New溶接加工基準

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溶接種類

アーク溶接

溶接種類「アーク溶接」は、TIG溶接または半自動溶接(CO2溶接)により加工します。また、必要に応じて溶接棒を用いて溶接加工します。

どの溶接手段を用いて加工を行うかについては、製品形状に応じて後述の基準を参照しながら製作工場にて判断します。

・TIG溶接:
  • 薄板や、ボックス形状の外周、突合せ溶接部などで主に使用される方法です。また、中厚板以上では溶接棒を用いてTIG溶接加工する場合もあります。
  • TIG溶接部は、連続的なうろこ状の痕が重なり合ったような見た目となります。
TIG溶接により溶接加工した例(溶接棒なし, SUS304(2B))

・半自動溶接(CO2溶接):

  • 中厚板の製品で隅肉溶接箇所がある場合に使用されることが多く、加工時にスパッタ・スラグが発生しやすい溶接方法です。
  • 溶接部は肉盛りされており、TIG溶接と比べて溶接箇所が目立った見た目となります。
CO2溶接により溶接加工した例(溶接棒あり, SS400)
・溶接棒の使用基準:
  • 鉄系材質の板厚3.2mm以上、SUS系材質の板厚4.0mm以上、アルミ材質の板厚2.0mm以上でアーク溶接を行う場合に使用します。
  • ただし、ボックス形状の外周部や突き合わせ溶接部、溶接部と穴が近く、溶接棒を用いて溶接加工すると溶接ビードが穴に干渉してしまう場合などは、外観・機能性優先のため溶接棒を用いずにTIG溶接で加工することがあります。
TIG溶接により溶接加工した例(溶接棒あり, A5052)

レーザー溶接

レーザー溶接では、ファイバーレーザー溶接またはYAGレーザー溶接により加工を行います。
どちらの方法にて加工を行うかについては、製品形状に応じて製作工場にて判断します。
レーザー溶接により加工した例

おまかせ(アークまたはレーザー)

おまかせ(アークまたはレーザー)では、上述のアーク溶接またはレーザー溶接に記載されている溶接手段を用いて溶接加工し、出荷します。
製作時の溶接種類は、ご依頼頂く材質・板厚・製品形状等の条件を考慮して製作工場にて決定します。同一型番の再注文時は、初回注文時と同じ工法にて溶接加工を行います。

スポット溶接

スポット溶接では、製品形状によって定置式とテーブル式のスポット溶接加工機を使い分けて加工を行います。加工機は製作工場にて決定します。

・加工方法:
  • 定置式とテーブル式のスポット溶接加工機を使い分けて加工を行います。
  • スポット溶接痕が異なり、定置式では2枚の板の重ね合わせ部の両面にスポット痕として凹み部が形成されますが、テーブル式ではテーブル電極に平置きした面にはスポット痕の凹み部が形成されません。
  • また、外観は材質や板厚・形状によっても異なりますが、凹み部の深さはテーブル式の方が大きくなる傾向があります。
スポット溶接種別の溶接痕例
材質例:SUS304(2B)
・加圧方向:
  • スポット溶接時の加圧方向は、製作工場にて製品形状により決定します。
  • 加工方法を指定したい場合は、その他追加指示欄に記載のうえ、担当者見積をご依頼ください。

溶接部の脚長

アーク溶接で溶接加工する製品における、脚長の狙い値は以下の通りとします。

なお、下記範囲外の脚長での溶接加工をご希望の場合は、その他追加指示欄に記載のうえ、担当者見積をご利用ください。

・SPCC/SPHC, SECC(電気亜鉛メッキ鋼板), SUS304(2B), SUS304(No1), SUS304(片面ヘアライン), SUS430(2B)
  • – 参考値(最小):0.7 x 板厚t1 mm
  • – 最大値:1.5 x 板厚t2 mm
  • ※板厚違いの溶接の場合
     板厚t1:薄い方の板厚、 板厚t2:厚い方の板厚
・A5052
  • – 参考値(最小):3.5mm
  • – 最大値:10mm
脚長イメージ

溶接品の強度

板金溶接品の製品状態の強度保証はいたしませんが、構成パーツが溶接されて接合している事を確認のうえ、出荷いたします。

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