐久性（※2）
• 低コスト・・・材料コストの低さ
• 難燃性・・・燃えにくさ
• 耐衝撃性・・・外部から受けた衝撃に対する強度
• 耐候性・・・屋外の自然環境（太陽光（紫外線）、気温変化、雨水、オゾン）に対する耐久性
• 耐熱性・・・高温環境に対する耐久性（※1）

※1：「長期的耐熱性」と「短期的耐熱性」のうち、今回は「長期的耐熱性」の指標である連続使用温度を元に分類しています。
※2：酸、アルカリ、有機溶剤、酸化剤、塩類などと大別されますが、今回は有機溶剤を除く総合的な観点で分類しています。

「透明度」と「耐熱性」をさらに詳しく！

材質比較や選定の際に重要となる「透明度」と「耐熱性」について、よく利用される「全光線透過率(※1) 」と「使用雰囲気温度(※2) 」の参考値を以下の表にまとめました。

レーザーの利用や遮光が必要なシーンで「どのくらいの光を通すのかを確認したい」場合や、製品を使用する環境の温度変化が大きい等で「耐熱温度だけではなく、使用環境の温度領域の確認をしたい」場合にお役立てください。

※1 全光線透過率：入射した全ての光を100％としたときに、対象物を通過した際に何パーセントに変化するかの値
※2 使用雰囲気温度：使用する際に想定される周囲の温度の上限と下限の設定値

材質名	透明度 全光線透過率(※1)	耐熱性 使用雰囲気温度(※2)
(1)PET	87%	-15～55℃
(2)アクリル	93%	-40～65℃
(3)ポリカーボネート	89%	-40～120℃
(4)塩ビ	83%	-10～60℃

・数値は保証値ではなく参考値になります。
・全光線透過率はmeviyのスタンダードグレード/透明色の値になります。

「透明樹脂」材質の比較例

主に比較されやすい特性を軸とした、各材質の比較表です。設計の際に重視するポイントを元に、材質選定の際の切り分けや選定補助として参考にしてみてください。

※ポリカ・・・ポリカーボネート

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※掲載情報は2021年3月時点のものです。

(1)PET

透明度	低コスト	耐衝撃性	耐熱性	耐薬品性	難燃性	耐候性
〇	◎	〇	△	〇	〇	△

■特徴

• 低コスト
• ガラスに匹敵する透明度
• アクリル比4倍の耐衝撃性
• 燃焼しても有毒ガスが発生せず環境にやさしい

■日常生活で利用されている箇所

• PETボトル（透明度の特性を利用）
• 卵パック、写真フィルム（低コストの特性を利用）

■お勧めの利用シーン・部品例

• 量産装置の安全カバー/のぞき窓（低コストの特性を利用）

■注意点やデメリット

• 連続使用温度（耐熱性）が低い
• 硬度が低く、傷つきやすい
• 経年変化で変色有り

(2)アクリル

透明度	低コスト	耐衝撃性	耐熱性	耐薬品性	難燃性	耐候性
◎	〇	△	〇	△	△	〇

■特徴

• ガラスよりも高い透明度
• 硬度が高いため傷がつきにくい
• 耐候性が高い
• 熱曲げや接着等、加工がしやすい
• 着色が可能で、透明ではなく色付きのものもあり

■日常生活で利用されている箇所

• 水槽（透明度、加工性の特性を利用）
• 看板・サイン（透明度、耐候性の特性を利用）
• 店舗ディスプレイ（透明度の特性を利用）

■お勧めの利用シーン・部品例

• 美観を重要視する装置の安全カバー/のぞき窓（透明度の特性を利用）
• ディスプレイ

■注意点やデメリット

• 耐衝撃性が他の3材質に比べると低い（ガラスよりは高い）
• 可燃性がある

(3)ポリカーボネート

透明度	低コスト	耐衝撃性	耐熱性	耐薬品性	難燃性	耐候性
〇	△	◎	◎	△	〇	〇

■特徴

• アクリル比40倍の耐衝撃性
  （ハンマーで叩いても割れない、透明樹脂の中で最高の耐衝撃性）
• 耐熱/耐寒性が高い
• ガラスに匹敵する透明度
• 耐候性が高い
• 火源がなくなると、自ら消化する自己消火性を有する

■日常生活で利用されている箇所

• テラスの屋根材（耐候性の特性を利用）
• 防護メガネ、防弾ガラス（耐衝撃性の特性を利用）

■お勧めの利用シーン・部品例

• ワークが外に向かって飛び出してくる可能性のある装置の安全カバー（耐衝撃性の特性を利用）
• 高温環境で使用される装置の安全カバー（耐熱性の特性を利用）

■注意点やデメリット

• コストが他材質と比較して高くなる場合がある
• アルカリ系の薬品に浸食されやすい

(4)塩ビ

透明度	低コスト	耐衝撃性	耐熱性	耐薬品性	難燃性	耐候性
△	◎	△	△	◎	◎	〇

■特徴

• 耐薬品性が高く、薬液を用いる装置で使用されることが多い
• 難燃性が高い
• 低コスト
• 耐候性が高い
• 硬質と軟質がある（※）
• 他の3材質に比べ、青みががっている

※meviy 板金部品の平板の塩ビはすべて硬質を利用

■日常生活で利用されている箇所

• 水道管、雨どい（対薬品性、対候性の特性を利用）　どちらも硬質塩ビ

■お勧めの利用シーン・部品例

• 半導体製造装置などの安全カバー/のぞき窓（耐薬品性の特性を利用）

■注意点やデメリット

• 耐薬品性は高いが、有機溶剤には弱い

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meviyで見積もり可能な全14種

meviyでは、材質・グレード・色の組み合わせで最大14種から選択が可能です。

【制電】
・帯電防止効果を有します
・電子機器の周辺や粉じんを嫌うクリーン環境にお勧めです

【ブラウンスモーク】
・透明色に比べ、透過率を抑えてあります
・装置内部の配線を見えにくくしたい際などにお勧めです
※塩ビは透明のみ

透明樹脂プレートの見積もり条件

1. 「 板金部品」サービスを選択。
2. 形状：「 平板 」に対応。
3. 板厚：「 3mm 」または「 5mm 」が対象。

上記1～3を満たした場合に材質プルダウンに透明樹脂の選択項目が表示されます。

材質の選択方法

「材質」の項目をクリックしたら表示されるプルダウンから、それぞれ選択ができます。
「見積を確定する」をクリック（型番発行）すると、表面処理、材質の選択ができなくなりますのでご注意ください。

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今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひ試してみてください。

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