アルミニウムとは。特徴や使用する時の注意点について解説します。

アルミニウムは非鉄金属としては最も一般的な材料です。鉄系の金属材料にはない、さまざまな特徴があり、広く用いられています。製品設計をする際にはこの特徴をよく理解し、適切な材種、加工法、熱処理などを選ぶことが必要です。今回はアルミニウムの性質と種類について解説していきます。

アルミニウムとは。特徴や使用する時の注意点について解説します。

アルミニウムの特徴

アルミニウムの特徴

アルミニウムには次のような性質があります。

  • 軽くて強い
    鋼材の比重は7.9ほどですが、アルミニウムの比重は2.7ほどで、鋼材の約3分の1の重量しかありません。一方で強度は、一般構造用鋼材の70%程度です。このため、アルミニウムは比強度(重量あたりの強度)の高い材料なのです。

  • 錆びにくい
    アルミニウムは表面がとても薄い酸化皮膜で常に覆われる性質を持っています。これが保護層のように働き酸化皮膜以上の深さには腐食が進みにくくなります。そのため防錆塗装やめっきの必要がありません。

  • 加工しやすい
    アルミニウムは降伏点が低く、また延びもいいことから塑性加工に向いている材料です。融点が低く湯流れもいいため、鋳造にも適しています。さらに切削加工もしやすく、溶接も可能です。

  • 熱や電気をよく伝える
    アルミニウムは熱伝導率が高い素材です。このため、エアコンやエンジン冷却水用のラジエータなどに使われます。また電気もよく通し、重量も軽いことから、送電線材料としても使われます。

アルミニウムの注意点

アルミニウムの注意点

多くの優れた特徴をもったアルミニウムですが、注意点もあります。

  • 強度が低い
    アルミニウムは比強度に優れていますが、やはり鉄鋼材料に比べると強度が低くなります。飛行機の翼のように、やわらかくしなる構造物には向いていますが、歯車のように強度を求める部品には向いていません。

  • 条件によっては腐食が発生する
    錆びにくいアルミニウムですが、塩気が多い環境や異種金属との接触により腐食する場合があります。そのため、腐食を避ける場合には、アルマイト処理を行ったりします。

  • 線膨張係数が大きい
    アルミニウムの線膨張係数は鉄系材料の2倍近くあります。そのため、大きな熱応力が発生し、加熱と冷却が繰り返される部品では、熱疲労による破損が発生する可能性があります。

  • 疲労限がない
    鉄系材料の場合、一般的に金属疲労が起こらない下限の応力である疲労限があります。つまり疲労限以下の変動負荷しか発生しない設計にすれば、理論上永久的に使用できます。しかしアルミニウムではこの疲労限がないため、設計時には使用中に発生する変動応力とSN線図などを比較し、想定される製品寿命で亀裂進展が起きても強度上問題がないか確認が必要です。

アルミニウムの代表的な種類と特徴

アルミニウムの代表的な種類と特徴

アルミニウム材は、展伸用合金と鋳物用合金に大別されます。展伸用合金とは、塑性変形を利用して加工するための材料です。一方で鋳物用合金は、名前の通り、鋳造に使われるアルミニウムになります。

展伸用合金

  • A1050
    純アルミニウム系として代表的な材種です。強度は低いですが加工性・耐食性に優れ装飾品や送電線などに使われます。

  • A2017
    ジュラルミンとよばれる材種です。耐食性は低いですが高い強度が得られるため、航空機や自動車、機械部品などに使用されています。

  • A2024
    超ジュラルミンとよばれる材種です。A2017よりも高い強度が得られます。

  • A5052
    耐食性・加工性・溶接性に優れ、最も流通量の多いアルミニウム合金です。フレーム材や板金部品などに使用されています。

  • A6061
    耐食性に優れたアルミニウム合金です。T6処理という熱処理によって、さらに高い耐食性をもつようになります。

  • A6063
    耐食性、表面処理性に優れ、押出製品に最も使用されているアルミニウム合金です。アルミサッシや電材などに使用されています。

  • A7075
    超々ジュラルミンとよばれる材種で、アルミニウム合金中最大の強度が得られます。戦前、日本が世界に先駆けて開発したことで零戦に使用され、その優れた性能に大きく貢献しました。現在でも航空機用材料の代表として広く用いられています。

鋳物用合金

  • AC2B
    鋳造性に優れ一般的なアルミニウム鋳造合金として使用されます。エンジンのシリンダヘッドやバルブボディなどに使用されています。

  • AC4C
    鋳造性に加え耐食性、機械的性質にも優れた合金です。ミッションケースやコンプレッサケーシングなどに使用されています。

  • ACD10
    ダイカストに適した材料で鋳造性・切削性・機械的性質に優れ、広く使われています。エンジンのシリンダブロックなどに使用されています。

まとめ

アルミニウムは数多くの優れた特徴を持った材料です。特にその高い比強度によるメリットは大きく、今後も幅広い製品に使われ続けるでしょう。特徴をよく理解し、効果的に使ってみてください。

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