対応できる溶接種類と仕上げ方法
最終更新日:2024/10/07
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- [溶接情報]メニューで、溶接種類や溶接方法、溶接方向や仕上げ方法の設定ができます。
- 溶接情報はすべての溶接箇所に適用されます。
- ※溶接情報指示の設定方法は「溶接情報指示を設定する」を確認ください。
溶接種類
- 溶接種類は、おまかせ(アークまたはレーザー)、アーク溶接、レーザー溶接から選択できます。
- また、2つの面が重なる溶接部分がある製品では、スポット溶接を選択できます。
アーク溶接
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レーザー溶接
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スポット溶接
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おまかせ(アークまたはレーザー)
- アーク溶接またはレーザー溶接で製作し、出荷します。
- 製作時の溶接種類は、ご依頼頂く材質・板厚・製品形状等の条件より決定します。
アーク溶接
- 構成パーツの接触部をアーク放電現象を利用して接合します。TIG溶接や、半自動溶接といった種類があります。
- アーク溶接は一般に広く用いられており、安価に加工できること、溶接ビードの幅が大きいという特徴があります。
- 溶接時の熱影響により歪みが発生しやすいという課題がありますが、断続溶接で溶接長を短くする等により軽減可能です。
レーザー溶接
- 構成パーツの接触部をレーザー光照射による融解現象を利用して接合します。ファイバーレーザー溶接やYAGレーザー溶接が含まれます。
- 溶接ビードの幅が小さいという特徴があり、また、深い溶け込み量とレーザー光照射範囲が狭いことによる熱影響の低減が期待されます。
- ただし、構成パーツ間の隙間を埋めることや肉盛り溶接には適していません。
- ※担当者見積となります。
スポット溶接
- 2枚の板を電極で挟み、大きな電圧をかけることで接合します。
薄板の加工に適しており、アーク溶接に対して溶接加工後の歪みが発生しにくい特徴があります。
ポイント
- 同一型番の再注文時は、初回注文時と同じ工法にて溶接加工を行います。
- 溶接種類「おまかせ(アークまたはレーザー)」を選択した場合でも同様です。
溶接方法
- 溶接方法は、連続溶接、断続溶接を選択できます。断続溶接を選択すると、溶接する長さ(公称)、溶接箇所数を設定できます。
- 溶接の中心間隔は、設定した溶接長と溶接箇所数(1辺あたり)をもとに各溶接辺で自動的に計算されます。
連続溶接
- 溶接可能な箇所を隙間なく連続して溶接します。
- 接合部分の水密性・気密性保持に有効です。
断続溶接
- 溶接可能な箇所を一定間隔をあけて溶接します。
- 一辺あたりの溶接の長さ、溶接個所数を指定できます。
- 溶接長が短くなることで、溶接による熱歪みが低減されます。
ポイント
溶接箇所数は、固定値と割合から計算の2通りから選べます。
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固定値 →一辺あたりの溶接箇所において、固定値で選択した個数分溶接するように溶接間隔を調整します。例:溶接箇所100mmに対して「溶接長10mm 、溶接箇所数(一辺あたり) 3」で設定
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割合で計算 →一辺あたりの溶接箇所において、選択した割合分が溶接されるように溶接箇所、溶接間隔を調整します。例:溶接箇所100mmに対して「溶接長10mm 溶接箇所数(一辺あたり) 40%」で設定
注意
断続溶接で選択した溶接長・溶接箇所数が溶接箇所よりも長くなる場合、当該箇所は連続溶接として判定されます。
※溶接間距離が5mmを下回る場合は断続溶接が設定できません。
溶接長:30mm 溶接個所数:4 の場合
→ 30mm×4 = 120mm > 溶接可能な辺の長さ100mmとなり連続溶接
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連続溶接扱いの例
溶接方向
- 溶接方向は、片側(体裁面側)、片側(非体裁面側)、両側から選択できます。
- 板厚面と板平面のT字溶接および板平面を重ねた溶接箇所では溶接方向の指定はできず、両側溶接ないし曲げ部を除いた全周溶接となります。
- meviyが認識した体裁面は3Dビュワー上で濃いオレンジ色で表現されています。パーツの体裁面情報と溶接方向を組み合わせて設定することで、ご希望の溶接箇所を指定できます。詳細は「体裁面と溶接方向の設定」をご確認ください。
体裁面側溶接
非体裁面側溶接
両側溶接
片側(体裁面側)溶接
溶接する板の片側(体裁面側)のみを溶接します。
片側(非体裁面側)溶接
溶接する板の片側(非体裁面側)のみを溶接します。
両側溶接
体裁面側、非体裁面側の両方を溶接します。
注意
板厚面と板平面のT字溶接および板平面を重ねた溶接箇所は、溶接方向の指定はできません。
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板平面のT字溶接の例
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板平面を重ねた溶接の例
スポット溶接の加工方向は形状により製造時に決定します。
特定の向きからのスポット溶接加工をご希望の場合は、その他追加指示欄に記載の上で担当者見積をご利用ください。
スポット溶接の例
溶接仕上げ
- 溶接仕上げは、焼け取りのみ、グラインダー仕上げ、その他追加指示欄に記載から選択できます。
- その他追加指示欄に記載を選択した場合は、ご希望の溶接仕上げ内容をその他追加指示欄に記載の上、担当者見積をご依頼ください。
溶接仕上げ: 焼け取りのみ(SUS304(2B))
溶接仕上げ: グラインダー仕上げ(SUS304(2B))
焼け取りのみ
- 溶接加工によって発生する焼けを取る作業を行います。
- 焼け取り方法は材質・表面処理によって規定しています。
- 材質・表面処理によっては工具が入り込まない部分の溶接焼けが残る場合があります。
グラインダー仕上げ
- 溶接加工によって発生する焼けに加え、溶接ビードを削り取り、周囲面に対して平坦となるよう仕上げを行います。
- 溶接ビードを削る対象は製品外形部となり、工具が入りこまない部分の溶接ビードは削りません。
その他追加指示欄に記載
- 焼け取り、グラインダー仕上げに含まれない仕上げ内容を希望の場合に、担当者見積をご利用ください。
- 例:溶接部の面にヘアライン加工、オイルバンのため水漏れ無き事 等
各材質での仕上げ状態は「溶接仕上げの仕様」を確認ください。
注意
- スポット溶接加工の仕上げ有無および方法は、材質によって決まります。
- 各材質での仕上げ状態については、「スポット溶接加工の仕様」を確認ください。
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