射出成形加工樹脂加工

金型の管理に必要。型番、ロットマークとは

プラスチック製品の多くは、金型を利用した射出成形によって作られています。射出成形は同じ形状のものを大量に作るのに適していますが、ここで作られる樹脂製品の品質を維持するためには金型の管理が欠かせません。ここでは、その金型の管理について紹介します。

金型は管理やメンテナンスが必要

射出成形では、金属を彫った金型に樹脂を圧力をかけながら流し込みます。金型は射出成形の熱や圧力に耐えられるよう、丈夫な金属で作られています。しかしやはり長く使っていると、さまざまな場所が痛んできます。金型が劣化する原因には、使用劣化と自然劣化、それから災害劣化があります。
使用劣化とは金型を稼働させることで発生する劣化で、次のようなケースが挙げられます。

  • ピンやスライドなどの金型部品が稼働することによる摺動部の摩耗
  • 繰り返しの動作による、金属疲労
  • 成形する樹脂との摩擦による摩耗
  • 加熱された樹脂から発生するガスによる腐食

自然劣化は、さびやほこりによる汚れなどをいいます。また水害により金型が水没したり、地震で金型が落下したりするようなケースを災害劣化といいます。
金型の劣化を放置すると、成形品にバリが発生したり形状が変化するなどの不良につながります。また最悪の場合には金型が破損してしまう場合もあります。このような問題を防ぐため、金型には定期的な点検・メンテナンスといった管理が必要です。また金型の点検やメンテナンスは、製品の品質管理という視点からも欠かすことができません。
金型の点検では、金型そのものを測定したり、金型を使って成形された部品の測定などを行ったり、金型を分解して中の状況を確認したりします。
次に、この金型管理に必要な「型番」と「ロットマーク」について説明します。

金型管理や品質管理に欠かせない「型番」

型番とは、部品がどの金型、どの位置で作られているかを示すマークです。
射出成形で小さな部品を作る際、より効率的に作るために、1つの金型から同じ部品を2個以上作れるようにする場合あります。樹脂の通り道が金型の中で枝分かれし、その先にそれぞれ同じ形状の部品を作る空洞になっているのです。このような場合、金型を管理するためには、その部品が金型内のどの位置でつくられたものか判別できるようにしなければいけません。なぜなら、同じように作ったはずの形状でも、微妙な誤差などから少しずつ条件が変わり、場所によってバリなどの不具合が出る場所と、そうではない場所などが発生するからです。
また大きな部品などの場合には、1種類の部品を複数の金型で製造する場合もあります。このような場合にも、その部品がどの金型で作られたものか知る必要があります。
さらに、金型管理のために成形した部品の寸法を測定する場合なども、その部品がどの場所から出てきたものかが分からなければ、金型の状態を正しく知ることができません。
このような場合に活躍するのが「型番」です。型番ではその部品が金型内のどの部分でその部品が作られたかが判別できます。型番は、製品になったときに見えにくいよう、コア側の一部に数字やアルファベットの刻印をするのが一般的です。小さすぎる部品で文字を刻印しにくい場合には、点を複数個打ち、その数によって型番を割り振ることもあります。

作った時期を示す「ロットマーク」

ロットマークとは、作られた時期がわかるよう樹脂部品に付けられたマークで「デートマーク」とも呼ばれます。
金型の管理をしたり成形した部品の品質管理を行う上では、部品が作られた時期を把握するのも重要です。例えば成形時には気づかなかった不良に出荷後に気づいた場合、その不良がいつから始まっているのかを調べたり、不良品を回収する範囲を決めたりする必要があるからです。そこで樹脂部品に、それが作られた時期が分かるようなマークをつけます。これを「ロットマーク」または「デートマーク」といいます。
ロットマークは金型のキャビティ側に入れ子を入れて刻印するのが一般的です。入れ子にしておけば、月の変わり目などに入れ子の部分を入れ替えたり、軽い調整を加えるだけで刻印の内容を変えられるからです。ロットマークは、時計のように円周状に並んだ数字と矢印で表示されるのが一般的でしたが、近年ではQRコードを刻印するケースなども出てきています。ロットマークも型番と同じように、組み立てられたときに内側になる部分や、製品の裏側など、見えにくい場所に刻印されています。
またロットマークは、必ずしも全ての部品に刻印されているわけではありません。製品としての製造時期から部品の製造時期が追いやすい場合などもあるためです。

まとめ

樹脂部品の品質を維持するためにも、金型を正しく管理して定期的なメンテナンスを行う必要があります。樹脂部品に刻印される「型番」や「ロットマーク」は、金型管理と部品の品質管理を行うために、とても大切な情報なのです。

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