ゴムのような弾性と樹脂の成形性を併せ持つ熱可塑性エラストマー(TPE)は、グリップやシール材として広く普及していますが、設計現場では「想定より柔らかい」「熱でへたった」といったトラブルも散見されます。理由は、TPEが性質の異なる材料の“総称”だからです。
本記事では、TPEの基礎から6分類の特性比較、用途別の選び方、成形不良を防ぐ設計ポイントや図面指示の方法まで解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

目次
熱可塑性エラストマー(TPE)とは?ゴムと樹脂の中間にある材料
熱可塑性エラストマー(TPE)は、常温ではゴムの弾性を持ち、加熱すると樹脂のように溶けて成形できる高分子材料の総称です。JIS K 6418(対応国際規格ISO 18064)では、化学構造によりTPA・TPC・TPO・TPS・TPU・TPV、およびその他(TPZ)の7つに分類されます。データシートなどで見かける略号はこの規格に基づくものです。
ゴム弾性を生む「ハードセグメント」と「ソフトセグメント」
TPEの分子は、性質の異なる2つの部分で構成されます。
- ハードセグメント:分子をつなぎ止める硬い“留め具”(物理架橋)
- ソフトセグメント:伸び縮みし、ゴム弾性を生み出す柔らかい部分
常温ではハードセグメントが分子を固定するため、引っ張っても元に戻ります。一方、加熱するとこの結合がほどけて流動し、冷却すれば再び弾性が戻ります。この「熱で着脱できる物理架橋」により、何度でも溶かして再成形できるのがTPEの最大の特徴です。

加硫ゴムは化学架橋で分子が固定されているのに対し、TPEはハードセグメントの物理架橋が加熱でほどけ、冷却で元に戻る
加硫ゴム・熱可塑性樹脂との違い
一般的なゴム(加硫ゴム)は、分子を化学結合でつなぐ「加硫」工程を経るため、熱をかけても結合が外れません。耐熱性や圧縮後の戻りに優れる反面、溶かして再利用することは不可能です。
一方、熱可塑性樹脂は加熱で溶け、再利用も容易ですが、ゴムのような大きな弾性はありません。TPEは、これら両者の特性を併せ持つ材料です。
| 比較項目 | 加硫ゴム | TPE | 熱可塑性樹脂 |
| 常温での弾性 | ◎ | ○〜◎ | ×(硬い) |
| 架橋の種類 | 化学架橋(不可逆) | 物理架橋(可逆) | なし |
| 主な成形法 | 圧縮成形・射出成形(加硫工程あり) | 射出成形・押出成形 | 射出成形・押出成形 |
| 成形サイクル | 長い傾向 | 短い傾向 | 短い傾向 |
| 端材の再利用 | 困難 | 可能 | 可能 |
| 高温でのへたりにくさ | ◎ | △〜○(種類による) | ― |
設計実務で特に注意すべきは「高温でのへたり(圧縮永久ひずみ)」です。TPEの物理架橋は熱で緩むため、高温環境下では荷重を受けた部品が変形したまま戻らなくなります。加硫ゴムからの代替を検討する際、最も慎重に評価すべきポイントです。
※ゴム材料はクロロプレンゴム(CR)の解説記事、ウレタンについてはウレタンの解説記事もあわせてご覧ください。
関連記事:熱可塑性を設計で活かす|熱硬化性との違いと、樹脂部品で失敗しない材質選定・寸法設計
TPEの6分類と特性比較
ここからは、JIS K 6418/ISO 18064の分類に沿って主なTPEを見ていきます。
スチレン系(TPS)
ポリスチレンをハードセグメントとする材料です。SBSやSIS、それらを水素添加したSEBSなどがあります。最大の強みは硬さの幅広さで、超軟質から中硬質まで作り分けられます。触感が良く着色しやすいため、グリップや日用品に多用されます。油と熱に弱いのが弱点ですが、水素添加タイプ(SEBS等)は耐熱性や耐候性が向上し、屋外用途にも適応可能です。
オレフィン系(TPO)
PP等のオレフィン樹脂とEPDM等のオレフィン系ゴムを組み合わせた材料です。軽量で耐候性や耐薬品性に優れ、自動車の外装や建材シールに用いられます。一方で耐油性は低く、非極性の性質を持つため、ABSなどの極性樹脂との二色成形(熱融着)が難しいという設計上の制約があります。
動的架橋オレフィン系(TPV)
TPOの製造過程で、ゴム成分のみを動的架橋させた材料です。樹脂の中に架橋済みのゴム粒子が分散しており、TPEの中で最も加硫ゴムに近い圧縮永久ひずみ(へたりにくさ)と耐熱性を示します。過酷な環境のシール用途で真っ先に候補に挙がりますが、耐油性はウレタン系などには及ばないため、油に触れる環境では確認が必要です。
ウレタン系(TPU)
ウレタン結合を持ち、機械的強度と耐摩耗性が突出して高い材料です。チューブや搬送ベルト、ローラーなどに適しており、選定時はソフトセグメントの種類が鍵となります。エステル系は強度や耐油性に優れる反面、加水分解(水分による劣化)に弱く、エーテル系は耐水性に優れます。また、紫外線で黄変しやすいため耐候性には配慮が必要です。
ポリエステル系(TPC)
PBT(ポリブチレンテレフタレート)等をハードセグメントに持ち、TPEEとも表記されます。耐熱性・耐油性・耐屈曲疲労性に優れ、硬め(ショアD寄り)の領域をカバーし、等速ジョイントブーツやホースなど、熱や油、繰り返し変形が加わる過酷な部位に選ばれます。極性樹脂との二色成形性が良好な反面、TPUエステル系と同様に加水分解に弱く、耐候性も高くありません。
ポリアミド系(TPA)
ナイロン(ポリアミド)をベースとし、軽量で低温でも柔軟性を保ちやすい材料です。反発性や耐薬品性に優れますが、材料単価が高いため、スポーツ用品や精密部品などに用途が限られます。
その他(TPZ)と塩ビ系材料
上記に該当しない材料は「TPZ」に分類されます。軟質PVCは可塑剤で柔軟性を持たせたプラスチックでありTPEとは構造が異なりますが、JIS K 6418では「NBR+PVCブレンド」もTPZの例としています。なお、軟質PVCは可塑剤の染み出しにより接触部品を劣化させるため、近年はTPS等への置き換えが進んでいます。
6分類の特性比較表
| 分類 | 主な構成 | 柔らかさの幅 | 耐熱性 | 耐油性 | 耐候性 | 耐摩耗性 | へたりにくさ | 代表的な用途 |
| TPS(スチレン系) | PS+オレフィン/ジエン | ◎(超軟質〜) | △〜○ | △ | ◎※ | ○ | ○ | グリップ、日用品、軟質カバー |
| TPO(オレフィン系) | PP+EPDM等 | ○ | ○ | △ | ◎ | △ | △ | 自動車内外装、建材シール |
| TPV(動的架橋) | PP+架橋EPDM | ○ | ◎ | △ | ◎ | △ | ◎ | ウェザーストリップ、ブーツ、配管シール |
| TPU(ウレタン系) | ウレタン+エーテル/エステル | ○ | ○ | ◎ | × | ◎ | ○ | チューブ、ベルト、ローラー、キャスター |
| TPC(ポリエステル系) | PBT+ポリエーテル | △(硬め) | ◎ | ◎ | × | ◎ | △ | 等速ジョイントブーツ、ホース、被覆材 |
| TPA(ポリアミド系) | PA+ポリエーテル | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | スポーツ用品、精密チューブ |
※ TPSの耐候性「◎」は水素添加タイプ(SEBSなど)の場合。
※ 評価記号(◎○△×)は各系統の一般的な傾向を示す相対評価です。
上表はあくまで系統ごとの傾向です。同じTPEでも、メーカーやグレード、配合される添加剤によって特性は大きく変わり、表の傾向が逆転することすらあります。最終的な判断は「TPEだから大丈夫」と決めつけず、候補グレードのデータシートを取り寄せ、実際の使用温度・環境における物性値を必ず確認してください。
TPEのメリットと、設計で気をつけたい弱点
設計上の4大メリット
- 量産サイクルが短い:加硫反応が不要で、樹脂用射出成形機により短サイクルで連続成形可能
- 材料ロスが少ない:スプルーやランナーなどの端材を粉砕・再利用でき、歩留まり向上とコスト低減が可能
- 二色成形による一体化:硬質樹脂との一体成形で、パッキンやグリップの接着・組立工数を削減可能
- 着色・意匠の自由度:黒色中心の加硫ゴムに対し、カラー化や透明グレードの選定が容易
設計で直面する4つの注意点
- 高温でのへたり(圧縮永久ひずみ):物理架橋は熱で緩むため、シール部品等はJIS K 6262に基づく「実使用温度」での評価が必須
- 使用温度の限界:シリコーンゴム等の加硫ゴムに比べ耐熱限界は低く、高温環境での連続使用は加硫ゴムとの比較検討が必要
- 耐油・耐溶剤性の系統差:TPU・TPCは油に強い一方、TPS・TPOは脆弱。接触する油種や洗浄剤ごとの検証が不可欠
- 成形収縮の異方性:流動方向と直角方向で収縮率が異なるため、硬質樹脂感覚の厳しい寸法・幾何公差は成形で追い込めないリスクがある
用途別・TPEの選び方
装置設計でTPEを検討する際、用途ごとに「最初に見るべき特性」が変わります。
| 用途 | 最初に確認する特性 | 候補になりやすい系統 |
| シール・パッキン・ガスケット | 使用温度での圧縮永久ひずみ、接触媒体(油・水・薬液) | TPV(耐油が必要ならTPU・TPC) |
| ストッパー・緩衝材 | 硬さ、反発弾性、繰り返し衝撃への耐久性 | TPU、TPC、TPS |
| ローラー・ベルト・キャスター | 耐摩耗性、引張強さ、耐加水分解性 | TPU(エーテル系/エステル系を環境で選択) |
| グリップ・カバー・外装 | 触感、着色性、硬質樹脂との接着性 | TPS、TPO |
| チューブ・ケーブル被覆 | 柔軟性、耐屈曲疲労性、耐油性 | TPU、TPC、TPO |
選定で迷走しないためには、以下の順序で候補材料を絞り込むのが鉄則です。
- 温度・環境:使用温度(上限・下限)と、接触する媒体(油、薬品、紫外線)
- 荷重の条件:つぶしたまま保持するのか(シール)、衝撃を受けるのか(緩衝)、こすれるのか(摺動)
- 必要な硬さ:変形量と荷重のバランス(目安:ショアA90は硬式球、A70は軟式球、A50は消しゴム程度)
- 製法・ロット:射出成形で量産するか、少数削り出すか
なお、「4. 製法・ロット」は特に見落とされがちです。TPEは金型成形を前提とする材料であり、数個の試作や一品物の装置部品では、TPEに固執せずウレタンゴム等の切削品を代替採用したほうが早く安く済むケースが多々あります(詳細は後述)。
TPE成形品の設計ポイント
TPEを射出成形で量産する場合、硬質樹脂の設計基準をそのまま適用すると成形トラブルにつながります。金型協議前に押さえるべき急所は以下の6点です。
1. 肉厚の均一化とヒケ対策
肉厚差は冷却速度の違いを生み、ヒケや反りの直結原因になります。厚肉部は肉抜きを行い、リブ構造へ置き換えて均一な肉厚を保つのが鉄則です。
2. 抜き勾配と無理抜き(アンダーカット)
TPEの柔軟性を生かし、浅いアンダーカットであれば型開き時に変形させて離型する「無理抜き」が可能です。ただし、軟質グレードほど金型への密着性が高く離型抵抗が増大する傾向にあるため、無理な離型は製品の変形や裂けを招きます。抜き勾配は硬質樹脂と同等以上を確保するのが安全です。
3. 二色成形の熱融着性とアンカー構造
硬質樹脂との一体成形は材料同士の相性(分子極性)で決まります。PP基材にはTPSやTPO、PC・ABS等の極性樹脂にはTPU・TPCや接着性TPSを組み合わせます。界面剥離を防ぐため、基材側に穴や溝を設けて機械的に噛み合わせる「アンカー形状」の併用が確実です。
4. ゲート配置とウェルドライン対策
ゲート跡は外観だけでなくシール性の弱点となるため、シール面や把持面を避けて配置します。また、樹脂が合流するウェルドラインは強度が落ちるため、引張・屈曲がかかる部位を避けるよう流動方向を考慮します。
5. 成形前の予備乾燥管理
TPUやTPCは吸湿しやすく、乾燥不足は加水分解による強度低下やシルバーストリーク(銀条痕)を引き起こします。設計者も材料特性として乾燥管理の重要性を認識しておく必要があります。
6. シール部の「つぶし代」と「逃げ容積」
TPEを含むゴム状材料は非圧縮性(体積がほぼ変わらない性質)を示すため、圧縮した分だけ横に膨らみます。相手溝の容積がつぶれた材料の体積より小さいとはみ出しや締結不良を起こすため、つぶし代の確保と同時に溝内の「逃げ(クリアランス)」を必ず設計します。

つぶし代を確保しつつ、膨らんだ分を収める溝内の余裕(逃げ)を設けておく
TPE部品の図面指示の方法
TPE部品の図面で抜けやすいのが、「硬さ」と「測り方」の指定です。金属部品と同じ感覚で寸法と材質名だけを書くと、受け取った側で解釈が分かれ、試作のたびに仕上がりが変わる原因になります。ここでは、注記で指示すべき項目を順に見ていきます。

TPE製ガスケットの図面指示例。材質・硬さ・公差の基準・測定状態を注記でまとめて指定する
1. 材質:系統名・グレード・同等品条件を明記
「材質:TPE」だけの指示は厳禁です。最低でも系統(TPS、TPV等)を明記し、可能ならメーカー名とグレード名まで指定します。調達性を考慮して「または同等品」とする場合は、「同等品使用時は要事前承認」と併記し、無断で材料が変わるリスクを防ぎます。
2. 硬さ:デュロメータの規格と数値をセットに
硬さはJIS K 6253-3(デュロメータ硬さ)で指定します。ショアA相当なら「タイプA」、硬質なら「タイプD」とし、「A60±5(JIS K 6253-3)」のように数値・許容幅・規格を注記します。許容幅は±5が実務上の目安です。
なお、TPEは加硫ゴムより押し込み後の値が下がりやすいため、JIS(および対応国際規格ISO 7619-1)では標準の読み取り時間が「加硫ゴムは3秒、熱可塑性ゴムは15秒」と規定されています。厳密な管理が必要な部品では、この時間差を認識して検査方法をすり合わせましょう。
3. 寸法公差:金属用の普通公差を流用しない
金属削り出し用の普通公差(JIS B 0405等)をTPE成形品に適用すると、成形では守れない厳しい公差になります。ゴム成形品の寸法許容差を定めた「ISO 3302-1」の適用を検討し、「指示なき寸法許容差:ISO 3302-1 M3」のように等級(M1〜M4)を注記して、重要寸法のみ個別公差で管理するのが現実的です。
4. 測定状態:非剛性部品の「自由状態」を指定
TPEのような柔らかい部品(非剛性部品)は、置き方で寸法が変わります。JIS B 0021に基づき、幾何公差枠に丸囲みのF(Ⓕ)記号を付与し、「公差は自由状態で測定する」旨を注記します。逆に組み付け状態での機能保証が必要なら、JIS B 0026(ISO 10579)に準じて拘束条件(ボルトの締め付け等)を明記します。
5. 外観・仕様書の活用
成形特有のバリの許容高さ、ゲート位置やパーティングラインの禁止面も図示します。また、使用温度や接触媒体(油種等)といった選定根拠は、別紙の「仕様書」にまとめて図面に紐づけておくと、将来の材料変更時のトラブルを防げます。
少量・試作のエラストマー部品はどう手配する?
ここまでTPEの設計ノウハウを解説してきましたが、実は「TPEの部品を数個だけ試作したい」という段階で、手配の壁にぶつかるケースは少なくありません。
成形の「金型代」と切削の「難削性」という壁
TPEは射出成形を前提とした材料です。簡易型を使っても費用と期間がかかり、数個の部品を作るだけではコストが見合いません。では削り出せばよいかというと、TPEは刃物に押されて逃げ、摩擦熱で溶けるため、切削加工で寸法精度を出すのは困難です。比較的硬いグレードであれば削れる場合もありますが、一般的な加工法とは言えません。
現実的な選択肢は「目的で分ける」こと
少量のエラストマー部品が必要な場合、目的に応じてアプローチを分けるのが実務の定石です。
- 量産と同材料で評価したい:簡易型で成形する、またはTPU等の3Dプリントで形状確認を行う
- 硬さや機能を試したい:切削性の良い「ウレタンゴム」から削り出して代替検証する
- 周辺部品を先に固めたい:シール溝付きプレートなど、相手側の硬質部品を先行手配する
特に装置設計で多用されるのが、2つ目の「ウレタン切削での代替」です。ウレタンは機械的強度に優れるため、TPE成形に進む前の「硬さの当たり付け」や、一品物の装置部品として十分な役割を果たします。
弾性部品の見積もり・発注はメビーで
TPEそのものの成形品ではなく、「削り出しで作れる弾性部品」や「TPE部品と組み合わせる硬質部品」であれば、meviy(メビー)を活用できます。メビーは、3D CADデータをアップロードするだけで価格と出荷日がその場でわかる機械部品調達のサービスです。
切削加工でウレタンの弾性部品を手配できる
メビーの切削加工(角物)では、樹脂材料のひとつとして標準ウレタンを選べます。硬さはA90・A70・A50の3段階で、A90はエーテル系、A70はエステル系です。前述のとおり、エーテル系は水や湿気に強く、エステル系は強度や耐油性に優れるという違いがあるため、硬さだけでなく使用環境もあわせて選ぶと失敗がありません。
硬さ違いの3種類を同じ形状で同時に見積もり、並べて比較できるのは、データを入れるだけで即座に価格が返ってくる仕組みならではの使い方です。図面を描いて加工先に問い合わせ、回答を待つ工程がないため、「A70とA90のどちらがよいか、現物で確かめたい」といった検討を、設計の手を止めずに進められます。
TPE部品と組み合わせる硬質部品もまとめて
TPEのパッキンを収めるシール溝付きのプレート、緩衝材を受けるブラケット、グリップを取り付けるベース部品など、エラストマー部品のまわりには必ず相手となる硬質部品があります。メビーでは、切削加工(角物・丸物)や板金加工で、アルミやステンレスなどの金属部品から、POMやMCナイロン、PEEKといった樹脂部品まで手配できます。弾性部品と相手部品を同じ3Dデータの流れで見積もれるため、試作装置の部品をまとめて揃えたいときにも便利です。
部品加工事例
ロボットアームにて部品をチャッキングする際、ワークの傷防止・保持面積確保のために先端爪部にウレタンを使用している事例です。

樹脂部品の製作例は部品加工事例(樹脂加工)で、価格や出荷日の目安とあわせて確認できます。複数の加工先への見積もり比較に時間がかかっている場合は、部品の相見積もりをまとめて行う方法も参考になります。
手元に3Dデータがない方は、サンプルデータで見積もりの流れをお試しいただけます。
よくある質問
Q. TPEとTPUの違いは何ですか?
TPUはTPEの一種です。TPEは熱可塑性エラストマー全体の総称で、そのうちウレタン系をTPUと呼びます。なお、市場では慣例的にスチレン系(TPS)を単に「TPE」と呼ぶ場合があるため、図面や仕様書では「TPU」「TPS」と具体的に系統・グレードを指定することが重要です。
Q. シリコーンゴムとの使い分けは?
連続高温環境や長期間つぶし続けるパッキンには、耐熱性や耐へたり性に優れるシリコーンゴム等の加硫ゴムを選定します。一方、常温付近での量産性、硬質樹脂との二色成形による部品一体化、コスト低減を重視するならTPEが適しています。
Q. TPEは何℃まで使えますか?
系統や配合で大きく異なります。一般にTPS・TPOは耐熱性が控えめで、TPV・TPCは高耐熱性を示します。「溶融する温度」ではなく、荷重下で弾性を維持できるかどうかが判断基準となるため、データシート上の「実使用温度における圧縮永久ひずみ」を確認して判断してください。
Q. TPEは切削加工できますか?
柔軟なため刃物から逃げ、摩擦熱で溶けるため切削加工には向きません。数個の試作や一品物の装置部品が必要な場合は、切削加工性に優れたウレタンゴムのブロック材から削り出す代替手法が現実的です。
Q. TPEはリサイクル可能ですか?
スプルーやランナーなどの単一端材は粉砕して成形に再利用できます。ただし、異種材料との二色成形品や複合材料は分別が難しいため、実際の再利用性は製品構造によります。
まとめ
熱可塑性エラストマー(TPE)は、ゴムの弾性と樹脂の成形性を併せ持つ材料です。加硫が不要で量産性や二色成形に優れる一方、耐油性や高温でのへたり(圧縮永久ひずみ)には注意が必要です。
設計時は「TPS・TPO・TPV・TPU・TPC・TPA・TPZ」の分類特性を理解し、温度、接触媒体、荷重条件から適切に材料を絞り込みます。また、図面には材質・グレード、硬さ(JIS K 6253-3)と公差等級(ISO 3302-1)、自由状態(Ⓕ)での測定を明記し、仕上がりのバラツキを防ぎます。
少数手配が困難なTPEの代替として、ウレタン切削も有効です。メビーを活用し、試作や装置部品の手配リードタイムを短縮しましょう。





