金属・樹脂の材料 ものづくり基礎知識

エラストマーの種類と選び方|ゴム・樹脂との違いから部品製作まで解説

ゴムのように伸び縮みし、力を抜くと元の形に戻る弾性をもつ材料の総称が「エラストマー」です。パッキンやダンパー、ローラー、ロボットハンドの緩衝材など、機械設計の現場でエラストマーが必要になる場面は少なくありません。

一方で、金属やエンジニアリング・プラスチック(エンプラ)に比べると、エラストマーは設計者にとって少し扱いにくい材料でもあります。硬度の指定方法が独特で、公差の考え方も金属とは違い、材料の種類も「ゴム」「TPE」「ウレタン」「シリコーン」と呼び名が入り混じっているためです。

この記事では、曖昧になりがちなエラストマーの定義と分類をJISの規格をもとに整理します。さらに、設計者が実際に材料を選び、部品を手配するまでに必要な知識も解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

エラストマー

エラストマーとは

エラストマー(elastomer)とは、弱い力で変形し、力を取り除くとすばやくほぼ元の形状・寸法に戻る高分子材料の総称です。JIS K 6200(ゴム-用語)でも、およそこの趣旨で定義されています。語源は「elastic(弾性)」と「polymer(重合体)」の組み合わせとされ、日本語では「弾性体」と表現されることもあります。

設計時に押さえておきたいポイントは、エラストマーが特定の材料名ではなく、性質でくくったカテゴリ名だという点です。天然ゴムもシリコーンゴムもウレタンゴムも、そしていわゆる「TPE」もすべてエラストマーに含まれます。

「エラストマー」「ゴム」「樹脂」の関係を整理する

現場では次のように言葉が混ざりがちなので、先に整理しておきます。

呼び方 この記事での意味
エラストマー ゴム弾性をもつ高分子材料の総称。ゴムもTPEも含む
ゴム(加硫ゴム) 架橋(加硫)によって弾性を固定した、熱で再成形できないエラストマー。熱硬化性エラストマーに相当
熱可塑性エラストマー(TPE) 常温ではゴムのような弾性をもち、加熱すれば可塑化して再成形できるエラストマー
樹脂(プラスチック) 一般には硬く、ゴム弾性を主目的としない高分子材料。TPEは「ゴムのように使える樹脂」という中間的な位置づけ

なお実務では、「エラストマー」という言葉が狭い意味で熱可塑性エラストマー(TPE)だけを指して使われることもよくあります。材料メーカーや加工会社とやり取りをするときは、どちらの意味で使っているかを最初に合わせておきましょう。

樹脂材料全般の位置づけを整理したい場合は、あわせてプラスチック加工(樹脂加工)とは?種類・加工方法・選び方をわかりやすく解説もご覧ください。

エラストマーはなぜ伸びて元に戻るのか

エラストマーの弾性を理解しておくと、材料選定でのつまずき(特に耐熱性やリサイクル性の判断)がぐっと減ります。仕組みは大きく「化学架橋」と「物理架橋」の2つに分かれます。

長い分子鎖が絡み合っているだけでは、力を加えたときに分子どうしが滑ってしまい、変形が元に戻りません。そこで分子鎖同士を化学結合でつなぎ、三次元の網目構造をつくります。この工程が架橋であり、硫黄などを用いて架橋させる代表的な処理工程が加硫です。

架橋された分子鎖は引っ張られても「つなぎ目」から離れられないため、力を抜くと元の形に戻ります。ただし網目構造は熱で解けないため、一度成形した加硫ゴムは溶かして再成形できません。これが熱硬化性と呼ばれる理由です。

TPEは、硬い部分(ハードセグメント)と柔らかい部分(ソフトセグメント)を1つの分子のなかに、あるいは1つの材料系のなかに共存させています。常温ではハードセグメントが集まって微細な「疑似架橋点」として働き、ソフトセグメントがゴム弾性を担います。

温度を上げるとハードセグメントが軟化・溶融して疑似架橋が解けるため、射出成形や押出成形ができ、材料のリサイクルも可能です。JIS K 6418でも、TPEは「使用温度では加硫ゴムに似た性質をもつが、高温では熱可塑性樹脂と同様に成形又は再成形することができるポリマーまたはポリマーブレンドからなる熱可塑性エラストマー」と定義されています。

エラストマーの2大分類:熱硬化性エラストマー(ゴム)と熱可塑性エラストマー(TPE)

エラストマーは、架橋の構造や加熱時の挙動によって「熱硬化性エラストマー(加硫ゴム・熱硬化性ウレタンなど)」と「熱可塑性エラストマー(TPE)」の2つに大別されます。

両者の違いを、設計者が気にする観点でまとめました。

観点 熱硬化性エラストマー(加硫ゴム) 熱可塑性エラストマー(TPE)
弾性の仕組み 化学架橋(加硫) ハード/ソフトセグメントの相分離による物理架橋
成形方法 圧縮成形、トランスファー成形、射出成形(加硫工程あり) 射出成形、押出成形など熱可塑性樹脂と同じ設備が使える
成形サイクル 架橋・ 加硫時間が必要で長くなりやすい 比較的短い
再成形・リサイクル 不可 可能
耐熱性・高温での耐久性 一般に有利(種類による) 一般に不利になりやすい
圧縮永久ひずみ(シール保持力) 一般に有利 種類・温度によって不利になりやすい
軽さ・着色性 配合により異なる 比重が小さく着色しやすい傾向
代表例 NR、NBR、EPDM、CR、シリコーンゴム、フッ素ゴム、熱硬化性ウレタンゴム TPS、TPO、TPU、TPC、TPA、TPV

ざっくりとした使い分けの目安は以下の通りです。

  • 熱硬化性エラストマー(ゴム等):高温環境、長期間の密封性(圧縮永久ひずみの小ささ)や過酷な環境での耐久性が求められる場合
  • 熱可塑性エラストマー(TPE):量産サイクル重視、軽量化、複雑形状、他樹脂との一体成形(インサート・2色成形)を重視する場合

補足:どちらでも成立する場面は多い

実際の設計では「ゴムでもTPEでも要求を満たせる」ケースが少なくありません。その場合は、年間数量と金型費を含めた総コスト、そして調達リードタイムが判断の分かれ目になります。試作段階だけなら、金型を使わない削り出しで形状を確認してから量産工法を決める、という進め方も現実的です。

熱可塑性エラストマー(TPE)の種類:JIS K 6418の7分類

TPEは商品名や俗称が多く、同じ材料が別名で呼ばれていることがあります。そこで基準になるのが JIS K 6418:2007「熱可塑性エラストマー-用語及び略号」(対応国際規格:ISO 18064)です。この規格では、接頭記号「TP」に分類記号を続ける形で、TPEを7つに分類しています。

分類記号 名称 構造の概要(規格の分類に基づく) 設計での使われ方の例
TPA アミド系TPE ハードブロックがアミド結合、ソフトブロックがエーテルおよび/またはエステル結合のブロック共重合体 繰り返し屈曲に強い部材、チューブ、スポーツ用品など
TPC エステル系TPE 主鎖のハードブロックがエステル結合、ソフトブロックがエーテルおよび/またはエステル結合 自動車部品、電気・電子部品、耐熱性と強度のバランス重視
TPO オレフィン系TPE ポリオレフィンと通常のゴムのブレンドで、ゴム相に架橋点がほとんどないもの 自動車内外装、軽量化部材
TPS スチレン系TPE 両端がポリスチレン(ハードブロック)、内部がポリジエンまたは水素化ポリジエン(ソフトブロック)の3ブロック以上の共重合体 グリップ、粘着・接着、軟質部材、ソフトタッチ部品
TPU ウレタン系TPE ハードブロックがウレタン結合、ソフトブロックがエーテル・エステル・カーボネート結合またはその混合 耐摩耗が要求されるローラー、ベルト、チューブ、保護部材
TPV 動的加硫系TPE(熱可塑性ゴム架橋体) 熱可塑性樹脂と通常のゴムのブレンドで、混練過程の動的加硫によりゴム相が架橋したもの 加硫ゴムに近い性能が求められるシール・ダクト類
TPZ その他のTPE 上記6分類に入らない組成・構造のもの (例:NBRとPVCのブレンドなど)

さらにJIS K 6418では、ソフトセグメントの結合様式などによる細分類記号も定められています。

  • TPU(ウレタン系)の例:ハードセグメントが芳香族で、ソフトセグメントがポリエステルなら「TPU-ARES」、ポリエーテルなら「TPU-ARET」と表記される。
  • TPV(動的加硫系)の例:ゴムと熱可塑性樹脂の組み合わせを「TPV-(EPDM+PP)」のように括弧書きで示す。

材料の問い合わせや検討資料では、商品名だけでなくこの略号を添えておくと、加工会社や材料メーカーとの認識合わせがスムーズです。

熱硬化性エラストマー(加硫ゴム)の代表的な種類

いわゆる「ゴム材料」も、エラストマーの重要な一群です。原料ゴムの略号はJIS K 6397(原料ゴム及びラテックスの略号、対応国際規格:ISO 1629)で定められています。設計現場でよく候補に挙がるものは以下のとおりです。

  • NR(天然ゴム):機械的強度と反発弾性に優れる。耐油性・耐候性は不利になりやすい
  • NBR(ニトリルゴム):耐油性に優れ、パッキンやオイルシールの定番
  • EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム):耐候性・耐オゾン性・耐水性に優れ、屋外や水回りに向く。鉱物油には不利
  • CR(クロロプレンゴム):耐候性・難燃性・耐油性のバランス型
  • シリコーンゴム:耐熱性・耐寒性・耐候性に優れ、使用温度範囲が広い。引裂強度や耐摩耗性は不利になりやすい
  • FKM(フッ素ゴム):耐熱性・耐薬品性に優れるが高価
  • ウレタンゴム(熱硬化性):耐摩耗性と機械的強度が高く、ローラーや治具の当たり部に多用される

これらの特性は「どの配合か」「どのグレードか」で大きく変わります。エラストマーは金属材料と違い、同じ材料名でも配合や添加剤によって物性が幅をもつのが普通です。最終的な物性値はメーカーのカタログ・データシートで確認するのが原則と考えてください。

ウレタン系については、フォームと非フォームの違いやエーテル系・エステル系の使い分けをウレタンとは?特徴・種類・用途、類似素材との違いを解説で詳しく解説しています。

設計者がエラストマーを選ぶときの6つの軸

金属設計者がエラストマーの選定で失敗する原因の多くは、「硬度(柔らかさ)だけで決めてしまったこと」と「公差の認識ズレ」にあります。次の6つの軸を順に確認すれば、手戻りやトラブルを削減可能です。

1. 硬度(ショア硬度/デュロメータ硬さ)

エラストマーの硬さは、押針を押し込んだ深さから求めるデュロメータ硬さで表します。試験方法は JIS K 6253-3(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-硬さの求め方-第3部:デュロメータ硬さ) に規定されており、一般的な中硬さ用のタイプA、高硬さ用のタイプD、低硬さ用のタイプEなどの種類があります。慣習的に「ショア硬度」「ショアA」と呼ばれることが多い指標です。

数値が大きいほど硬く、小さいほど柔らかくなります。感覚的な目安として、メビーでは次のような対比を示しています。

ショア硬度(タイプA) 身近なものの目安
A95 ゴルフボール
A90 野球の硬球
A70 軟球
A50 プラスチック消しゴム
A30 自転車のタイヤチューブ

※出典:メビー技術情報「【切削角物】ウレタンの自動見積もりを開始!」(参考値)

緩衝性やなじみを重視するなら低硬度側、形状保持や耐荷重を重視するなら高硬度側が基本です。なお硬度は「潰れにくさ」の目安にはなりますが、引張強度や耐摩耗性とは別の指標です。硬いほど丈夫、とは限りません。

2. 使用温度範囲

高温側だけでなく、低温側も要注意です。エラストマーはガラス転移温度を下回ると弾性を失って硬くなり、シール性が急に落ちることがあります。冷凍環境や屋外の冬季条件がある場合は、低温での硬化・脆化を必ず確認しましょう。

具体的な上限・下限温度は材料グレードごとに差が大きいため、数値はデータシートを参照してください。

3. 接触する液体・薬品への耐性

「耐油性」はNBRやエステル系ウレタンが有利、「耐水性・耐加水分解性」はEPDMやエーテル系ウレタンが有利というように、同じ材料系でも化学組成によって得意分野が正反対になることがあります。

たとえばウレタンでは、エステル系は機械的強度や耐油性で有利な一方、水や空気中の水分によって加水分解を起こし劣化しやすいのが弱点です。エーテル系は耐加水分解性・耐水性に優れます。洗浄液のかかる装置部品や、湿度の高い環境で使う部品では、この差が寿命を左右します。

4. 圧縮永久ひずみ・クリープ・応力緩和

パッキンやシールでは、「最初に潰れること」より「潰れた状態を保ち続けること」が重要です。長時間圧縮されたエラストマーは元に戻りきらなくなり(圧縮永久ひずみ)、面圧が低下して漏れの原因になります。

シール設計では、締め代(つぶし量)の設定、溝の断面積に対する充填率、想定使用温度での劣化を合わせて検討してください。一般に加硫ゴムのほうがこの特性で有利になりやすく、高温・長期の圧縮保持が必要な用途ではゴムが選ばれる傾向があります。

5. 摩耗・摩擦の条件

摩耗といっても、滑りながら擦れる「滑り摩耗」と、繰り返し衝突する「衝突摩耗」では有利な材料が変わります。ウレタンの例では、エステル系が滑り摩耗に強く、エーテル系が衝突摩耗と反発弾性で優位という整理がされています。搬送ローラーなのか、ストッパーなのかで選定が変わる、ということです。

6. 精度・公差の要求

ここが金属設計者にとって一番の落とし穴です。エラストマーは弾性体であるため、金属や硬質樹脂と同じ寸法公差・幾何公差の考え方は成立しません。測定時の押し当て圧でも寸法が変わります。

そのため、ゴム部品には専用の一般公差が用いられ、メビーのウレタン加工では、寸法公差の保証値としてゴム一般公差中級(VDI 2005 2級 相当)が採用されており、幾何公差は保証対象外とされています。

寸法帯(mm) (金属・硬質樹脂の例) ゴム一般公差中級(VDI 2005 2級 相当)
3超6以下 ±0.1 ±0.4
18超30以下 ±0.2 ±0.8
30超50以下 ±0.3 ±1.0
120超180以下 ±0.5 ±1.6
400超500以下 ±0.8 ±3.5

※出典:メビー技術情報「ウレタンの規格・品質基準」「【切削角物】ウレタンの自動見積もりを開始!」より抜粋・再構成

表の通り、ゴムの一般公差はJIS中級の金属部品に比べておよそ3〜4倍程度緩く設定されています。

設計上の意味はシンプルです。エラストマー部品で位置決め精度を出そうとしないこと。位置決めは金属側の部品で受け持たせ、エラストマー側には緩衝・シール・保護といった機能を担わせる。この役割分担が、手戻りを防ぐいちばんの近道です。

公差の基本を復習したい場合は一般公差とは?寸法公差・幾何公差・はめあい公差の違い、JIS等級・許容差一覧が参考になります。

エラストマー部品のおもな加工方法

エラストマー部品は、「どの工法で作るか」で最小ロット・コスト構造・実現できる形状が大きく変わります。

加工方法 金型 向くロット 特徴
射出成形 必要 中〜大ロット TPEの主力工法。複雑形状や他部品との一体成形に対応。金型費が初期負担
押出成形 必要(口金) 中〜大ロット チューブ、ホース、パッキン用長尺材など断面が一定の形状
圧縮成形・トランスファー成形(加硫成形) 必要 小〜中ロット 加硫ゴムの代表工法。Oリングやガスケットなど
注型(ウレタン注型など) 簡易型が必要 試作〜小ロット シリコーン型などを用いて数個〜数十個を製作。量産材に近い物性のグレードを選べる
切削加工 不要 1個〜小ロット 既製の板材・ブロック材から削り出す。金型不要で立ち上がりが速い
ウォータージェット加工 不要 1個〜小ロット 高圧水で切断。熱影響が少なく、柔らかい材料の切断に向く。切断面の粗さは切削より粗くなりやすい
3Dプリンタ 不要 試作 軟質材料に対応した方式もあり、形状検証に有効

注型の詳細は注型とは?加工方法の仕組み・特性から射出成形との違いまで徹底解説、3Dプリンタの方式比較は3Dプリンタ関連記事もあわせてご覧ください。

試作・治具用途では「削り出し」が有利になりやすい

装置部品や治具でエラストマーを使う場面は、多くの場合数量が1〜数十個の小ロットです。この領域では、高額な金型を用意する工法はコストも期間も見合いません。

そこで実用的なのが、板材・ブロック材からの切削加工やウォータージェット加工です。金型費がかからず、形状変更にも柔軟に対応できます。ロボットハンドの爪の当たり面、ワークの突き当て台、配管のシート状パッキン、ストッパーの緩衝材など、装置設計でよく出てくる形状はこの工法でカバーできます。

なお、エラストマーは弾性体であるため、切削では刃物に対して材料が逃げたり、変形したまま削れたりします。同じ形状でも金属より加工が難しく、対応できる加工会社が限られるのが実情です。この「作れる会社が少ない」という点が、エラストマー部品の納期が読みにくい原因になっています。

エラストマー部品の図面・3Dデータで注意したいこと

エラストマー特有の性質を考慮せず、金属部品と同じ感覚で図面を書くと、そのままでは製作できないことがあります。見積もり段階での差し戻しを減らすために、発注前に次の点を確認しましょう。

  • 公差は「ゴム公差」で考える:金属基準の寸法公差・幾何公差を並べても保証されません。機能上どこが効く寸法なのかを絞り、それ以外は一般公差に委ねます。
  • 幾何公差・表面粗さの指定可否を確認する:弾性体のため、平面度や直角度、面粗さを保証対象外としているサービスもあります。
  • 切断面の外観を織り込む:ウォータージェット加工等を用いて切断する場合、加工面はどうしても粗くなりやすい点に注意が必要です。また、材料内部の気泡等の影響により、加工面の一部が白っぽく変化(白変)することがあります。美観を重視する外観部品には不向きです。
  • 色味のばらつきを前提にする:ウレタンなどでは、原材料のロットの違いや経年劣化によって色味に差が出ることがあります。外観部品として使う場合は事前確認が必要です。
  • 止まり穴・止まりポケットの可否を確認する:板厚方向に貫通しない形状は、切断系の工法では対応できない場合があります。
  • シール部は「潰し代」まで設計する:材料の硬度と溝寸法から締め代を決め、公差の緩さを吸収できる設計にします。
  • 金属部品との組み合わせで機能を作る:位置決めは金属、緩衝・シールはエラストマー、という役割分担を図面レベルで明確にします。

メビーでのエラストマー系部品(ウレタン)の手配

3D CADデータから部品を手配できる meviy(メビー)では、金属・樹脂に加えて、ゴムの一種であるウレタン材を切削加工(角物)サービスで選択できます。3D CADデータをアップロードして材質を選ぶだけで、価格と出荷日をその場で確認できます。

エラストマー部品は「対応できる加工会社が限られるため出荷日が長くなる」「注文しないと納期が確定しない」といった声が多い領域ですが、メビーではウレタン材も標準6日目出荷から手配できます。

選択できるウレタン材

材質 特徴
標準ウレタン(A90・エーテル系・自然色) 硬度と弾力を兼ね備え、耐水性をもつ
標準ウレタン(A70・エステル系・自然色) 機械的強度が高く、低硬度
標準ウレタン(A50・エステル系・自然色) 機械的強度が高く、低硬度

表面処理は無処理での対応です。硬度を上げれば形状保持性が、下げれば緩衝性やなじみが得られます。耐水性を優先するならエーテル系、引張・引裂強度や耐油性を優先するならエステル系が目安になります。

対応サイズと品質基準(切削角物・ウレタン)

項目 内容
自動見積もりサイズ 長さ5〜600mm/幅5〜400mm/厚み1〜50mm(ショアA50は厚み1〜30mm)
担当者見積もりサイズ 長さ5〜1,000mm/幅5〜500mm/厚み1〜50mm
代表面粗さ Ra25(Rz100、▽)
寸法公差 ゴム一般公差中級(VDI 2005 2級 相当)
幾何公差 弾性体のため保証対象外
自動見積もり対象外の例 止まりポケットを含む形状、自動見積もりサイズ外の形状
指定できない項目の例 寸法公差指定、データム・幾何公差、表面粗さ指定、タップ・インサート、刻印、精度穴・穴径公差、長穴公差、色味の指定

※出典:メビー技術情報「ウレタンの規格・品質基準」「材質・表面処理(切削角物)」(2026年時点の公開情報)

金属・樹脂側の材質ラインアップと組み合わせれば、同じ3Dデータのプロジェクト内で、受け側のアルミブロックと当たり面のウレタンパッドを一緒に手配するといった使い方もできます。樹脂材の選択肢は樹脂加工部品の見積もり、切削角物の仕様は切削加工(角物)部品の見積もりでご確認ください。

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エラストマーに関するよくある質問

Q. エラストマーとゴムは何が違うのですか?

エラストマーは「ゴム弾性をもつ高分子材料」の総称で、ゴム(加硫ゴム)はそのうち架橋によって弾性を固定したものを指します。つまりゴムはエラストマーの一種です。ただし実務では「エラストマー」が熱可塑性エラストマー(TPE)だけを指して使われることもあるため、言葉の意味を相手と合わせるのが安全です。

Q. シリコーンはエラストマーに含まれますか?

含まれます。シリコーンゴムは架橋によって弾性を得る熱硬化性のエラストマーです。ケイ素を骨格にもつため、多くの有機系エラストマーと比べて広い温度範囲で使えるのが特長です。一方、架橋しているため溶かして再成形することはできません。

Q. TPEとTPUはどう違いますか?

TPEは熱可塑性エラストマー全体を指す言葉で、TPUはそのなかのウレタン系(JIS K 6418の分類記号TPU)を指します。TPUはTPEの一種、という関係です。

Q. エラストマー部品に厳しい寸法公差を指定できますか?

一般には難しいと考えてください。弾性体は測定条件で寸法が変わるため、ゴム専用の一般公差(VDI 2005 2級相当など)が用いられ、幾何公差は保証対象外とされることがあります。精度が必要な機能は、金属や硬質樹脂の部品側に持たせる設計が現実的です。

Q. 試作で数個だけ欲しいときはどうすればよいですか?

少数ロットの場合は、金型を使わない工法が向いています。板材・ブロック材からの切削加工やウォータージェット加工なら、1個からでも製作可能です。メビーでは3Dデータをアップロードしてウレタン材を選ぶだけで、その場で価格と出荷日を確認できます。

まとめ

エラストマーは、弱い力で大きく変形し、力を除くと元に戻る高分子材料の総称です。架橋によって弾性を固定した加硫ゴム(熱硬化性エラストマー)と、ハード/ソフトセグメントの相分離で弾性を生む熱可塑性エラストマー(TPE)に大別され、TPEはJIS K 6418でTPA・TPC・TPO・TPS・TPU・TPV・TPZの7つに分類されています。

設計において失敗を防ぐ最大のポイントは、「金属と同じ精度感覚を持ち込まないこと」です。

エラストマー部品は専用の緩い一般公差が適用されるため、位置決めは金属側の部品に任せ、エラストマーには緩衝・シール・保護の役割に徹させる設計が確実です。同時に、硬度(柔らかさ)だけで安易に決めることなく、使用温度や接触する液体(耐水・耐油性)、圧縮永久ひずみ(長期間の反発力維持)といった条件を総合して材料・グレードを選定してください。

そして、試作や治具のように数量の少ない場面では、金型を使わない削り出しが有力な選択肢になります。メビーの切削角物サービスを利用すれば、3Dデータから金属・樹脂・ウレタンの部品をまとめて見積もり・発注でき、ウレタン材も標準6日目出荷から手配できます。

エラストマー部品の加工先探しや納期調整の手間を減らすために、まずは手元の3Dデータで無料のお見積もりをお試しください。

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