3Dモデルと仕上りに差異が生じる形状
最終更新日:2024/02/15
切削丸物の全技術情報「使い方-詳細マニュアル(PDF版)」はコチラ >>
製造は3D CADデータが正となりますが、加工上以下の場合は3Dモデルと仕上がりに差異が生じます。
旋盤部品の「角部・隅部」仕上がり形状の留意点
仕上がりに差異が生じる例と注意点をご確認ください。
ポイント
下記条件の仕上がりとなります。- 角部がC/R0.5未満のモデルは、C/R0.1~0.4mmもしくは糸面取りになります。
-
円筒隅部が0.5未満の場合、R0~R0.4mmの仕上がりになります(モデルに逃げ溝がない場合)→逃げ溝をモデリングせずに「隅R0指定」する場合はこちらから
注意
- C0.5mm以上でモデリングされた場合、3Dデータ通りに加工します。
- R0.5mm以上でモデリングされた場合、3Dデータ通りに加工します。
注意
「面取り不可」指定は対応していません。
センタ穴の留意点
端面に開けたセンタ穴はワークを保持し、製品回転時の芯ブレを防止する目的に使用します。
注意
- 「センタ穴残り不可」を選択可能ですが、加工可能形状に制約が入り対応不可になります。その際には画面左上の「注意事項」をご確認ください。
メモ
①不可を選択すると引き出し線が表示します。
②内径が空いていると引き出し線は表示しません。
穴(旋削・切削)の底面の留意点
穴(旋削・切削)の底面に、ドリル先端形状が残ります。
パターンA:ドリル先端形状が残る
パターンB:ドリル先端形状が残り、底面なし
パターンC:段部にもドリル先端形状が残る
パターンD:段部にもドリル先端形状が残り、底面なし
メモ
加工ドリル参考写真
熱処理かつ公差指定がある円筒隅部の留意点
- 「熱処理」かつ「径」公差指定がある円筒隅部には、任意の逃げ溝(深さ0.025mm)が設定されます。
- ※熱処理なしの場合でも、形状・公差(幾何公差含む)によっては逃げ溝設定されることがあります。
■「熱処理あり」かつ「径」に公差指定をした場合
注意
逃げ加工不可な場合、コメント欄にてご相談ください。- 加工後の仕上がり形状
- 詳細図
メモ
隅部にR0.5以上のモデリングをされている場合には以下形状になります。- 隅部にR0.5以上のモデリング
- 加工後の仕上がり形状
- 詳細図
■「熱処理あり」かつ「径」、「フランジ」に公差指定をした場合
注意
逃げ加工不可な場合、コメント欄にてご相談ください。- 加工後の仕上がり形状
- 詳細図
■「隅R0指定」を選択した場合
「外径情報指示」ダイアログで「隅R0指定」を選択すると、任意の逃げ溝(深さ0.5mm)が加工されます。
・隅Rを最小にしたい、または逃げ溝指定をしたい場合 | ・円筒隅部は任意の形状でよい場合 |
→「隅R0指定」を選択ください。 | →「隅R0~R0.4以下」を選択ください。 |
深さ0.5mmの逃げ溝を加工することで、円筒隅部を隅R0とします。 | |
メモ
下記条件の場合には、「隅R0指定」は適用されません。
①隅R0.5以上でモデリングがある | ②モデルに逃げ溝がある |
メモ
3Dviewer左下に円筒隅部の取り扱い情報を記載しております。
不完全ねじの留意点
不完全ねじ部とは、ねじ部長さを確保するために、必要な逃げ形状(長さ、深さ)を示します。以下事例をご参考ください。
※下記表①~④を満足しないモデル形状の場合、ミスミ推奨値で加工させて頂きます。
[mm]
おねじ | めねじ | ||
---|---|---|---|
モデリング | 逃げ溝なし | ||
逃げ溝あり | |||
①不完全ねじ部長さ 逃げ溝幅の下限値 | ピッチ×2.0 | ピッチ×2.5 + 2 | |
②ねじ部長さ(おねじ) ねじ部深さ(めねじ)の下限値 | ピッチ×2.0 | ピッチ×2.0 | |
③C面 | バリの出ない様に面取り加工 | バリの出ない様に面取り加工 | |
④逃げ溝深さ最小値 | ピッチ×0.75 | ピッチ×0.75 |
注意
④逃げ溝深さ最小値を「ピッチx0.75」以下に設定したモデルは加工は可能ですが、ねじ跡が残ります。- 参考モデル
- 実際の加工後の仕上がり形状
ポイント
- 下図赤枠に表示された【お知らせ】では適用される、ねじ部長さ/ねじ部深さ記載しています。
例1)外径情報指示:おねじ ねじ部長さ
36.6mm = 44.6mm – 4.0(ピッチ) × 2.0 |
例2)内径情報指示:めねじ ねじ部深さ
11.0mm = 15.5mm – (1.0(ピッチ) × 2.5 + 2.0) |
注意
- モデリングされたねじ形状の認識ができません。meviy画面上からおねじ/めねじをご指定ください。
端面溝の「隅部」仕上がり形状の留意点
仕上がりに差異が生じる例と注意点をご確認ください。
端面溝ピン角モデル
- 実際の加工後の仕上がり形状
- ※R0.1~0.5mm以下の仕上がり
メモ
R0.1~0.5で仕上がるため、モデリングは不要。ピン角で設計ください。ポケット「隅部」仕上がり形状の留意点
仕上がりに差異が生じる例と注意点をご確認ください。
- 切り欠き(ポケット)
- ピン角含むR0.5未満の形状
- 実際の加工後の仕上がり形状
- ※R0.1~0.5mm以下の仕上がり
注意
- ポケット側面の加工Rは工具径に依存致しますが、可能な限り小さな径となる様に工具選定致します。
- モデルと仕上がり形状に差異が発生する場合には、ご発注後に形状確認を相談致します。
スリット加工について
スリット加工によって部品の寸法が変わる可能性があります。そのため、以下のような形状はスリット加工前の測定値に基づいて保証します。