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納期遵守率99.8%の理由とは?「ミスミ・プロトラブズ共催オンライン工場見学」レポート

2021年3月16日(火)、株式会社ミスミとプロトラブズ合同会社の共催で「meviy ラピッドプロトタイピング活用術セミナー」がオンラインで開催されました。内容は1月22日(金)に行われたセミナーの“パワーアップ版”です。

当日は3部構成で、第1部はmeviy ラピッドプロトタイピング活用術講座、第2部はオンライン工場見学と品質管理・サポート体制の説明、第3部では質疑応答が行われました。

この記事では、セミナーから第2部と第3部の模様を抜粋して紹介いたします。これを読めば、セミナーに参加できなかった方も「どうやって加工しているの?」「品質管理やサポート体制はどうなっているの?」といった疑問を解消できるはず。工場内部の様子や製造体制とともに、質疑応答の詳細もお伝えします。

納期遵守率99.8% デジタルものづくりを支える品質管理とサポート体制

まず、プロトラブズ合同会社 企画・開発部の横田哲哉さんから、工場の概要について説明がありました。

▲プロトラブズ合同会社 企画・開発部 横田哲哉さん

 

神奈川県座間市に日本法人本社を置くプロトラブズ合同会社は、射出成形と切削加工により、試作や小ロット生産をオンデマンドで受諾製造するデジタルものづくりメーカーです。

 

プロトラブズ・座間本社工場の概要は下記のとおり。

・社員数  100名(2020年末現在)
・マシニングセンター  41台
・旋盤加工機  3台
・射出成形機  13台
・金型加工キャパシティ  年間1,500型
・切削加工キャパシティ  年間 60,000個
・納期遵守率(2020年実績)  99.8%
・面積  9,000㎡、免震、工場用換気、冷暖房完備
・体制  3シフト、24時間
・ISO認証取得(2017年)  ISO 9001、ISO 14001、ISO 27001

 

プロトラブズ合同会社は短納期対応も特徴で、2020年度の納期遵守率はなんと驚異の99.8%を誇ります。この数値の秘訣は、作業プロセスの標準化や、自動化を推進したデジタルものづくりに理由があります。

 

動画で「オンライン工場見学」

続いて、工場内部の紹介、および製造体制について動画で説明がありました。以下、動画より抜粋してご紹介します。

 

●見積依頼から発注
meviy ラピッドプロトタイピングより3D CADだけで手続きが可能になっています。

 

●発注依頼
プロトラブズにデータが転送されます。

 

●発注処理
基幹システムに登録、製造工程へ作業指示を行います。

 

●製造指示
基幹システムの作業指示に従い、製造を開始します。

 

●材料ストック
樹脂・軟質金属・硬質金属30種類以上を取り揃えています。

 

●加工準備
指定の材料をセットし、加工を開始します。

 

●切削加工開始
3軸のマシニングセンターにて自動加工を行います。

 

●旋盤加工
シリンダ形状のパーツは旋盤加工機で作業します。

 

●製造体制
工場は24時間体制で稼働しています。

 

●メンテナンス
定期的にツールをチェックしています。

 

●仕上げ工程
フィニッシングは手作業で行います。

 

●表面処理
指定のパーツをブラスト処理します。

 

●出荷検査
外観検査、寸法測定を行います。

 

●出荷
受注から最短翌日に出荷しています。

 

工場責任者が語る、プロトラブズのものづくりの取り組み

工場の製造責任者・二本木達哉さんから、工場の生産体制について説明がありました。

 

▲製造責任者・二本木達哉さん

 

――工場の広さはどれくらいなのですか?

全体の広さは、サッカー場のグラウンドを想像してください。各サービスの導線を考慮し、エンジニアリング部など関連部署とスピーディーに連絡を取れるようレイアウトされています。

 

――工場では、何人くらいの従業員が働いているのですか?

製造部門のほかに、調達、メンテナンス、ロジスティクスを含め、約55名の従業員が勤務しています。

 

――冒頭の説明で「社員数 100名」とのことでしたが、直接部門の人数が少ないのでは?

確かにそう思われるかもしれません。理由としては、作業プロセスの標準化や、自動化を推進し、少人数でも行えるデジタルものづくりに取り組んでいることが挙げられます。

 

――工場の稼働時間を教えてください。

週末は1シフトですが、平日は3シフト、24時間で稼働しています。

 

――昨年の納期遵守率は99.8%とのことでした。短納期対応で、かつ、この数字を達成できる要因は何ですか?

独自開発の基幹システムによる、デジタルものづくりへの取り組みが挙げられます。従来の手法ですと、案件ごとに「見積もり→関連部門とのやり取り→注文→日程の調整→図面→作業指示書に基づいて各工程での作業」といった流れで作業をしていたと思います。

一方、当社の場合は、見積もりから受注、製造、検査、出荷までのプロセスを標準化・自動化しています。そのため、需要の変動に対応して常に安定した生産ができるのです。

 

――働いているみなさんは、経験者が多いのでしょうか?

前職で切削加工などを専門的にやってきたメンバーはいますが、全員がそうではありません。当社は標準化・自動化を積極的に推進しているため、経験のない人でも入社時にある程度のトレーニングを受けてもらうことで、第一線で活躍できるようになります。

 

――今まで工場見学をされた方から、どんな感想をいただいていますか?

今まで多くのお客様に工場見学をしていただいておりますが、「きれいな工場だ」「作業している人が少ない」といったコメントをよく頂きます。比較的人が多い日中のシフトでも、切削加工のオペレーター1人で約15台のマシンを担当していますので、そう感じられるのだと思います。

 

――これからプロトラブズのサービスを検討される方に対し、メッセージをお願いします。

インターネットショッピングと同じ要領で注文ができ、最短1日でプロトラブズから製品を出荷いたします。ぜひ1度、注文していただき、使い勝手の良さを体験してください。よろしくお願いします。

品質管理の体制は? 不具合への対応と改善活動

続いて、品質保証部の小島敬一郎さんから、品質管理や不具合対応に関する説明がありました。

 

▲品質保証部・小島敬一郎さん

 

――短納期対応で、かつ納期遵守率も常に高い生産体制ということですが、どのように品質を管理されているのでしょうか?

構成された計測機器を使用し、製品の出来栄え確認を行っています。品質管理で最も大切なことは、不具合品を作らないこと、および不具合品が生まれない工程づくりをすること。作業工程をきちんと見直し、その中で作業者が決められた作業を行っているかを確認することで、短納期でも十分な品質保証ができるよう努めています。

 

――ちなみに、2020年の不具合件数はどのくらいだったのでしょうか?

年間約6万パーツ出荷しておりますが、顧客不具合件数は10件以下となっております。

 

――顧客から不具合の報告があった場合、どのような対応をしているのでしょうか?

まず、お客様から不具合詳細の確認を行い、状況を把握し、工程内での問題発生の有無や生産履歴確認を行います。それと同時に、お客様からの要求や生産状況について把握し、いま何が必要かのアクションを徹底しています。

基本的には、受付当日にファーストフィードバックを行っています。暫定対策後、不具合区分が明確になった時点で、責任区分にて不具合対策書を発行します。報告書は、発生・流出ともに主因を分析し、対策実施・効果確認・水平展開まで行い終了となります。

 

 

――顧客の工場監査なども対応されているのですか?

はい、対応しております。ISOについては、品質・環境・情報の3つを取得しており、IoTを駆使した社内システムによる管理方法をご説明することで、お客様に安心していただいております。特にトレーサビリティに関しては、人ではなく社内システムによる管理となっており、入口から出口までしっかり履歴を把握しています。また、工程飛びがないよう、システム的に各工程前に「関所」を設けており、必要作業が確認されないと次へ進めません。品質に関するデータはシステム内へ記録保管となるため、作業者・結果は明確で、保管期間も半永久的です。

 

――社内で継続的改善活動などもやっているのでしょうか?

「プロトエクセレンス」という改善活動を、アメリカ本社含めグローバルに進めております。製造現場はもちろん、オフィス側も含め全社的に改善活動を進めており、部署を挙げての活動や個人レベルまで、良い提案がたくさん提出されています。昨年は約300件の改善提案が提出されました。内容は品質改善だけでなく、工程改善、付加価値向上などもあり、社内活性化に繋がっています。

 

――これからプロトラブズのサービスを検討される方に対し、メッセージをお願いします。

品質保証された工程にて製造された製品を供給いたします。短納期であっても、品質は全く問題ありませんので、安心してご利用いただければと思います。どうぞよろしくお願い致します。

 

質疑応答

最後に、セミナー参加者からの質問に対し回答する「質疑応答」コーナーがありました。質問内容およびプロトラブズ・横田さんの回答をご紹介します。

 

――先ほどの工場見学の中で、パーツを測定しているシーンがありました。どのような出荷検査をされているのでしょうか?

各パーツについては出荷前に検査をし、寸法の測定と外観のチェックを行っています。これらは社内規定に基づいて実施しており、寸法測定はノギス、マイクロメーター、ピンゲージを使用しています。短納期とはいえ、無検査で出荷することはないのでご安心ください。

また当社工場の特徴として、3Dデータから自動で加工パスを作るため、 NCの手入力による人為的な間違いをゼロにできます。それゆえ、不具合の発生頻度が極めて低くなっているのです。

 

――さまざまな形状の依頼があると思いますが、切削方法、条件、段取りはシステムで決められているのでしょうか?

どのような加工をすれば、お客様が求めるものに対して最適な製品をご提供できるのか、ソフトウェアの中で解析しています。たとえば、見積もり段階でどのような材料にするか選択する仕組みになっていますが、それに応じて使うツールセット、ツールパスの分析を行います。またツールの径や長さも、扱う材料によって使い分けをしています。

いかに忠実に形状を再現するか、さらに短納期・低コストも考慮しバランスよく製造するにはどうすればいいか。それらをシステムおよびソフトウェアを使って計算し、実行しています。あらゆる工程をシステム化している点は、他の加工屋さんとプロトラブズが大きく違うところであり、短納期を実現できる理由にもなっています。

 

――刃物の消耗問題について、交換はどのように行っていますか?

加工時間を一つの基準として、ツールの状況を定期的にチェックしています。過去の経験をベースにしながら、マシンの履歴と人によるデジタルとアナログ、両輪のチェックを行い、安定した品質と納期遅延ゼロを心がけております。

 

以上、プロトラブズ・オンライン工場見学の模様と、質疑応答の内容をお伝えしました。短納期の理由や品質管理、サポート体制など、「デジタルものづくり」の取り組みについてご理解いただけたかと思います。

本セミナー内容だけでなく、発注方法や製造工程について不明点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

執筆:村中 貴士 編集:ノオト

 

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